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儀式
世界が闇に染まるとき
炎が赤く燃え上がる
黒い炎を吐き出しながら、燃え盛る炎
周囲には肺を焼くような熱風が立ち込める
動物が焼けるような匂い
捧げられる祈りの歌
鳴り響く楽器は何かを鎮めるように鳴り響いていた
人だかりの中央では魔女が燃えている
もがき苦しんでいた化物はやがて動かなくなる
民衆が歓喜し
その声は炎を一層激しくし魔女の体を黒く染めていく
祈りを捧げていた神父が叫び
町は救われたと宣言する
炎の中で息絶えた魔女は目を開き
その光の消えた目で何かを見つめていた
数日前まで畑を耕していた少女は
なんの因果か魔女に選ばれ町の贄となった
罪のないその瞳は何を見ていたのだろうか




