投資信託と個別株をする人の着目点の違いについて
昨今、煩いほど投資投資と国が推奨し、個人でも始めた人は多いと思う。
私も投資歴20年を超えたので、拒否感などはない。
他人がどこに投資しようが、どれだけ購入しようが興味もない。
ただ、投資というものの穴についてはあまり語っている人がいないので、参考程度に書いてみようと思った。
あまりにも見ている部分がおかしい人が多いようなので。
大体は雑にまとめて語るので、仔細の突っ込みは不要にしていただきたい。
数字を解りやすく切り上げとかもするし、銘柄について詳細を書く気もない。
5と書いていて、本当は4.95ですよ、みたいなものは要らない。
面倒なので雑に記載する、と先に明記しておく。
大雑把に伝わればいい、としか思っていない。
まず最初に有名処の投信にオルカン(オールカントリー)やS&P500がある。
大体外国に投資する、と思って間違いない投信がこれ。
なぜ外国に投資する投資信託が人気なのかと言えば、アベノミクスの影響だった。
アベノミクスとは、お金を刷って刷って円の価値を下げるぞ、という政策(金融緩和)だったので、中身を知っていればこれから円の価値が下がる=外国に投資すれば儲かる、というのが明確だった。なので、アベノミクス初期から外国に投資していたらまず間違いなく儲かっている。余程変な企業を一点買いでもしていない限り、誰が何を買っても利益は出た。個別株の選別ができない人が投信に走ったので、外国に投資することを目的とした投信に人気が出た。
現在でも利益が出ている人が多いので、他人にお勧めする人が多いのだろうと推察する。
ここまでは当たり前なので割愛しても良かったが、今後に関係するので一応書いた。
ここで一つ問題がある。
投資信託というのはファンドマネージャーがいくつもの銘柄を組み合わせて売り出しているので、構成比率トップ10の銘柄くらいしか公表されないことが多い。
私は基本投信をしない。投資初期に始めた投信が半年で解散したのを機に、個別株一本なので経験がないわけではない。ただ、投信にはこのようないきなり解散されることがあり得る、ということを覚えておいてほしい。
その短い経験上、投信の中身を全て把握している人はほぼいない、と確信している。
いたとしても1%もいないだろう。そもそも、トップ10すら把握していない人もいるはず。
反面、利益がどれだけ出たか、という確認をする人は多いと思う。
この点、個別株は全てを把握している。
これは日本株に投資していても、外国株に投資していても、全部の投資先を把握している人としていない人の違いと思ってくれて構わない。
外国に投資をするメインの投信、先に述べたオルカンやSP500だが、この構成銘柄の株価を詳細に追いかけている人はどれだけいるだろうか。
おそらく、ゼロかそれに近い数値になると思う。
以下は参考までに私の投資先の銘柄の数値を雑に書いてみる。
コロナ前に約90だった株価が、コロナで55ほどに下落した。現在は65くらい。
ただこれ、コロナ前の90と現在の65が円に換算するとほぼ同じ数値になっている。
この差がどこから来るのか、というと、為替。為替差益ともいう。
円の価値がなくなった(お札を刷りまくったらそうなる)ので、その分、他国の通貨の価値が上がったということ。
なので、円換算するとコロナ前に戻ったように見えるが、私の目から見ると別に株価は回復していない。
これを投信しかしていない人は理解していないように思う。
個別株をやる人は、否応なく把握している。
利益が出た、儲けた、投資しない奴は馬鹿。
よくよく見かける文言だが、考えてみてほしい。
この同じ比率、自分の毎月の給料の価値が減っているのだ、ということに。
最近、物価が高騰して生活が苦しい、という人が増えたと聞く。
そりゃ、これだけの割合、自分の国の価値、自分の給料の価値を落としていたら生活は苦しくなるだろう。
円安が良い、円高が良い、という問題ではなく、何事も程度問題だ。
他国は金融緩和を数年で止めている。
アベノミクスも最初、2年で止めるという話だったのでそんなもんだろうと思っていた。
が、10年以上続ける異常事態になっている。
その間に増税も加えているので、尚更庶民の生活は苦しくなるに決まっている。
円の価値を国と国民が総出で落とすことに一生懸命なら、なにをどうしても物価は高騰し続ける。
なにせ、毎月の給料が金融緩和で自動的に減っているようなものだ。
投資にしても、株価そのものが高騰して利益が出ているのと、自国の価値を落として利益を出すのは全く違う。
外国に投資をして利益が出る、という意味は二種類あるので、この差を理解していないといけない。
投資をしながら放置できる環境など、どこにもない。
気絶していい投資はない。
あるとするのならそれは、国が衰退しつづけて貧困国になるのが確定している場合、何も考えずに給料を外貨にすればいい。
その場合、むしろ給料そのものを外貨で貰ったほうがお得かもしれないけれど。