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定年間際の竜騎士  作者: だいごろう
第三章 【聖騎士とバンパイア】
199/502

地竜殺しの剣技





「はっ!」


オレは、素早く後方へ跳び、

魔獣の剛腕をかわして、


「ふぅぅぅぅ・・・すぅ!」


一瞬、呼吸を整え、剣を上段に構えて


「ぬりゃぁぁぁ!」


ズバァァァァァァァァァ!!!!!


魔獣の右足首を目掛けて、

竜騎士の技『地竜殺し・兜割り(かぶとわり)』を放つ!


大きくて真っ赤な真空の刃が、縦になって素早く飛び、


ドン!!!


見事、魔獣の太い右足を切断した!

しかも、その先に・・・


ザザン!!!


「ふ!? ぐあっ・・・!?」


ミヒャエルの上半身と下半身も、巻き込んだ!

下半身の左足を切断し、上半身の右腕を切断!


ガギン!! バキバキン!! バガガガッン!!


真空の刃は、さらにその奥の黒い檻を数個切断しながら


ドゴゴンッ!!!


岩肌の壁にぶち当たり、壁を粉砕しながら消えていった・・・!


「な・・・なんだ、そりゃ・・・!?」


店主が何かつぶやいたようだが、よく聞こえない!


「な、何を! ぐはっ! 貴様ぁ・・・!!」


ミヒャエルもなにか叫んでいる。


「ギャァア!! ホッ!!」


急に片足を失った魔獣は、体勢を崩し、

後ろへ倒れそうだったが、

すぐに両手を後ろの地面につき、倒れないようにしている!


この隙を逃さない!

オレは、剣を地面に突き刺すように構え、


「すぅぅぅぅぅ・・・どりゃあぁぁぁぁ!!」


ズザァァァァァァァァァ!!!!!


下から、えぐるように剣を突き上げる!

竜騎士の剣技『地竜殺し・下顎割り(かがくわり)』を放つ!

真っ赤な真空の刃が、地面を裂くように素早く魔獣のほうへ飛ぶ!


ズバアァァァンッ!!!


「ギャッ!! ・・・ッ!!」


見事に、魔獣の股から右肩までを両断!!

大量の真っ黒な血しぶきが上がる!!


そして!


ザザンッ!!


「あがっ!?」


ミヒャエルの下半身も真っ二つになり、

上半身も、左脇から首元までが切断した!

魔獣ともども、真っ黒い血しぶきが上がっている!


ガキキィ!! バキキキッ!! ドゴォォォン!!


そうして、真空の刃は

さきほどと同じく、その先の黒い檻を切り刻み、

岩の壁を破壊して消えていった!


「・・・ッ! ・・・ッ!」


ドスン! バタン!


巨体の魔獣は、まだ生きている!

真っ黒い血しぶきをまき散らしながら、

痛がって、ジタバタしている!

内臓・・・肺を斬られて、苦しいのだろう。

声が出せない状態で、それでも死ねず、

苦しんでいる・・・。


不死身というのは便利なようで、

ひと思いに死ねないという、つらい体なのだな。


「が・・・っ!! ・・・き、きさっ!」


ミヒャエルのほうも、もはや普通に喋れない状態だ。

それでも、やつも生きている!

大量にドス黒い血を流しているが、

それも、いずれ止まってしまうのだろう。


ズキィン


「くっ!」


急激に、体の節々が痛んだ!

特に、腰が痛い!

少し、ひねったか・・・!

やはり竜騎士の技を連続で使った反動だろう。

昨日までの投げ槍で、けっこう体を慣らしたつもりだったが、

投げ槍では使っていなかった腰の筋肉に、

急激な負荷がかかったのだろう。


しかし、立っていられないほどではないし、

今は、動かねばならん!


ズキィン


また痛みが!


「ふぅぅぅぅぅ・・・。」


オレは、深く息を吐いて、痛みに耐える。

まさか・・・この腰の痛み・・・ぎっくり腰じゃないだろうな?




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― 新着の感想 ―
[一言] うう、ホロリと来るギックリの悪夢
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