神々のゲーム
人智が及ばぬ場所で神の遊戯が始まろうとしていた。
「さてさて、そろそろ次の世界を創るとするかの」
創造神と呼ばれるソレは己の力を使い新たな世界を創造した。
「また新しい世界を作ったか」
「来たか、お主もよく飽きないの」
「お互い様だ、貴様が創り、儂が壊す」
「…では、今回も勝負と行くか、破壊神ヴェルザード」
「今回の世界は俺の駒が破壊してくれるわ、あまり調子に乗るなよ創造神フォルメラ!」
こうして連綿と行われてきた神と神のゲームが幕を上げる。
「ではこの世界の説明をするか。今回作った世界は魔物あり、魔法ありじゃ」
「ふむ、小さな島は点々とあるが基本的にはこの広大な大陸一つのみの世界か」
「異存はないな?今回の世界の文化レベルは前回勝った儂が決めさせてもらうぞ」
「チッ、好きにしろ。それに合わせて魔物のレベルをこちらは合わせるだけだ」
それぞれの神が新たな世界を作り変えていきゲームのルールを決めていく。
「では最後に互の駒となる者を創るとするか。む?」
「どうした」
「儂が創った別の世界でちょうど今、双子の兄弟が死亡した」
「その双子の魂が使えるのか」
「使うか?」
「ゼロから作るのは手間だからな、使わせてもらおう」
二人の神の前に二つの魂が現れ、それぞれの魂を勇者と魔王に相応しい物へと変えた。
「では、始めるかヴェルザード」
「今回は負けたこちらが先行して動く」
「構わんよ、勇者は人間の子として生まれる。早くて10年、遅くとも15年じゃ。それまでに基盤を整えとれ」
その言葉が合図となり勇者と魔王の魂が新たな世界へ送り出された。