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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
最終章 風水ギルドの敵を討ってみた。
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67話 バル国の侵攻。



 バル国の王位継承争いに、結城たち風水ギルドが関与したことがあった。

 惰弱な第一王子ゼールを、王位につけた。

 これによって、バル国がアルバ国に攻め込むことはない、という話だった。


 どうやら、執政官グランの読みは間違いだったようだ。

 結城はいったん、王宮から風水ギルド本部に戻った。

 ちょうどウェンディが本部を開けているところだった。ウェンディは、結城の姿を見て、ホッとした様子だ。


「良かった、ユウキくん」


「どうかしたの?」


「昨夜、様子が変だったから、心配しちゃって」


「そうだったのか……何も心配はいらないよ」


 結城は後悔した。

 風水ギルドは、結城がいなくとも、機能し続けるだろう。

 だが、悲しむ人たちはいるのだ。


(グランの件は、自分らしくない選択だった。というより、風水師らしくない、か)


 結城が反省していると、王宮からの使者が来た。

 改めて、バル国の件を伝えて来る。

 国境にある、アルバ国側の砦が落とされたそうだ。


 バル軍は、その砦を拠点として、アルバ国内に攻め入ることができる。

 逆に、この砦を取り返すことさえできれば、バル国は撤退するだろう。

 場合によっては、アルバ軍が攻め入り、バル国内へと領土を広げるチャンスかもしれない。

 グランは、砦の奪回を、結城たちに任せたい、という。


 結城は、これは偶然だろうか、と考えた。

 グランが風水ギルドを潰そうとしたとき、バル国も攻め入って来た。

 

 国内には、風水ギルド以外にも多数のギルドがある。

 しかし、それらのギルドは、バル国内にもあるわけだ。

 風水ギルドだけが、特殊なギルドといえる。

 よって、先んじて風水ギルドを潰してから、アルバ国に攻め入りたい、という考えもあるかもしれない。


(だけど、それにグランが手を貸すだろうか? グランは、アルバ国のナンバー2だ。バル国に協力したからといって、これ以上の地位を望めるとは思えない)


 逆に言えば、動機が確定すれば、グランはクロとなる。

 グランは、バル国と繋がった反逆者だ。


(証拠が欲しい。それを国王に見せれば──)


 結城は、伝書鳩を飛ばした。レラを呼び戻すためだ。〈片足〉の見張りは、もう必要ない。暗殺ギルドは、当分は脅威ではないだろう。

 グランを潰せれば良い。反逆者と繋がっていたとなれば、暗殺ギルドも無事では済まないだろう。


 結城は再度、王宮に上がった。

 王宮務めのリサと合流する。


「師匠、王宮には嫌気が差した」


「この件が片付いたら、別の風水師を王宮に送るよ」


 結城は約束してから、国王と執政官グランに謁見した。  

 グランは改めて、砦の奪回を命じて来た。


 バル軍に制圧されたのは、ビス砦というそうだ。

 バル軍の侵攻は、アルバ国側が予想できない事態だった。

 そのため、アルバ軍の勢力は、まだ揃っていない。

 王直轄軍の他、各地の領主たちが軍を率いて、この王都に向かっているところだ。彼らが集まったとき、総攻撃をかける。


 だが、その前にビス砦を取り戻したい、と。

 そこで風水ギルドに、白羽の矢が立った、というわけらしい。


 結城は、どこまでグランの謀略が絡んでいるのだろうか、と考えた。

 風水ギルドが、ビス砦の奪還に失敗すれば、グランとしては一石二鳥だろう。

 

 結城は、「承知いたしました」と返答した。


 そして、風水ギルド本部に戻り、ギルド・メンバーに伝えた。


「これが風水ギルドの正念場だと思う」


 エミリーが言う。


「砦の奪回なんて、ムチャよ。あたしたちは、軍ではないのだから」


「いや、手はあるんだ。ビス砦を占拠しているバル軍の指揮官に、〈鬼門付与〉スキルさえ発動できれば。それだけで、勝機が出て来る」


 仮ギルド・メンバーであるリースが、尋ねる。


「しかし、だ。どうやって、ビス砦に潜入する気だ」


 仮とはいえギルド・メンバーなので、リースにも敬語なしで、結城は答えた。


「〈開運天国〉を使う」


 だが、この作戦には問題があった。

〈開運天国〉スキルで、運気数値がプラス10万になる。

 そうすれば、潜入は可能だろう。だが、プラス10万数値なのは、10分だけだ。

 

 その後、脱出のときは、どうすれば良いのか。




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