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Last reverse  作者: 螺鈿
last reverse〜actors are arranged〜
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第九話 出立【3】

「身を隠せ影咲!お前はいるだけ無駄だ!」


「ほんとにそうみたいねえ!逃げるよお!」


 ゼロの指示に従い影咲が基地内に撤退する。最上第九席程度では勝ち目はない。戦いを挑んだ時点で敗北は決定しているのだ。無駄死にさせる訳にはいかない。


 何度首を刈っても終わりが見えない。いつになったら染黒は来るのか。


「無理だって……言って」


「やかましい!」


 頭部を叩き潰した。が、少し速度が落ちただけでまた再生を始めた。もう何度死を与えたか覚えていない。


 戦いにすらなっていないというのに永遠に決着がつかない。


「ねえ……君じゃ、む」


「やけに流暢に喋るようになったな」


 戦場に、誰かの声が響いた。化け物でもない、ゼロでもない。まったく違う誰かの声が。


 二人とも口を閉じ声の聞こえた方を見た。目元を赤く腫らした、黒いローブを纏った少女がそこにいた。杖を高く振り上げ、真っ直ぐに化け物を見据えている。


 その鋭い瞳には未だかつて感じたことのない殺意が垣間見え、それと同程度の深い悲しみが見え隠れしている。


 染黒がその姿勢のまま、何も持っていない手を振った。それを視認して即、ゼロが基地内に撤退する。


 最上第九席及び中央第零席のみが知るそのサインが意味するところは、染黒の全力の攻撃の合図。


「お前の慕う母は、どこにいってしまったのだろうな」


 敵の群体、単体問わず瞬間の火力のみで言えば基地内最強格である彼女の最大の攻撃。それは、彼女が召喚することのできる召喚獣の中でも上位に立つ存在たちの最高の環境における最高の状態の全力の一斉攻撃。それは、その力の解放と同時にその土地の環境すら永遠に終わらせてしまいかねない最悪の攻撃に他ならない。


「ここに、いたはずなんだ」


 地獄の釜の蓋が開く。


「天貫き産まれる草花の根の一つに付くは三千骸その怨恨の果ての雨降りつぶりの枯れずの命尽きるまでそう易易と取り憑き変わらず永遠紡ぎ螺旋階段は果て知らず精と妖と霊の臓腑煮え切る壺の中は終わりなき宝物の一欠片欠けること決して許さず絶対の理絶たんまでして移ろうまで世界そう変わらず滅さず滅ばず淡々と使命果たせず消えゆく定めなれば地獄とならんこと祈らずとは至らず依代とは繋がりそのままに千と万と億といつまでもあらんと願う全飲み込む変わりなき怨嗟は粛々と生喰らい大罪の者は小さき灯火となりてまた遅々として小さき罪は逃れられぬ大罪へと移ろいゆく運命なれば赤子如きの手と頭はやがて世界を創る人柱となりてゆくゆくは永遠を伴に生きんとする悲しき存在と変わりゆく往々として衆生の一つは真名刻むことなく力を行使してやがて伴に滅びゆく運命なりと願わん願わんとすればその執行人は一つに絞られ縄は全も一も変わりなくそれぞれ縛りゆく。召喚、『冥滅之帝テュポン』」


