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ー第10話ー

「ーーーですから、新入生の皆さんにはーーーーー」


創輝とミューリはその他の新入生と共に入学式に居た


今舞台には教頭先生のグライアという人が長ったらしい話をしている


ミューリは眠そうに目を擦っているし創輝は一見、真面目に来ているようだが実際は完全に聞き流している


「ーーしっかり勉学に励m「はいっ!!もう終わり!!おっけー!!」ちょっ、君!?」


突然の割り込みに会場の皆の視線が声の主を探す


とぉうっ!!という気の抜けた掛け声と共に舞台袖から1人の女子学生が空中前転しながら登場し、グライアからマイクをひったくる


創輝はその女子学生を見て声を上げそうになるのをなんとかこらえる


「ファイラリート!!君ね!!」


「グライア先生、皆もうくたびれちゃってるよー?もうちょっと、こう…心を掴むような話できないかなぁ」


「っ…余計なお世話だ!!それにn「good jobよトールライシャちゃん」んなっ!?」


2人目の乱入者は、綺麗な金髪の美人な女性だった


「どーもですっ、学園長!!」


そのせりふに会場内がざわめきだす


美人はゆっくりと舞台の真ん中へと歩いてくる


グライアは渋々といった感じで自分の席に戻る


「新入生の諸君、入学おめでとう。学園長のミーキャル・ファンです。勉強や規則の大切さなどは、グライア教諭からしっかり言われた通りきちんと心に留めておきなさい……」


新入生の何人かは早くも、再びうんざりという感じになる、が……


「さ、めんどくs……小難しい話はここまで!!皆!!せっかくの学園生活、大いにenjoyしなさい!!…っと、ちなみに多少のやんちゃはいいとしても、度の過ぎたことやる学生さんは私と…ohanashi…しましょうね?」


ミーキャルは清々しい笑顔で言う


ほとんどの新入生が、ミーキャルに見とれているか恐怖に震え上がっているかだった






しばらくして、皆それぞれのクラスへと向かっていった


創輝は途中、あっ!!そうきゅーん!!なんていう声が聞こえてきたが、聞こえないふりをして足早にクラスへ向かった


創輝が1ーAクラスに入るともうすでにある程度の生徒が揃っていた


もう誰かと親しそうに話している者もいれば、緊張でガチガチになっている者、興味深々にきょろきょろとしている者、興味なさげに窓の外を眺める者など、いろいろいた


創輝は窓際の後ろから2番目に座ると、そんなクラスメートたちをボーッと眺めていた


「創輝!!」


突然の声に一斉にクラス中の視線が向けられる


創輝は苦笑いしながら、その声の主ーーミューリを見る


ミューリは恥ずかしそうかつ申し訳無さそうに創輝の隣の席に来て座った


「ごめん、つい///」


「まぁ、わからんでもないけど、俺も同じクラスにミューリ居て良かったし」


「そ、そっかぁ、えへへ///」


ミューリはクラスの中でも見た目的にかなりレベルの高いので、クラス内の男子から創輝へ嫉妬の目が向けられる


創輝は若干冷や汗をかくが、気にしないように努めて、窓の外へ目線を向ける


「全員いるかー?」


そんなときやる気の無い声がクラスへ響く


クラス内がしんと静まる


「俺がこのクラスの担任のライナード・クレイルだ、まぁ好きに呼んでくれ、ちなみに俺は実技戦闘の担当だ…じゃ、無難にそこの一番前の奴から自己紹介でもしてくれ」


その後は割と和気あいあいと自己紹介が済み、施設の説明などでさらっと終わった


「じゃ、お前ら、探検ごっこもいいが、早めに寮の手続きしとけよー」


そう言ってライナードは出て行く


「創輝、一緒に寮いこう?」


「あ、おう」


2人は席を立ちクラスを出て寮へと向かう


その時、2人に声がかかる


「すいませーん」


2人は声のほうへ向くと2人の同じクラスの男女が居た


「あぁ、えっと、コート・マイガル君とヒューラ・ターコイズさんですよね?」


「はい、えっと、私たち前に一度鹿内君に会ってるんだけど…覚えてない…ですよね?」


「え?うーん?…あぁ、シャドナルの時の2人ですか!?」


「覚えててくれたか!!本当にあの時はありがとう!!助かったよ!!」


「本当です、あっ、ストライトさんもあの魔法すごかったです!!」


2人は興奮気味に声を上げる


「そ、そうかな?」


「そんな、大それたことじゃないですよ、2人とも無事で何よりです」


「なんだよ、鹿内、よそよそしいなぁ」


「すいません…」


親しくない者には相変わらずどこか他人行儀の創輝を見て、ミューリは一瞬苦しげな表情をするが、それには誰も気が付くことはなかった


「まっ、いいけど…そうだ、2人も寮へ行くんだろ?一緒に行こうぜ?」


「いいよね?」


「はい、構いません」


4人はそのまま寮へと向かっていった





「この寮、男女わかれてないんですね…」


そう、この学園の寮全員が同じ建物で暮らす


それも、噂によれば、部屋によっては基本同性の2人部屋だが、たまに異性の組み合わせがある…だとか、部屋割りには学園長の操作が入っているだとか、とんでもない噂がいくつかある


「まぁ、差別が無いと思えばいいんじゃない?」


「そういうもんでしょうか?」


「まっ、俺らが何か言っても変わるわけじゃないんだし、早く行こうぜ?」


4人は寮の受付へ向かう


「すいません」


受付へ創輝が声を掛けると奥から優しそうな女性がやってきた


「あら?新入生かしら?」


「はいそうです」


「何々?4人はカップル?」


「「「んなっ?///」」」


創輝以外の3人は顔を赤くするが…


「そういうんじゃないですよ」


「あらあら」


受付の女性は面白そうに4人を見る


「お前、まさか…」


「ミューリちゃん…がんば…」


「えっ、どういうことでしょう?」


「むぅ……」


コートとヒューラが呆れて、ミューリがむくれていると受付の女性が鍵を持ってきた…2つ


「よかったね、4人とも2部屋に収まりそうだよ」


「じゃあ、俺と鹿内で一緒だな」


「いや、ちがうけど?」


「「「「…………は?」」」」


「えっとね、マイガル君とターコイズさん、鹿内君とストライトさんが同室ね」


「「「「えええええぇぇぇーーー!!!!!!!!!!?」」」」

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