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大阪環状ルーレット族  作者: 野上博友
3/6

第三速「車選び」

達也はやっと車を決めました。

ゴォァァァァァァ!


「さて…まだ1時やし…ミっちゃんのショップで車見るか…」


綾瀬モーター


「あった、ここやな」



「暇やな…あんまり客来ないし…」


ゴォォォォォ…


「あれ?この音…四気筒やな?車やなさそう…」


ォォンオンオンゴォォォ


「この音…カワサキか?…Z系でエンジンカリカリのフルチューンか…」


オンオンォォォォ


「こんな単車この街で転がしてんのは…」


ゴォォォン…キキィ!


「やっぱり達也か」


「ミっちゃ〜ん居る〜?」

「うるせ〜からエンジン切れや達也!」


「はいはい…」


グボボゥ…カチ!


「何や達也…遊びに来たんなら…」


「免許取ったから車買おうかな思って」


「え?ほんま!ちょっと待ちや!今お茶を…いや…コーヒー…コーラのが良いかな?あと茶菓子も…」


「とりあえず今は見に来ただけやし…」


「そうなん?…まぁ 良いか…それで?」


「環状とか走るのにオススメの車とかないんか?」


「環状走るんか?」


「せやけど?」


「ほなこっちやな」


タッタッタッタッ



「これ?」


「ホンダのワンダーシビックや!」


「ゴツいの…なんか爆弾みたいやな…これ」


「今コレが環状で一番人気の車や、安くて速くて曲がりやすくて…ただパワーがいまいち」


「どれぐらい?」


「高速域だと問題ないんやけど、低速域がな…」


「そうか…でもコレ車高低いな…かっこええ!」


「今のワンダーの9割はシャコタンやで!それとリアシート側見てみ?」


「これは…ジャングルジム?何やこれ…しかもリアシート無いやん」


「それが今時風なんや、これはジャングルジムじゃなくてロールバー、高速でコーナー曲る時もガッチリ支えてくれるから物凄く曲がりやすくなるんや!あとリアシートが無いのは軽量化のためやで、これが無くなるだけで随分加速が鋭くなるんや!」


「へ、へぇ〜」


「本当の事やで?」


「いくら速くなるからってリアシート取っ払った車シブイ思ったら終わりやで…」


ボソリ…


「今何か凄く失礼な事言わんかった?」


「べっつに〜」

「ほな次行こか!」


……………………………


「これ?何となくさっきのと似てるな〜…」


「鋭いの!コレはグランドシビックつってワンダーの跡継ぎモデルで環状でもワンダーと同じ位人気があるんや、更にコレはモデルチェンジしたばっかの車やからちょっと高いけどVTEC積んでるから馬力はノーマルのまんまで160馬力でしかも俺も乗ってる!」


「へぇ…色も白でしかもシャコタンかシブイね…あ!この車ロールバーだっけ?有るけどリアシートは取っ払ってない…やっぱリアシートは有るほうが良いな!」


「おう…まぁ外す外さないは個人の自由やし…」


「ほな次行こ!」


「ワンダーとグランドは気に入らん?」


「いや…そうや無い…正直めっちゃかっこええ思うわ…けど…」


「けど?」


「周りが同じ車ばっかてのが気に入らん…それに買うなら日産がええ!」


「日産車がええ?なら早よそれを言わんか…ホンダを推しまくってた俺が馬鹿みたいやろ?」


「すまん…」


「まぁええわ!日産ならこっちやで!」


………………

…………


日産車コーナー


「ここや」


「おぉ!めっちゃ在るわ!」


「オススメはこのニューZ!」


「なにこれ低く!」


「これノーマルやで!」


「へぇ〜…」


(ん…!何やあれ…倉庫か?)


「んでな!このZはノーマルで250馬力位有るし…て…おい!聞いてんのか?」


「え?…あ…」

「何や…修理倉庫が気になるんか?」


「修理倉庫?」


「ああ…業者から買い取った後に事故車は1台1台修理してんやけどな…面倒だから6台入るよう改修工事してな…?前来たときは無かったやろ?」


「へぇ…」


「興味無さげやなオイ」


「お!あれニューソアラ!あれも事故車?超綺麗やん!」



「あ…あぁ綺麗に直したからな…もう新車と見分けがつかんけど…最初は酷え事故車でな…写真が有るんやけど」


ガサゴソガサ


「あった…」


「どれどれ…う!」


そこに写っていたニューソアラは屋根が潰れていて…フロント周りもグチャグチャだった


「ほんまに酷いな…どんな事故起こしたんや?」


聴いたらいけない事くらい解っていたが訪ねてみると…


「何でもよ…事故起こした時四人乗ってたらしいんやけど…右斜めからトラックにすっぽり入っちまったんやと」


「・・・・・・」


「トラックに挟まった衝撃をモロに受けた運転手は首飛ばして即死、助手席の奴はシートベルト着けて無かったらしく外に投げ出されて…脳ミソぶちまけてこれまた即死…右リアシートに乗ってた奴はまだ病院で意識不明で、左側のリアシートの奴は奇跡的にむち打ちだけで済んだらしい…」


「そうやったんか…」


「気にすんなや…ただ」


「ただ?」


「このソアラは元々環状仕様でな…運転手も環状族で結構有名な奴やった…解るか?それがどう言う意味か…」


「……いや」


「腕が良いと有名奴でも事故を起こすときは起こすし、事故で死ぬときは死ぬちゅう事や!それだけは常に肝に命じとけ…それと、どんな事があっても環状で死ねたら本望とか言うなよ?」


「・・・・・・」


「ま、車探しの続きでもしよか!」


「うん…」


「えっと…それで…」


「あれ何やろ…」


ソレは修理倉庫の一番奥に人目を避けるかのようにカーシートを被った状態で置いてあった…


「アレも事故車や…まだ修理すら済んでない…」


「ちょっと見せてよ…」


「ええけど…」


バッ!


「コレは?ミっちゃん…」


その車はフロントバンパーとヘッドライトこそグチャグチャだったが…他はかすり傷程度の比較的軽傷の事故車だった…


「まだ日産がダットサンとプリンスに別れていた時代にダットサンで作られた初期型Z…ダットサンフェアレディS3O型Z−Lや…当時国産最強やった」


「……綺麗や…」


フロント周りが少しグシャグシャでも、20年近く経った今でも色褪せない燃えるような輝きを放つ純正のブリリアントレッドのボディーは達也にとって宝石のように見えた…


「ミっちゃん…決めたわ…」


「えっ?」


「俺こいつ買う!」

〜登場人物紹介〜

沢田 零ニ

(さわだ れいじ)

身長171㎝

体重67㎏

誕生日3月2日

髪の色 茶髪

作者から主人公の達也とは小学校からずっと一緒で、誰よりも達也を信頼してる、喧嘩はかなり強いが、達也には一度も勝った事が無い…半年前まで達也がリーダーのバイクチームの副リーダーをしていたが、達也が引退した時に一緒に引退した。ちなみに達也は族だった過去を話したがらない為、達也がチームをやっていた事を知ってる人は極僅かで更に極秘とされている為、達也のプロフィールに昔族の総長をやっていた事を書こうものなら半殺しにされる為作者は渋々零ニのプロフィールに書いた

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