無数の決別、それでも尚。
一人、また一人と此処から姿を消していく。
それが鉄箱へと積められる事を意味するのか、はたまた棺箱へと詰められる事を意味するのか。
いずれにしろ俺達にとっては大した違いもない。
俺達はそのどちらにも属さないのだから。
畜生を鉄箱に積める事など認められない。
俺達を棺箱に詰める者など残らない。
最期まで添い遂げ重なり合って死ぬ。
それが俺達に残された唯一の選択肢。
だがその選択肢に不満は無い。
今はただ死の先にある未来を見据え、思いに耽るのみ。
「最期まで側に居てやれなくてすまん。奴らには俺が必要らしい」
「死ぬのが許されないというのも辛い事なのかもしれませんね。――どうか、生きてください」
「俺にとっちゃお前だってな……いや。これはお前が決めた事、これ以上は無粋だな。お前の覚悟に泥を塗る事になる」
「すみません……あなたが一番辛い選択肢を迫られているのは分かっているんです」
「一番辛いのはお前だろ」
「……あなたが言うのならそうなのかもしれませんね」
甲高い音が響く。
「――どうやら時間切れらしい。じゃあな、来世で会おう」
「はい……また会いましょう、アカネさん」
――来世が、あるとしたら? 平和な場所でのんびり暮らしてみたい。
「そん時も俺の隣に居てくれるか、ましろ」




