第二十章2 【アンサー・クリエイト/第10席戦2】2/フィナレエンデの17日間1
【芳一】達のチームは決戦に備え、色々準備などをするのだが、それを今、伝えてしまうのは無粋というもの。
そこで、【芳一】達が特に重要視していた、17日間は別の存在を追ってみる事にしよう。
今回、妻ではないと言う事でメンバーから外れた【万能識のフィナレエンデ】の17日間を見てみよう。
彼女の17日間もそれなりに見応えのある17日間である。
特に、最後の夜にはまた、【元ミステリー・テラー】が、現在の【謎】のミドルランク第24位にランキングされて、進化し【アブソルート・ミステリー・テラー(絶対不変謎/神秘の語り手)】となって再び彼女に会いに来ると言うエピソードもあるので注目するべき事だと思っている。
それ以外にも懐かしい面々に会いに行くので必見である。
では、まず、【神魔】との謁見である。
【神魔】とは【覇王杯/オーバーロード・カップ】を開催した存在であり、【神の中の神】である【オーバー・ハイ・ゴッド/超高位神】より身分の低い存在である。
通常の【覇王/オーバーロード】を取り仕切る存在であった。
だが、【第10覇王/テンス・オーバーロード】を決める戦いが勃発した事により、彼の手を離れたのだ。
【フィナレエンデ】は元々、彼によって過去の存在が【七無神】の一柱として転生した姿であり、【神魔】が自身の血と汗と涙の結晶である【内田 愛幸】と言う存在を造った事により、契約が切れた存在である。
【フィナレエンデ】は事のあらましを、【神魔】に報告した。
『・・・以上よ。
これで勤めは果たしたわ。
私はこれからも彼(【芳一】)の観察を続けようと思っているけど、それは貴方に報告するためじゃない。
事はもう、貴方の手を離れているわ。
自覚はあるでしょ。
貴方の手が届かない所まで進んでいる』
と言った。
【神魔】は、
『確かにその通りだ。
だけど、彼はどこまで行くつもりなんだ?
正直、僕の想像を超えてきている。
思っていた事よりもスケールが遙かに大きくなってきている。
このままでは・・・いや、よそう。
それは彼の運命が決めることだ。
僕がとやかく手を出すのは越権行為というものだ。
僕は、第八回、【覇王杯/オーバーロード・カップ】の準備を進めるよ』
と言った。
『第八回?・・・
【覇王杯/オーバーロード・カップ】は第五回から第七回の共同大会で終わりって事なんじゃないの?』
『本来はそうだった。
だけど、彼は通常の【覇王/オーバーロード】のレベルを飛び越えてしまった。
もはや、【地球】の・・・と言う訳にはいかない。
彼は、勝つにしろ負けるにしろ、少なくとも生きている限り、10番台の【覇王/オーバーロード】は確定だ。
ならば、彼には彼の相応しい仕事というものがある。
ズルズルと地球に縛りつけておく事は出来ない』
『やはり、そうなるのかしらね?』
『最悪、地球を出て行ってもらう事になるかも知れない。
【覇王/オーバーロード】の地位を自ら捨てない限りね。
君は付いていくつもりなのかい?』
『えぇ、そのつもりよ。
私は公式ストーカーですから、彼の・・・』
『なるほどね・・・』
『話は以上よ』
と言う話をしていたのだった。