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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
5章 暗殺ギルドとの抗争に入ってみた。
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63話 〈無機物鑑定〉スキル。


 結城は、状況を整理した。


「つまり、あなたは暗殺ギルドに属していた上、ギルド・マスターの弟子だった、というわけですか?」


 リースはうなずいた。


「簡単に言えば、そうなる。一応、言っておこう。オレは暗殺の仕事を請け負ったことはない。腕を磨いたところで、脱ギルドした。それが2年前のことだ。バカな叔父上が、オレの古巣に、オレの暗殺を依頼するとは思わなかったがな」


 結城はひとまず、リースの言葉を信じることにした。


 前回の〈開運天国〉発動時に出会ったのが、リースだ。暗殺を生業にしていた者を、引き付けさせるとは思えない。


「なぜ、暗殺には手を染めない、と考えを変えたんです?」


 するとリースは、面白そうに笑った。


「いや、考えなどは変えていない。初めから、技量だけを学ぶつもりだったんだからな」


「……それなら勇者ギルドとかでも、良かったのでは?」


 しかし、リースの考えは違った。


 リースの話は、こうだ。

 勇者ギルドが、仮想敵とするのはモンスターだ。しかも戦闘状況は、パーティを組んでのものが多い。

 リースはモンスターと戦うつもりも、パーティに組み込まれるつもりもなかった。

 また、勇者というものは、少なからず誇りを求める。敵が人間のとき、騙し討ちなどは行わない。

 よって、そんな技術も学べない。


「別に、誰かを騙し討ちしようと思ったわけじゃない。しかし、その技術を得ていれば、自衛に役立つだろう」


 結城は思った。

 リースの考え方は、実に独特のようだ。男装しているのにも、それは通じる。良くも悪くも、この社会に馴染んではいない。


 暗殺ギルド・マスターは、右足を切断され、倒れている。

 リースに刀の切っ先を突き付けられているため、さすがに抵抗はしてこない。

 だが、抵抗の代わりか、嘲笑って来た。


「飼い犬に手を噛まれるとは、このことだな」


「オレは、貴様の飼い犬になった覚えはないがな」


 結城は、ギルド・マスターに尋ねた。


「暗殺ギルドは、風水ギルドの殲滅依頼を受けたそうだね。依頼者は、どこの誰だ?」


 ギルド・マスターは、結城を見やる。


「なるほど。貴様は、風水ギルドのマスターか。この俺が、大人しく話すと思うのか?」


「……いや、思わない」


 結城は一考した。

 いくらギルド・マスターの運気が悪かろうと、口を滑らせる確率は低い。

 これが並みの暗殺者なら、その可能性もあった。だが、この男はギルド・マスターだ。マイナス1万で、そこまで期待するのは、無理がありそうだ。


 結城は、ステータス画面を表示。さらに、会得が可能なスキルのリストを表示した。


(何か、使えるスキルで、会得できるものはあるだろうか?)


 スキル獲得のために使えるポイントは、現状では824。

〈鬼門付与〉スキルを会得するために、3600も使ってしまった。

 ちなみに、最もポイントを使わざるをえなかったのが、〈開運天国〉スキル会得時の、5200だ。


(824ポイントで、会得できるスキルに、たいしたものはないか)


 風水師として目覚めたとき、すでに持っていたスキルに、〈運気交換〉がある。

 あまり使いどころのないスキルだが、これでさえ会得しようと思ったら、500ポイント必要となるのだ。


(何か、風水ギルド殲滅の依頼者が分かるようなものは──)


 結城は、あるスキルに注目した。


(もしかすると、状況を打開できるか?)


 結城は、目を付けた〈無機物鑑定〉スキルを、さっそく会得した。会得に使用したのは、770ポイントだ。


 このスキルは、無機物の風水鑑定ができるスキルである。

 さすがの結城も、これまでは無機物の運気など鑑定できなかった(鑑定する必要もなかったが)。

 しかし、今ばかりは、このスキルが役に立つかもしれない。


「ものは試しだ。さっそく使ってみよう、〈無機物鑑定〉スキル発動」


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