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鬱金香(チューリップ)
叶わない恋、そんなことは分かっていたの。
愛したことを忘れたのはいつだってあなた。
私はあなたのことを忘れたことなんてなかったのに。
あなたをいつだって私に染めたくて
ずっとあなただけを見ていた。
濡れた私の手の中にあなたがいたこと
嬉しくて嬉しくて
ほかの人を見て欲しくないと願ったら、あなたは私だけを見てくれた
さぁ、あなたを持って二人きりの旅へいきましょう。
もうその手は私以外には差し向けられないのだから
あなたが入ったリュックは私の肩にくい込んだ
その重さが今は心地よくて
思い出したあなたはいつだって赤く染まっていた
私はあなたを愛していた
だから
殺したのよ




