表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/50

のどかな街並み、従魔の嗜み。

「なんか面白そうなモン並べてるなあの店」


 柔らかそうなボールによく飛びそうな円盤やら人形やらなんやら。


「なんでしょうか、あれ? ご主人ご存知ですか?」


「俺も詳しくは全然分からんけど何となくの用途は分かるな」


 店員らしき人物に話を聞いてみたところ、従魔用の生活用品だとか玩具だとか食い物だとかを売ってる店らしい。


「って事らしいが、なんか興味を惹くものはあるか? このボールとか」


「どう遊ぶのかよくわかりません」


「俺が投げてそれを走って拾ってくるとか? この平たいのもそうだと思う」


「うーん、いまいち想像できないです」


「まあモノは試しで買ってみるか」

 

 次に目に留まったのはヒモっぽい奴。

 首に付けて勝手にどっか行かないように繋いでおく為の道具だろうか。

 もしくはただのオシャレアイテム?


 うーん、こいつには……全く必要ないって事は無いだろうが、あんまり付けたくはないな。


「これ、可愛いですね! 首に付けるんでしょうか?」


「多分そうだろうな。ご丁寧に付いてる絵にもそう描かれてるし」


「付けてみたいです、欲しいです! ご主人、だめですか?」


 こいつが食いモン以外にここまで興味を持つとは、どういう風の吹き回しだ?


「んじゃこれも買っておくか。他に欲しい物はあったか?」


 ちょっと目を離した隙に、既に別のモノを手に持ってる。


「これ欲しいです! おやつですかね?」


 行き着く先はやっぱり食い物か。……食い物なのか?


 骨を模した謎の固形物。なんじゃこりゃ。

 困ったら店員に聞こう。


 粘性が強く栄養価の高い植物を練り上げ、肉の旨味を練り込んで乾燥させた物……よーわからん。


 まあ栄養も豊富なようだし歯を鍛えるのにも丁度いいっぽいし。色々謎だけどこれはいいものだな。


「他にも色々味があるっぽいからそっちも買おうか」


「どんな味がするんでしょうかね? いまから楽しみです」


 にしても食べ物だけでも色々種類があるんだなあ。

 なんか俺から見ても美味そう。いや食べないけど。


 両手が塞がりつつある俺を見かねた店員が気を利かせて入れ物を持ってきてくれた。


「ましろ、欲しいもんあったら適当にこの中に入れてっていいぞ。ほら、渡しとくから」


「やったー! 行ってきます!」


 ほんと元気いいなぁ。


 ましろが離れたところで俺に近寄る店員。


「お客様、恐れ入りますがギルドカードのご提示をお願いしてもよろしいでしょうか?」


 なんだろう? 金の心配をされているワケでは無さそうだけど。

 肯定の返事の後、カードを提示する。


「はい、ありがとう御座います。僭越ながら特別なお部屋にご案内させて頂きたく存ずるのですが、如何致しましょう」


 な、なんだろう。

 聞くからに怪しいけど好奇心が勝ってしまう。


「承知致しました。ではこちらに」


 案内された先は一般客立入禁止区域の先に佇む複数の扉の中の一つの前。


「こちらです。どうぞ、ごゆっくり」


 ゴクリと生唾を飲み、取っ手に手を掛ける。


 明らかに異様な雰囲気が漂うその部屋。


 な、なんだろう。見るからにヤベェ商品が陳列されている、ような……?


 この変な形に枝分かれしてる棒とか一体何に使うんだ? 振り回して遊ぶのか? 

 そしてなんかスイッチみたいなのが付いてる。


 指が好奇心に屈し、それに圧力を加えてしまう。


 ……なんか小刻みに振動しだした。ホントなんなんだこれ。


 よく見れば周りにも様々な形の似たような棒がずらりと並んでいる。


 それらが放つ謎の威圧感に耐えながら奥へ進むと、今度は薬品が入ったビンのような物がずらりと規則正しく並んでいた。

 

 柑橘系のとても良い香りが周囲に漂う。

 匂いの元はフワッとした白い綿から発せられているっぽい。お試し的な感じだろうか。


 さっきの棒は用途がよく分からなかったが、これは寝る時とかに使うと安眠出来そう。買ってもいいかも。


 こっちの箱はなんだろう。

 薄い膜で構成されたゴム状の何かがすぐ横に置かれている。

 膨らませて遊ぶのか? これも用途不明。


 本当の用途が気になる。が、店員に聞くのは止めておいた方がいいと俺の勘が囁いてきた。何故。


 ましろを待たせているかもしれない。俺の好奇心にはここら辺で我慢してもらおう。


 結局良い香りのする薬品を三本くらい見繕って部屋を出る事にした。


 俺を案内した店員が俺の手持ちを見て申し訳なさそうな顔を向けてくる。


「すみません。ご満足頂けませんでしたか?」

 

 すみません、何を以ってして満足なのかすらよく分からなかったです。

 適当に誤魔化してやり過ごしておこう。


 立入禁止区域から出ると、探すまでもなくましろの姿が目に入った。


 おやつでいっぱいになったカゴを抱え、前がよく見えないのか若干フラフラしている。


「お前は相変わらず積み上げるのが得意だな」


「あっご主人! ましろはもう満足しました、早く済ませてしまいましょう」


「はいよ、持ってやりたい所だが変に手を出すと崩れちゃいそうだな」


 そのまま会計を済ませ外に出ると、店に入る前よりも通りの人気が若干濃くなっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