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報酬の吟味、浮かぶ疑問。

 戦後処理の手伝いをしながらアカネさんを通じて村人から感謝の意を次々と受け取った。

 俺達人間を受け入れてくれたこの集落に、少なからず恩返しが出来て素直に嬉しい。


 その道中、この集落の長に御目通りが叶った。


「村を代表して感謝する。なんか報酬を授けよう、だとさ」


「貰える物は遠慮なく貰っときます。――ましろ、お前は何が欲しい? 俺は服とか防具が欲しいんだが」


 この村の装束、かなり凝ってて機能美に溢れつつ見た目もかなり良質なんだよな。


「うーん、ましろは服より肉の方が欲しいです」


 花より団子とはこの事か。


「折角人の姿になれるようになったんだ、お洒落ぐらいしたらどうだ? お前可愛いしなんでも似合うだろ」


「そ、そうですか? じゃあ服にします」


 可愛いと言われたのがよほど嬉しかったのか一瞬で手のひら返したなコイツ。


「意見は一致したようだな。服が欲しいか、分かった」


 改めて村の様子を見るとそこら中に砂や水が撒き散らされていた。消火に使われたっぽい。

 

 戦後の片付けを終え、与えられた自室へと戻る。


「しかし、そうか。アレが俺達を破滅に追い遣った者の正体なのか」


 だが引っかかる所も多数ある。

 あのような奇妙な生物は元の世界では一度たりとて目にした事が無い。

 アカネさんが逃げた先で奴らを知る事になった経緯についても気になる。


「お前はどう思う?」


「うーん、ましろはアレは緋いのの正体では無いと思うんですが」


「どういう事だ?」


「さっきましろ達が戦った奴ら、すっごい臭かったんですよ。でも……あの日は焼かれたヒトの臭いしか記憶に無いんです」


「それは単に焼死体の臭いが強すぎたか、お前の嗅覚が弱っていたか、もしくはその両方が原因である可能性も高いな」


 他にも敵との距離が遠かった等、考えられる原因は無数に存在する。

 暫く物思いに耽っていた俺に退屈したのか、からかうような口調で俺を問い詰め始めるましろ。


「ところでご主人、そんなにましろはかわいいですか?」


 そう改めて聞かれると素直に答えるのも癪である。


「さあ、どうだろうな?」


「とぼけてもむだです、ご主人」


「なにを?」


「ごーしゅーじーん!」


 軽く膨れた様子のましろがにじり寄り――仕掛けるならここだろう。


「すまんすまん、ちょっとからかってみたくなっただけだ」


 にじり寄ってきたましろを一気に抱き寄せ顔と顔の距離を詰める。


「ちょっ、ごしゅ」


 至近距離で目と目が交差する。




「……っ」


 先に顔を逸らしたのはましろ。してやったり。

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