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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
5章 暗殺ギルドとの抗争に入ってみた。
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61話 唸る〈開運天国〉スキル。


 リースが先頭で突入しようとする。


 すると、リースの運気数値が落ちだした。


 結城は、ここは出し惜しみする場面ではない、と考えを変えた。

〈開運天国〉スキルを発動。

 結城の運気数値がプラス10万となる。

 それからリースに、自分が先頭で行く、と主張した。


 リースは渋々ながらも、受け入れる。

 暗殺ギルドの拠点に辿り着けたのは、結城のスキルのおかげだ。そこの点は、リースも理解しているのだろう。


 拠点の建物は3階建て。表通り側と路地裏側に、一つずつ出入口がある。

 結城は、路地裏側の出入口に向かった。ドアに触れる。施錠されていたはずだが、ふいにロック機構にガタが来たらしい。

 ドアは簡単に開いた。


 結城が屋内に入り、リースとセシリーが続く。

 1階には、見張りがいた。暗殺ギルドの拠点なのだから、敵襲には備えていて当然だ。

 しかし、結城たちが侵入したとき、見張りはよそ見をしていた。


 通路の隅を、ドブネズミが駆けて行ったためだ。

 見張りはネズミを嫌悪していたので、そちらに注意が行ってしまったのだ。

 それが見張りの運の付きだった。


 リースが、結城を追い抜いて、見張りの懐内に飛び込む。刀が一閃され、見張りは命を落とした。

 リースは、見張りの死体を見下ろしてから、結城に尋ねた。


「この見張りは、不運だったな。〈鬼門付与〉スキルとやらを使ったのか?」


 結城は答える。


「いえ、その必要はありませんでしたよ。僕はいま、運気数値プラス10万ですからね。だから、僕にとっての幸運が、連発する。それによって、周囲の者が不運になることもある」


 見張りがよそ見していたことは、結城にとっては、とても運の良いことだった。

 そのため、見張りはよそ見をする状況に、陥っていたのだ。


 1階には、3部屋あった。見張り以外に、人はない。

 セシリーが不思議そうに言う。


「マスター。拠点にしては、人が少ないですね」


「拠点といっても、暗殺者たちは長居をしないのだろうね。いわば、この建物は暗殺者たちへの指令所だ。それなら要員は最小限で済む」


 指令を与えるのが、ギルド・マスター本人だと良いのだが。

 結城の運気数値10万をもってしても、遠くにいるギルド・マスターを、この場所まで一瞬で移すことはできない。


 結城を先頭にして、階段を上がり、2階へ。

 2階で初めに確認した部屋は、無人。次の部屋にも、人はいない。

 ふと結城は、廊下のあるドアが気になった。このドアの先にも、部屋があるはずだ。

 しかし、建物の規模からして、その部屋は手狭だろう。

 それこそ、一畳ほどだ。


(そんなに狭いとは、何の部屋だろう?)


 一考してから、結城はハッとした。

 それから、リースとセシリーに小声で言う。


「これは、トイレだ」


 ふいにドアが開き、男が出て来た。

 男は結城たちを見て、ギョッとした。声を上げる間もなく、リースの刀が一閃される。

 男は喉を斬られて、絶命した。


 結城たちが侵入したとき、この男は不運なことに、腹を下したのだろう。それでトイレに籠っていた。

 もちろん、結城の運気数値の力だ。


 リースが、刀の血を払いながら、言う。


「残りは3階か」


 セシリーが、ある疑問を口にした。


「仮にギルド・マスターがいたとして、どう特定しますか?」


 結城も、そこは気になっていた。

 運気数値がプラス10万なので、ギルド・マスターを見れば、『何となく』で特定できるはずだが。

 すると、リースが言う。


「問題ない。ギルド・マスターの顔は、オレが知っている」


 結城の中で、これまで抱いていた疑念が、確定的となった。


「リースさん。あなたは──かつて、暗殺ギルドにいましたね?」


 リースが肯定も否定もする前に、上階から物音がした。

 リースが舌打ちする。


「侵入に気づかれたらしい」


 セシリーが小首を傾げる。


「マスターの運気数値が10万だというのに?」


 結城は、考えを述べた。


「上階の暗殺者が、途轍もない技能を有しているのかもしれない。僕の運気数値に対抗して、僕たちの気配に勘付くほどに」


(だとするなら、そいつはギルド・マスターの可能性が高い。運がいいぞ)


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