転生?いえ転移です
俺は、死んだのか。短い人生だったな。
俺は、15歳という若さで病気で死んでしまった。
(もし、叶うのなら。ラノベで読んだ異世界転生か異世界転移とか起きたら良いのにな)
『その願い! 叶えて上げましょう!』
っ!?
目が覚めると、そこは掌の上だった。
「ここは?」
「ここは、時空の狭間だ」
「俺は、死んだんだよな?」
そこに居たのは、カッコいい青年だった。ただ、身長が50mありそうな程でかい。
「そうです。あなたは15歳という若さで死んでしまいました。それも、ずっと病室での生活。さぞかし、普通の生活に憧れを抱いたでしょう」
「……はい。確かにあなたの言う通りです」
「そして、私の生みの親がこう言ったのです。普通の生活が出来なかった人を異世界に転生させると。そして、あなたもその1人なのです」
「なるほど。2割ほど理解しました。それじゃ、俺は異世界に転生出来るんですか?」
「はい。そして、そんな人達には1つだけ私たちが何かを与えるようにと言われているんですよ」
そう言って、神様はとある本を取り出した。
「これは、今まで転生した人達が実際に貰った物です」
そこには、本当に色々書いてあった。
・能力1億倍
・魔法全適性
・魔力無限 etc.
それを見ても俺は響かなかった。何故かと言うと、俺は、病室でもし異世界転生やらやる事になったら欲しいものを考えていたのだ。そして、今、それをここで言う時が来た。
「俺は、病室にいる時から、もし異世界転生やら出来たらなにが欲しいか考えていたんです」
「ふむ。言ってみなさい」
「俺が、考えていたのは、収穫しても一生枯れなくて無くならない畑が欲しいんです!!」
「……面白いですね。分かりました。それはこちらで用意しましょう」
その後は、異世界について色々と教えてもらった。
・異世界は浮遊した島に1つ1つの国がある
なにそれ、ファンタジー!!
・異世界にはステータスが存在する
名前:
体力:
魔力:
攻撃力:
防御力:
俊敏力:
運:
魔法適正
・
スキル
・
まぁ、こんな感じだったかな。他にも細かい事を言われたけど、それはその時その時で説明するよ。
「それじゃ、そろそろ転生の時間だよ」
「はい。色々とありがとうございました!」
色々話していると、どんどん友達っぽくなってしまった。友達になってくれるか聞いたら、快く受け入れてくれたのだ。
「それじゃ、次の生では元気に生きてね」
「はい!」
「それじゃ、行ってらっしゃい」
「はい! 行ってきます」
そして、俺は異世界に転生……した筈だった。
「あ、間違えて、転移にしちゃった。ま、いっか」
これが、彼の人生を大きく変える事になるとは、神ですら知ることは無かった。