表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
5章 暗殺ギルドとの抗争に入ってみた。
62/70

62話 vs暗殺ギルド・マスター。



 結城が先頭となって、3階に上がる。

 3階にいる者が、罠を仕掛けているかもしれない。しかし、今の結城には通用しないはずだ。


 結城の鼻先を、蠅が飛んでいく。何となく蠅の行き先を見ていると、階段を上り切った地点まで飛翔。

 そして、蠅は空中に止まった。


 結城は、変だな、と思った。

 蠅が止まっているのは、人の足首ほどの高さ。


 結城は目を凝らして、「あっ」と思った。

 蠅は空中ではなく、仕掛け線の上に止まっているのだ。

 この仕掛け線は、よく見ないと分からない。


 何も知らず階段を上っていたら、仕掛け線に引っかかっていた。そうすれば、何らかの罠が発動されたのだろう。

 蠅が止まってくれたおかげで気づけた。

 つまり、結城の運気のおかげだ。


 ちなみに〈開運天国〉の効果は、あと5分で切れる。


 結城は無言のまま、身振りで仕掛け線を伝えた。リースとセシリーがうなずく。

 結城は仕掛け線を跨いで、3階の通路に立った。この地点からだと、通路は左右に分かれている。


 結城は直感で、右を選んだ。前進する。

 突然、結城の衣服のボタンが落ちた。屈んでボタンを拾おうとする。


 そのときだ。結城の頭の上を、刃が一閃した。


 その刃は、通路が面する壁を切り裂くようにして、通過したのだ。

 すなわち、壁の向こうの部屋から、暗殺者が攻撃してきた。


 屈んでいなかったら、刃は結城の首を切断していただろう。

 そして、ボタンが落ちていなかったら、屈むことはなかった。

 これも運気の力である。


 リースが刀を振るい、斬撃を放つ。

 壁を挟んで、リースと暗殺者が切り結び出す。


 結城は先へ進み、ドアの前に立った。セシリーも付いて来る。

 このドアの部屋に、リースと切り結んでいる暗殺者がいるのだ。


 結城はドアを開け、室内へと飛び込む。

 目的の暗殺者は、30代の男。口ひげを生やし、鋭い眼光をしていた。長剣を用いて、リースと互角に渡り合っている。

 しかも同時に、結城に向かって、クナイを投じて来た。


 結城は動かなかった。

 動く必要もない、クナイは外れるのだから。

 実際に、クナイは壁に突き刺さり、結城にもセシリーにも当たらなかった。


 普段ならば、この近さだ。暗殺者のクナイが、狙いを外れることはないのだろう。

 しかし、今ばかりは結城の運気数値が、暗殺者の手元を狂わせるのだ。


 さらに結城は、〈鬼門付与〉スキルを発動した。

 

 暗殺者の運気数値が、マイナス1万となる。とたん、暗殺者の身に、『不運』なことが起きた。

 汗で滑ったのか、右手から長剣の柄が抜けたのだ。

 勢いで長剣は飛んで行き、壁に切っ先が突き刺さった。

 

 長剣を失い、暗殺者は劣勢に立たされる。

 リースが壁を突き破って、部屋に飛び込んで来た。もともとリースと暗殺者が激しく斬り合ったため、壁はほとんど原型を留めていなかったのだ。


 暗殺者は、リース目がけて、クナイを投じる。

 リースが簡単に弾く。


 が、暗殺者の狙いは、リースの足止めだった。

 この隙に、窓に向かって跳躍する。


 窓にはガラスが嵌っていないため、外へと跳び出すのは容易だ。3階の高さだが、暗殺者の身体能力ならば、着地も問題ないだろう。

 しかし、暗殺者の運気数値がマイナス1万なのを、忘れてはいけない。


 暗殺者は、あろうことか跳躍しすぎた。

 そのため窓に達する前に、部屋の天井に頭をぶつけたのだ。


 あり得ないミスなのだろう。

 暗殺者は驚愕の表情を浮かべながら、床の上に落ちる。


 実際は、結城の〈鬼門付与〉攻撃を受けているので、ミスではないわけだが。当人は知る由もない。


 リースが刀を一閃させ、暗殺者の右足を切断する。

 はじめて暗殺者が声を上げた。


「ぐぁぁぁ!」


 結城の足元まで、切断された右足が転がって来る。

 転生したてだったら、気絶しているところだ。しかし、結城はこの世界を、1年以上も生きて来た。今更、この程度の暴力沙汰に、いちいちショックは受けない。


「リースさん、この男がギルド・マスターですか?」


 リースは、暗殺者に刀の切っ先を向ける。それから、うなずいた。


「そうだ。この男の名は、ラーク。暗殺ギルドの、ギルド・マスターだ。そして、かつてのオレの師でもある」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