 本来、染黒の召喚から召喚獣の出現まではタイムラグが生じる。普段はそれを無理やり『急急如律令』という技術で封じているが、今回はあえて発動しなかった。


 中空に超巨大な陣が出現し、少しづつ回り始める。内側からは限界を越えたおぞましさの声が漏れ出ており、一本目の手が窮屈な冥府から漏れ出る。


 冥滅之帝。冥府の滅びすら自在とする染黒最強の召喚獣。その力はもはや神にも匹敵すると言っても過言ではなかろう。自然現象の操作とはそれほどまでに強大な力だ。


 やろうと思えば一瞬の間を置くことも無く召喚することも可能であるにも関わらずわざわざ時間をかけるのは彼女の切望か、慈悲か、あるいは……


「……あれ?き、きみ、ききき、きみ、き、みみみみみみみた、どこ、か、どこかどこかどこかどこかでで……おかかしいなあああどこだっけけけけけ」


 頭を抱え蹲る。地面に倒れ伏し、硬質な頭部を異常なほど掻きむしる。語彙は崩壊し呂律が回っていない。


 彼女は何もしない。ただゆっくりと神を召喚し続ける。目の端に溜まっている涙を感じることもなく。


「ああああああそうだだだ。思いい出したたたたたたた。が、がれ、が、瓦礫、だ。ゆ、ゆき、雪が降ら振ら振らら、降らない、から、ら、泥、で、合戦、したしたん、だ」


「……虚見越えて果てなき黄泉よ。剣千山越え降り注堕つる。陰陽還して回帰の飛鳥。口付け交わして吼えても消えて。産まれ堕つるは黄泉旅路。召喚、獄極番犬ケルベロス


 地獄の門が開く。三又の首を持つ番犬が姿を現す。


 何かを懐かしむような、果てしなく悲しい瞳をしながら染黒は杖を振る。唱える。呼び出す。


 頭部の装甲のような紅い甲殻にヒビが入る。片方の手で地面を叩き、苦しみの声を上げながらのたうち回る。


「あ、ああ、あ、きみ、は、そう、そうだ。好きだっ、たんだ。わら、わ、笑う顔が、きれい、で、とても」


「……悠久流れて腐れる大河。腐敗進みてくずおれる。おん自らを犠牲として噛みつき剥がれる大罪嘘。記憶途切れて幾千億と叶わんと知るが願わずとはおられず。大地踏みしめ覇道を往くはただ一人のみの最大亡者。衆生集いて群れ群れ散るかと雷豪喚いて散これよしと神嘲笑す。杖付き抉って何時までも進む。召喚、覇世神蛇ヨルムンガンド


 その体のほとんどが骨で構成された蛇が現れる。


 抱きしめている。自分の体を、骨が軋み音が出るほどに抱きしめている。


「お、おこここ、怒られた。よく、怒られた。たく、さ、沢山壊しちゃっ、て。小さい女の子、に、怒られた……」


 びくりと、染黒の体が震えた。涙は目元を溢れ出て、足元の乾いた大地を静かに濡らした。歯の根は震え、ガチガチと後悔と懺悔の合唱を奏でている。悲しい音だ。


 杖を振るう。


「……甲殻剥がれて肉露出せんと誰が願おうか積々拷問。生まれおつるは望まんと誰もが願うが世は非情なり。幾多の地獄を踏み越えてたどり着くは更なる地獄。極楽浄土はひたすら遠く人のたどり着くはそれ能わぬ。三千の贄を捧げ光臨するは一柱。故散々と叶わんは等価交換。天上常時一切合切不平等なり。召喚、暴喰海覇カリュブディス


 生命の根源たる海が溢れる。口だけが肥大化した醜い魚の化け物が召喚される。


 それはゆっくりと立ち上がった。


「き、きみ、きみだ。その子、は、最初に連れて、行かれたんだ。きみ、に、君が!」


 冥滅之帝はもうすぐで完全に召喚が完了する。そうなればこの化け物は終わりだ。彼女はそれまで、一言も発さず、ただ終わりなき懺悔を繰り返しながらそこに立つ。


「おも、お、思い出した、ぞ。なまえ、僕の、名前、は、あれ?なん、だっけ。なん、ば、No.3?ち、う、ちが、名前、じゃ、ない。あれれれ?」


 手が震える。足が震える。染黒は歯の根だけでなく全身が震え始めている。怖いからだ。もはや必勝の状況ですら怖い。それこそが能力。


 魔神器は副産物でしかない。それは初めから力を持っている。ただ恐怖を与えること。それが力。


『継師』は致命的なまでに感情が欠如した怪物だった。ゼロはその圧倒的な力を手にして恐怖を感じることなどなかった。故に誰も気づかなかった。この化け物の真価に。


「あ」


 ぴたりと動きが止まった。彫像のように、動くことは無い。ありえざる不自然な現象。


 神は目前に迫った。


「そうだ。僕の名前は、恐慌星。三番目だ」


 神は降臨した。手を。振るい鳴らし叩き祈り折り曲げ捻り伸ばし縮め千切り離し砕き穴を開け貫く。他の召喚獣もそれぞれの攻撃態勢を取る。禍々しく口を開き高い高い遠吠えを上げる。頭部だけが別の生き物のように回転しドリルのような形状へと変貌する。


「……名を。名とも呼べぬ名をあげた私たちを。どうか許してほしい。いつも力を求めていたお前だ。あの日とは違う、この国で恐れられていた、強き名をやろう」


 何もしない。眼前の幼き老婆の声に耳を傾けている。


「赤鬼。お前は赤鬼だ」


 世界が白く染まった。


 ――――――


 枯れた大地の上に基地があった。人類が想像もできぬほどに巨大な脅威に対抗するための最後の砦が。そこを出発点として人類を救うための砦が。その光景は長く続いた。どのような攻撃があろうと傷はつかなかった。


 今、防壁は崩れ去り基地内部は丸見えとなっている。かつての技術を持ち得る者と防御系神器の所有者が全力をかけて作り上げた防壁が紙屑のように崩れ去った。染黒悔怨。人類の最終兵器による切り札の余波でそうなった。


「あ……あ」


 しかしその切り札の中心地にいて尚、赤鬼は意識を保っている。腕は吹き飛び片足は千切れ、甲殻の大部分を失い。ゼロとの戦闘時は瞬間に再生したそれらが一切再生の兆候を見せない。


