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雨
しとしと――
空から落ちた雫は水面へ小さな波を生み
そこに浮かぶ木の葉をわずかに揺らした
動き始めた木の葉は少しずつ風に運ばれ
やがて、広い、広い海へと流れ着く
波に飲まれ、冷たい海の中へと沈んでいく木の葉へ
手を差し伸べ救い上げるものは
きっといないのだろう
沈んでいく木の葉を見やるように
太陽はその暖かい日差しを海へと降らせた
それは海を空へと巻き上げ
天高く登った海は、やがて雲へとその姿を変える
やがて遠い空まで旅をした雲は
その姿を再び変え、雨として大地へと降り注ぐ
その雫は恵みとなり
新たな命を育むのだろう
自身が飲み込んだ木の葉をどこか思い出すように
今日も雨はしとしとと降り続ける




