第二十章21 【アンサー・クリエイト/第10席戦2】21/【ショット・ストライク】対【ドクター・クレイジー】1
初戦はいきなりチームリーダー同士である【ショット・ストライク】対【ドクター・クレイジー】の戦いとなった。
勝負は、ランダムに選ばれた第3者を先に怖がらせる【怖談対決】だ。
やる気を出していた【ショット・ストライク】に対して【ドクター・クレイジー】はほぼやる気無しでこの勝負に挑み、結果として【ショット・ストライク】が勝利した。
【ドクター・クレイジー】は、
『まぁ、ご祝儀代わりの白星だ。
受け取ってくれたまえよ』
と強気だった。
と言う訳で、勝負を提案した側の【ドクター・クレイジー】は全く【怖談】と呼べる代物を提供していないので紹介する価値は無しとして判断。
よって【ショット・ストライク】の方だけ紹介すれば、
選ばれたのは【カリーナ・スピリドーノヴナ・ヴォリスカヤ】と言うロシア系の女性だった。
【カリーナ】は、【ショット・ストライク】の力で【隔離空間】に飛ばされる。
そこは、【廃病院】?かと思ったが、病室には様々な動物達がわんわんきゃんきゃん吠えている。
【カリーナ】は、
「うわぁ・・・何ここ?」
と言いながら【廃病院】だか【ペットショップ】だか解らない場所を進む。
そして、【エントランス】から外に出ようと試みるが、最初に出現した場所に戻されてしまう。
彼女は、
「え?・・・何これっ・・・」
と言うが、その時、
『貴女はどれが良い?』
と言う声が響いた。
【カリーナ】は、
「やだぁ・・・何よここ・・・」
と言いながら再び【エントランス】を目指す。
が、さっきと同じコースを通っているのに【エントランス】にたどり着かない。
なんでなのか解らないが建物が変化している。
【カリーナ】は、
「止めてよぉ・・・」
と言いながら涙ぐむ。
すると再び、
『貴女はどれが良い?』
と声がする。
【カリーナ】は、
「止めてってばぁ・・・」
と声を絞り出すが、止めるはずもない。
彼女は何度か【エントランス】を探し、見つけても元の場所に戻されて、
『貴女はどれが良い?』
と言う言葉を繰り返されると言う状態になっていた。
【カリーナ】は、
「選べって事?
ねぇ?そうなの?」
と言うが誰も答えない。
結局、
「選べば出してくれるんでしょ?」
と一人納得し、動物を選ぶ事にした。