 もはや尋常の生物と変わりないのだ。それだけの面積を失い、命の灯火はじきに消える。それでもまだ生きている。


 だが、もう死ぬ。僅かばかりに残された最後の時は残酷という言葉すら生ぬるいほどに短い。


 両者が、互いに歩き始める。親子のようだ。迷子になっていた息子とやっと見つけた母親だ。


 母は、もう取り返しのつかない所まで辿り着いてしまっている。感動の再開とはならなかったが。


 やがて手の届く位置まで辿り着く。ぴたりと止まった。


 先に動いたのは赤鬼だった。がくりと残っている足を折り曲げ、染黒の小さな体に寄りかかった。


「……もう、疲れたろう」


「うあ、あ……」


「目を覚ませば、皆がいる。グラーヒも、スラヴァカも、アヴルトもグロウスもだ。皆で遊ぼう。今年は雪が降るぞ。やっと雪合戦ができるんだ。きっと楽しいぞ」


「あ、みん、な、が。たの、し……?」


 彼女の瞳に、もはや敵意も殺意も恐怖もない。本当の母親のような愛がある。頭を撫でながら言葉を紡ぐ。


「そうだ。楽しいぞ。遊び疲れたら少し眠ろう。セイナーが、山羊肉のシチューと良質な小麦のクロワッサンを用意してくれるさ。ああ、カプレーゼも必要だな。お前好きだったろう。バジルも散らさなきゃな」


「そ、そう、だね……ぼく、好きだよ」


「……じゃあお休み。皆に会いに行こう」


「うん、みん、なに会いたいな……」


 力が消えた。首が肩にのしかかり僅かに重みが増えた。全身が、遠慮なくのしかかる。もはや命は感じない。


 聖母のように笑みをたたえ、優しく優しく頭を撫で続ける。いつまでもこうしたいと思った。


 こうして一つの戦場に決着が


「戦蓄」


 聞き覚えのない青年の声が聞こえ、瞬間、染黒の全身に鳥肌がたち悪寒が駆け巡った。


 赤鬼の肉体をその場に置き、大きく飛び退いた。一瞬前まで染黒の立っていた場所に蠢く肉塊のような触手が突き刺さった。『融滅』のものではない。これは……


「お前、は」


「んーははははははははははははははははははは!!!素晴らしいいいいいいいいいい!なんってッッッ!!!圧倒的な!チッカッラッ!!!惚れ惚れするぅ……染黒悔怨!あなたが出向く訳だ!はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!」


「越冬……壱馬……」


 戦蓄神器。背中に背負うタンク型の神器。名の通り戦いを蓄積する神器であり、直接的に敵を喰らいその力を己のものとすることもある。これはその力の一端なのだろう。戦蓄の名を冠する神器は、今赤鬼を喰らった。


 涙さえこぼれ落ちることはなかった。真に深き絶望に相対した時、人は涙を流すことはない。ようやく報いることができると思ったのだ。解き放てると。


 奪われた。これすらも罰だというのか。


「ははははははははははははは……染黒悔怨。少し昔話をしましょうよ。答え合わせを……したいんです」


 狂喜を高らかに叫んでいた壱馬は壊れた人形のように急激に笑うのをやめ、染黒に話しかけた。


 メガネの縁は歪み制服はボロボロ。端々には返り血のような液体が付着している。戦蓄に選ばれた彼がこれまでの短い期間でどのような道を辿ったのか、その外見だけで判別できた。


「いい、だろう」


 掠れた声で応じた。


「ありがとうございます……ムーナ・ルーナムーン」


「どこでその名を知った……?」


「嫌だなぁ、昔話だと言ったじゃないですか」


 己の顔が驚愕に彩られているのがわかる。一口に昔話だと言ってもそんな昔の話だとは思わないではないか。


「それにしても何から話したものか。魔神獣、感動の誕生経緯?神器の秘密?あなたの秘密?それとも?」


「好きにせい……」


「んー……まあ、お話の機会はこれから沢山あるだろうし……神の欠片、結局あれは失敗だったのですか?」


「失敗ではない。一つの成功の形だ」


「それでこんなことになるなんてたまったもんじゃないですねえ。僕も全てを把握している訳じゃない……おさらいしても?」


「なぜ一々許可をとる……好きにせい」


 壱馬がにっこりと笑い、頭を下げて続きを話した。


「あなた方は……永遠を生きたかったのですよね。しかし神でもない限り不老不死など許されない……くく、残酷ですね。しかし神になるなど不可能。というよりなる気もなかったのでしょう。何とも人間らしい……傲慢ですねえ。だから、神を飲み込もうとした……己のものにしてしまおうと考えたのですね。己が神となるのではなく、神を己の一部とする……何が違うのかよくわかりませんが、まあいいです」


