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会敵、瞬殺。

 鳥類のような頭、嘴、翼。牛のような体格。

 翼は退化し、最早本来の役目を果たすに至るまでの原型を留めてはいない。

 だが驚くべきはその大きさ。裕に俺達の200倍ほどは体積を有している。

 ここまで巨大な生物を相手取った経験は、当然無い。


 圧倒されまいと身体を奮い立たせるも、本能がそれを許さない。


 ましろは余裕の表情……どころか化物の姿が顕になった後の方が元気そう。


「ご主人、ビビってないで行きますよ。あれ以上近づかれたらまずいです」


 こいつにこれ以上情けない姿を晒すと後が怖い。本能に逆らい化物の元へと駆ける。


 ――あの時と同じ感覚、即ち意識外での変貌。

 己を蝕む破壊衝動。

 血は湧き肉も踊る。


 黒は化物の前に躍り出ると煽るように遠吠えを浴びせる。それに誘われ巨大な三本爪を振り下ろす化物。

 本来の動体視力に付加効果が与えられ、時が何倍にも薄く引き延ばされる。

 その爪は空を裂き虚しげな風切り音を奏でるのみ。


 ――刹那、白が化物の右腕の肉を噛み千切りその繊維を肩の付け根まで引き剥がす。


 悲痛な叫びを上げながらも残された左腕で白を叩き潰し引き裂こうと腕を振り上げる化物。

 白はそれを避けない。――否、必要ない。

 左脛を黒に抉り取られ体幹を崩す化物、再びその爪は空を切る。


 右肩から先は力無く垂れ下がり、寸秒前まで筋肉であったそれが完全に引き剥がされ鮮血を纏い宙を舞う。


 無防備を晒す右半身へ無慈悲な追い打ちを仕掛け、脇腹と腱を白黒で引き裂き断ち切る。

 臓物は露出し体幹は完全に崩れ満身創痍となった化物。


 高度が低下し射程圏内に入った首筋へ乾坤一擲の一撃。


 微かに漂う、異臭?


 早期決着。正に蹂躙、鮮血のドレスを纏い小気味よい断末魔を奏でる木偶の坊。

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