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ー第9話ー

「っ!?」


創輝は言葉が出なかった。この世界に進んだ科学技術があったのだ。それも元の世界より進んでいる...


これまで、ファンタジーな世界だと思っていて、そこまで科学技術は進んでいないと思っていた創輝には衝撃的な光景だった


高層ビルが建ち並び、車のようなものも走って...いや飛んでいるという表現が合うだろうか。タイヤはついておらず、そのかわりスラスターのようなものがついて浮いている。道路もこれまでこの世界で見た道のように土をならしたようなものではなく、舗装されている。掲示板や看板はホログラムで表示され、ビルの壁には大きなディスプレイが広告を流している


「ねっ?びっくりしたでしょ?」


ミューリがいたずらが成功した子どものように楽しそうに笑いながら、驚いて固まっている創輝に話しかける


「ああ、こっちは魔法が中心で科学なんてほとんどないと思ってたからな。」


「もちろん、魔法が中心だよ。ここにしか科学技術の発達した街はないからね。だから、ここに来た事がない人たちは科学なんて空想の物だと思ってる。あっ、ちなみに前に見たソーシェリーリングももとはここで作られた技術が使われてるの」


「チャオルも知ってるのかな?」


「たぶん知ってると思うよ“混沌の精霊、万物を司る者”なんて言うし、ちなみに閃光の精霊は万物を照らす者って言われてるよ、そういえば、朝からチャオルちゃん見ないね」


「チャオルは他の精霊のマラスに報告に行ってるらしいよ、学園に着く頃に合流するってさ」


「おねーちゃん!!おにーちゃん!!はやくぅー!!」


2人はハシューの声に置いて行かれていることに気がつき、あわてて駆け出した





一行はひとつの高くはないが、敷地の広い建物に到着した


「じゃあ、俺はあの"ガクエンチョウサマ"がお待ちでしょうから学園にもどるな」


「ああ、いろいろありがとなライナード」


「子ども達を頼みます」


「ああ、わかってるって、まったく、フラークとケイラの願いじゃ断れねぇじゃねぇか」


「ちょ、ちょっと、俺まだ合格したわけじゃないし気が早いって」


創輝が焦って話しに割り込む


「創輝、試験落ちるわけないわよね?」


「ひっ!?...はいっ!!受かりますはずですっ!!(母さんの笑顔が怖いっ!!)」


「あはは、創輝言葉が変だよぉ?」


「ははは、まあ鹿内の実力なら大丈夫だろ、それに、アイツにも気に入られてるみたいだしな」


「「あらら...」」


フラークとケイラが頭を抱える


「えっ!?どういうこと!?」


「まっ、気をしっかり持つことだな、鹿内」


「ミューリ、創輝が邪な色気に惑わされないようにしっかり守るのよ」


「ええっ!?...う、うん」


「あぁ、それなんだが、ミューリもアイツのお気に入りだ」


「「はぁーー」」


フラークとケイラは大きなため息をつく


「創輝、娘は頼んだよ」


「は、はい...よく分かんないけど、了解です」


「じゃ、鹿内、ミューリ、学園で待ってるぞ」


そう言ってライナードは去っていった





目の前の建物はシュライクでのストライト家の家らしい


室内には見た目は少し違うが、創輝のもとの世界にもあるような家電が結構あった


「創輝の試験もあるし早く昼食食べちゃいましょう」


そう言ってケイラが台所に歩いていく


「あっ、俺も手伝うよ」


「創輝、料理できたの!?」


「うん、まぁ…」


「じゃあお願いするわ」






「ここか…シュライク総合学園、案外、"学校"って感じだな」


創輝は試験を受けに学園に来ていた


外観はあまり元の世界と変わらなかった


「ううっ、ちょっと緊張してきた」


創輝は緊張を紛らわすように足早に事務所に向かう


「君が鹿内創輝君かな?」


突然の横からの声に少し驚きつつ、冷静を装って声の方へ向く


そこにはここの制服をきた女の子が立っていた


かわいらしい顔立ちのその子は興味深々といった感じで創輝を見ている


「そうですが…あなたは?」


「おっと、まだ名前言ってなかったね!!私はトールライシャ・ファイラリート、そうきゅんは編入試験受けに来たんだよね?」


「何ですか、そのそうきゅんって」


「えっ?ニックネーム?」


「…僕に聞かないでくださいよ」


「で、どうなの?」


「確かに試験受けに来ましたよ」


「ふーん、何で新入生のタイミングに編入試験で来るのかな?ただ、受け忘れとか突発的な思いつき…なはずはないよね…何でかなぁ」


「残念ながら突発的な思いつきです」


「そうかなぁ?」


トールライシャはじっと創輝を見つめる


創輝は涼しい顔で受け流す


しばらく時間が止まったかのように、2人の間に沈黙が生まれる


「何か隠してるよね?」


「話すべきことはありませんが?」


トールライシャは片手を挙げる


すると、創輝の上から氷柱が降ってくる


しかし創輝は全く動かない


氷柱が降り止むとそこには無傷の創輝が立っていた


「おおっ!!すごいねそうきゅん!!」


「何言ってるんですか、わざと外したくせに…」


「普通は避けたり、相殺したりするもんだよ?冷静なんだね」


「ただ、めんどくさがりなだけですよ」


「あははは!!!!、面白いね、そうきゅん!!!!!!」


こちらを探るように見ていたトールライシャが急に雰囲気を和らげ笑い出す


そして、トールライシャは真っ直ぐ創輝をみると言った…


「うんっ!!そうきゅん合格っ!!」


「……………は?」


「うん、だから、鹿内創輝君は編入試験合格っ!!」


「はぁ…では、時間無いので事務所行きますね?」


「うん、いってらっsy…ってだから!!事務所行く必要無いからね!!ほら、これ合格通知と制服!!」


「ちょっ!!その制服どこから出したんですか!?」


「気にしたら負けだよ、そうきゅん!!」


「はぁ、大丈夫か?この学校」


創輝の呟きは学園の雑踏に打ち消されて消えていった



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