 ごほごほ、とわざとらしく壱馬が咳き込み、一度言葉を切った。伏せた目で染黒の表情を伺っている。


 染黒は憎々しげに壱馬を睨んでいる。それは彼の発言に偽りがないことの証明に他ならない。


「続けましょう……だから、器を用意したのですね。最もソレに近いものを。一度取り入れれば……いいえ。触れただけでも滅びてしまうような絶対不可侵の存在を。一度とて姿を現さないソレを、己の一部とするために。彼も言っていましたよ。『成り損ない』、と……なんとも恐ろしいことをしたものですね。まともな死に方しませんよ、あなた……しかし神とて、いえ。あなた方が神と呼んだ存在とて無抵抗ではない……人ではどうしようもない存在ですからね。いや、凄まじく抵抗されましたねえ。あなた方によって彼ら……言葉を借りるなら『なり損ない』に埋め込まれた後に五柱にわかち、分かたれなかったものは無差別に入り込み無に還し。その後は手当り次第に神の力だけをばらまいてカモフラージュ。いい方法だ。そのお陰であなたも発見に苦労していたようですねえ。それでも一柱は捕まえたのだからあなたが凄いのかなんなのか……おや?ああ、すみません。あれは神の抵抗ではなくあなた方の失敗でしたね」


 口に手を当て、嫌味ったらしく壱馬が笑う。心底おかしいように見える。


「結局五柱はほとんどあなたの手の元……剛腕、戦蓄、瞬脚、全能、命核。二つはあなたの手を離れましたねえ。くふふ。あれは失敗だったのでは?」


 染黒は依然として表情を変えることなく壱馬を見ている。いつの間にか杖を握る手に力が篭っていることに彼女自身すらも気付いていない。


 本当にどこまで知っているというのか。魔神獣のことも、赤鬼のことも、神器のことも。全て知っているとして言われてしまえば全て無駄になってしまう。昔話になど応じず即刻滅ぼすべきだったか……!


「剛腕はまあ手元ですが……僕は全力で抵抗しますよお。瞬脚も同様。間違いなく……僕以上に抵抗するでしょう。全能は従順として、命核はわかりませんねえ……あれは五柱の切り札ですから。神に意思がなくて良かったですねえ。あったら全能にすら抵抗されてましたよ」


 両腕を大きく広げ、わざとらしく嫌味ったらしく笑う壱馬。『融滅』ほどではないがなんとも殺意の湧く笑い方だ。


 染黒の表情がこれ以上ないほどに歪む。それを見ることが出来て満足したのか、壱馬が気持ち良さそうに微笑んでから頷き、指を鳴らした。


 すると地下から膨大な量の疑似魔神獣が溢れ出し、一斉に染黒に襲いかかった。


「なっ……」


「これは笛の神器の力ですよ。そしてこれはジェットの神器」


 壱馬の背負うタンクの形状が変化し、蒼い炎を噴き出し始め壱馬の体が宙に浮く。


 ニヤニヤ笑いながら壱馬がタンクを優しく撫でる。


「素晴らしいですよねこれ……あなたには感謝していますよ。さすがは神の欠片を直接埋め込んであるだけある。有り難く使わせてもらっています。あ、そうだ。軽い親切心です……もう、わかっているとは思いますがNo.5、4は既に上陸しています。セイナーのお陰ですよ。あなたは……彼にすら拒否されるのです。いや……彼のせいで、かな?くふふ」


「ちぃ……虚見越えて果てなき黄泉よ。剣千山越え降り注堕つる。陰陽還して回帰の飛鳥。口付け交わして吼えても消えて。産まれ堕つるは黄泉旅路。召喚、『獄極番犬』急急如律令!」


 群がっていた疑似魔神獣ごと壱馬を攻撃するが、壱馬は一瞬にして空高くまで舞い上がりどこかへ去っていった。『獄極番犬』が雄叫びをあげながら疑似魔神獣を掃討していく。


 最後の言葉が、染黒の脳裏に焼き付き大きく揺らした。赤鬼の発生は自然では絶対にあり得ない。そこには誰かの意思が必ずあるのだ。No.5だと思っていた。だが、違うというのか。セイナーが、けしかけたというのか。


 もはや動き始めている。止まることは出来ない。彼女の望みは叶うことなく、最悪の方向に向かって進みゆく。


 一つの戦場は決した。


 乾いた風が染黒だけが立つ荒野を撫でた。誰も気付かなかった。そこでは、一匹の蒼い蜘蛛が、赤鬼の残骸を抱えて歩いていた。崩れた欠片の粉を、愛おしく抱き抱えていた。


 そして、今。もう一つの戦場は……


 ――――――――――――――――――――――――――――――――


 次回、『名前』。乞うご期待。

ご拝読いただきありがとうございました。

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