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創造神と破壊神のゲーム 駒は勇者と魔王  作者: N・T
1章 破壊神の第1手
5/19

城の通路で

 あれから更に時が過ぎた。未だ誰も来ない。


 しかし来なくてよかった。


 破壊神の進化の秘法で少しだけ進化し自分で好きに体をカスタマイズしてあれでもないこうでもないと体を作り変えていたのだ。


 で、通常の姿はやっぱり人間の姿が落ち着いていいよねってことで目下体作りに精を出していたのだよ。


 前回の進化で体の中心に魔石核が形成されているのでこれを基に魔素を固め魔石にして骨の代わりとした。魔石作りは魔素のコントロール向上の良い練習となった。


 鍾乳石を作るように少しつ伸ばしていくため緻密なコントロールが要求されたのだ。そのおかげで水魔法で楽々と鏡を作り体の大きさやパーツを次々に作るという2つの作業を同時に行うという器用な事もできるように。


 その際に色々ポーズを取ったり顔のパーツでモンタージュ作成と色々と暇過ぎて遊んでいたためこの姿を誰にも見られないで本当に良かったと思う。


 もし見られたら自分で核を握りつぶしていたね。部下に恥ずかしい姿を見られ魔王が自滅。…笑えない。



 さて身長はまだ人間の子供サイズだが出歩くには問題ないだろう。


 ここは俺の城で危険もないし別に監禁されてたわけじゃないしね。自分から出ればいいだけなのだよ。


 それでは地上部分へと参りますか。ワクワク。


 ああ服は魔素を変化して衣を作った。前世の某ボスキャラが着ていた闇の衣?それの再現。武器とかは無いがまぁそれはぼちぼち考えていけばいいか。



 でだ、魔王の城だけに魔物がウジャウジャいるわ。


 だがなにか順番を待っているのか列を成している様に見える。で、そういう時に限って馬鹿が寄ってきていちゃもん付けてくるんだよ。


 この目の前の豚のようにさ。ゲームとかでお馴染みのオークって言われる魔物。


 実際に遭遇してみるとすぐに殺したくなるね。低能過ぎるわコイツ。


「ガハハハハ、この城に人間のガキが忍び込んでおったわ。ちょうどいい順番を待つ間暇でしょうがなかったんだ。喜べこの俺様が殺してくれるわ」


 馬鹿すぎて話にもならんわ。確かに今は人の姿をとってはいるが周りを見れば俺が“人間”じゃないと分かる奴がいるだろ…


 あれ?そんなにいない。むしろ殺せ、殺せの大コール。


 声援で調子に乗った豚は己の武器であるアックスを高々と掲げる。歓声が上がる通路。


 その騒ぎでようやく見覚えのある悪魔が現れた。あいつはすぐに俺の正体を看破した。


 魔王に対して暴言を吐く目の前のゴミを殺そうとするが目線で止めさせた。


『俺が殺す』


 俺の意思が伝わり仰々しく控える悪魔。


 幹部である悪魔がこの騒ぎを止めず、その場に控えたため周りは更に興奮した。そして一方的な虐殺が始じまった。


 オークがアックスを振りかぶり俺の脳天を割ろうとしてくるが遅。


 俺の反応が早すぎるのかスローモーションで動いているような感覚に襲われる。


 横に一歩移動し華麗に避ける。


「ふははは、よく避けたな。俺様の一撃がそんなに恐ろしかったか?」


 何言ってんだろこのバカ。こっちは全然余裕なんですけど。


 そして俺が気になったのはオークが振り下ろしたアックスでも傷一つ無い床の材質なんだけど。


「ならこれならどうだぁぁ」


 でそんなことに気を取られて隙だらけの体に相手の武器が横な振りでヒットした。


 しかし俺は無傷。適当に作った闇の衣だが結構いい防御力を示してくれた。


 どよめく魔物たち。悪魔の方は当然といった感じで全く慌てる素振りも見せない。


「馬鹿な!俺の全力の一撃で無傷だと。人間の、人間のガキの分際でぇぇぇ」


 その瞬間、ため息をついた俺はオークの両腕を綺麗に切り落としてやった。


 腕の骨替わりに作った魔石を露出させそれを刃物としたのだ。


「ギャァァ、腕がァァァァ、俺様の腕がァァァァ」


 その姿を見てようやく目の前のオークは俺が人ではないと理解した。


「貴様ぁ、人間のガキではなかったのかぁ!」


「気付くのが遅すぎる。それに俺に向けて舐めた口をききすぎた。どの道お前は殺していたよ」


 そう言って俺は優しく笑い、すぐにオークの心臓と頭をきれいに貫いてやって死体を灰も残らないように高温の炎で焼いてあげた。


 魔王になったせいか殺すことにためらう心が生まれない。生殺与奪は当然の権利?みたいな感じで初めてのことでびっくりだ。


 で、周りの魔物なんだけど俺が強者だとわかると露骨に威嚇と警戒をしてくる。正直鬱陶しい。


「お見事でございます魔王様。しばらく見ない間に随分と力をつけれれたご様子。わたくし嬉しく思います」


 そう悪魔が宣言した瞬間、周りの魔物が180度態度を変えて慌てて通路の両端に寄り平伏した。


 素直でいいね、弱いんだったら強者には頭を下げなきゃだよね。


「では王よ、参りましょう」


 そして俺は悠然と玉座の間へと移動した。


 後には平伏し震える魔物たちだけが残された。

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