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定年間際の竜騎士  作者: だいごろう
第三章 【聖騎士とバンパイア】
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真の平和の脅威




「なんてやつだ・・・!

あいつだけ俺の魔法が効いてないのか!?」


通路の入り口で、ヒザをつきながら、

店主が驚きの声をあげている。

店主の連続魔法と、バカでかい『ゴリラタイプ』のおかげで

ほかの魔獣たちは全滅してくれたようだ。

骨と化した魔獣たちと、小さな氷塊と化した魔獣たちが、

赤黒い地面、一面に転がっている。


「ふひっ! がふっ! ふひひひっ! ぐはっぁ!

はぁ~、はぁ~・・・。

我の、『真の平和』のチカラを・・・

思い知るがいい・・・ふひっ!」


ミヒャエルの高笑いが聞こえてきた。

通路の入り口から、一番離れていた

ミヒャエルもまだ生き残っている。

上半身と下半身がまだ分かれているから

まだ完全に回復していないようだ。


店主の魔法は高威力で、広範囲だったが、

飛距離は、そこまで無かったようだ。

だからこそ、一番後ろにいた

バカでかい『ゴリラタイプ』にも、ミヒャエルにも、

魔法の威力が届いていなかったのだろう。


「ゴッホォォォオオオッ!」


ミヒャエルが『真の平和』と呼んだ

目の前の巨大な魔獣が、ひと際、大きな雄たけびをあげる!

その雄たけびが、この広場に響き、

『洞窟』全体が震えている気がする!


この広い場所ならば、店主のように

高威力の魔法を使っても、『洞窟』に影響はないかもしれないが、

竜騎士の技は・・・どうだろうか。

なんとかなるか!?


グォ!


「っ!」


目の前の、巨大な魔獣が、その大きな足で

オレを踏みつぶそうとしてきたので、

慌てて横っ飛びして、それを避ける!


ドスンッ!!


「ぐわっ!」


直撃を避けても、ものすごい地響きで

地面が揺れる!


「ふぅぅぅぅ・・・すぅぅぅぅ・・・。」


その場に留まっていると、攻撃の的になるので、

やつの足元へ走りながら、呼吸を整えて・・・!


ブォン!


オレの頭上から、巨大な手のひらが襲ってくる!

オレを捕まえる気か!?


バシン!!


巨大な手を、紙一重でかわす!


やつの右足が近い!

まずは、小手調べだ。


「おりゃぁ!」


ザンッ!


オレは、剣でやつの右足首を斬った!

技を使わずとも、やはり、この剣ならば斬れた!

ただ、ものすごく太い足首なので、

斬り落とすことは出来なかった!

骨に達していない。斬ったのは肉だけだ。


「ギャギャギャッギャッギャッ!!」


ドスン! ドスッ! ドスッ!


「ぬぉ!」


やつが痛がって、その場で足踏みをする!

慌てて、その場から離れるが、

地響きがすごくて、走りにくい!

やつの右足から真っ黒な血が飛び散る!

なんとか、紙一重でかわせた!


足を斬れば、

少しは倒れてくれるかもと期待していたが、

やつは倒れなかった!


これだけ大きいから体を支える足さえ崩せば

急所である心臓、首、頭に近づけるかと思っていたが・・・。

ちょっと傷つけた程度では、簡単に倒れてくれそうにない。


「はぁ、はぁ・・・!」


おまけに、相手の攻撃が大きすぎて

こちらは、それを避けるだけでも

いつもより体力を消耗してしまう!

深呼吸しても、すぐに呼吸が乱れる!

早く倒さねば・・・長引けば、こちらがやられる!


「ふひひっ!」


時折、ミヒャエルの気味悪い笑い声が聞こえてくるが、

どうやら、少しずつ回復しているようだ!

あっちも、早くトドメを刺さねば、

またさっきのように『法術』を連発される戦いになる!

正直、もうあんな戦いは、何度もやりたくない!


竜騎士の剣技・・・使ってみるしかないか。


ブォン! ブォン!


「ちっ!」


巨大な魔獣の両手の拳が、左右から襲ってくる!

オレは、それをかわしながら、


ザシュ!


なんとか反撃!

しかし、やつにとっては、手の甲が少し切れたぐらいだ。

ぜんぜん、効果がない!

やつの攻撃を止められない!


「ん? おい・・・まさか・・・!?」


「!?」


店主が、なにかに気づいたようだが?


「ラ、『ラスール』の足の出血が止まっている!」


「なにっ!?」


店主に言われてから、よく見れば

たしかに、さっきオレが斬った右足首からの出血が

すでに止まっている!?


「ふひっ! くっはっ・・・ふひひひっ!」


オレたちの声に反応したのか、

ミヒャエルが、またむせながら高笑いしている。


「し、『真の平和』は~、我の血が馴染んできているのだ~。

ふひっ、知能が低い魔獣ゆえに、我の同胞には成り得ぬが~、

その強さ~! 不死の体~! 我の下僕に相応しい~!」


ミヒャエルが、上半身だけで両手を広げて、

天井へ向けて、そう語っている。


「そ、そういえば、以前、

町でディーオが負わせた傷が残ってないな・・・。

あれから1か月も経っているから、

自然に治ったのか分からんが・・・。」


店主が、そう言った。


つまり・・・目の前の巨大な魔獣は、

やつと同じく、ちょっとぐらいの傷を

すぐに回復してしまうということか!?


最悪の敵じゃないか・・・!


ビュッ!


絶望して立ち止まっているわけにはいかない!

巨大な拳が、上から降ってくる!


ボコン!


「ぐっ!」


かわした拳が、地面をヒビ割れさせる!

ギリギリでかわすのが精一杯だ!


こうなれば、ただ斬るだけでは倒せない!

『洞窟』が崩れてしまうとか考えている場合じゃない!

やるしかない!


先ほどの店主の上級らしい魔法でも、

この広場には、ほとんど影響がなかったぐらいだ。

竜騎士の剣技も耐えられるかもしれない!


ブォン!


魔獣は、その大きな剛腕で、

オレを薙ぎ払おうとしてくる!





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