第二十章5 【アンサー・クリエイト/第10席戦2】5/フィナレエンデの17日間4
4日目、先日、気分が良かったので【芳一】に変身したままの【フィナレエンデ】にトラブルが舞い込んできた。
それは、【芳一】が創り出した、【変則音ピアノ】を楽しんでいる時にあった。
【変則音ピアノ】とは、通常であれば、【ドレミファソラシド】と言う様に並んでいるピアノの音が順番通りに並んでいないピアノである。
通常の指の配置でやっても同じメロディーにならないので、通常の演奏とは違った演奏が楽しめるとして【芳一】が創っていたのだ。
そこへ、
『お前か?・・・【唯野 芳一】と言うのは?』
と声を掛ける者がいた。
【フィナレエンデ/芳一】は、
『だとしたらどうだと言うの?』
と答えた。
その何者かの一名は、
『俺達は、お前の力を見極めて来いと言われて来ている。
お前の周りに影響がある様な侵略はするな。
ただし、挑戦者として正式にお前に挑むのはその限りに非ず。
と言うお達しが出ている。
お前には何がある?
命が惜しければ答えろ?』
と言った。
【フィナレエンデ/芳一】は、
『さぁ・・・?
なんだろうねぇ。
彼・・・じゃなくて僕は、色んな強者から注目されているらしいからね。
何か特別な物を感じているんじゃないかな?
【本物】の実力者達は。
それが何も感じられないと言う事は君達はかなりの下っ端って事になるのかな?』
と煽った。
『何だと、貴様っ』
『よせ。それは事実だろ。
俺達の立場を考えろ。
それより、俺達には重要な任務があるだろうが。
聞かせてくれないか?
あんたに正式に挑戦する分に問題ないって事は正式に勝負を持ちかければ良いって事だよな?』
と2人組の内、理解力の高い方が言った。
【フィナレエンデ/芳一】は、
『そうだね。
ただ、名乗りもしないで正式もクソもないと思うけどね』
と皮肉を言った。