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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
5章 暗殺ギルドとの抗争に入ってみた。
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56話 第二の暗殺標的を特定する。


 魔裂弾を投げ込んだ暗殺者が明らかになったところで、次なる計画を立てることになった。


 セシリーは、暗殺者を取り押さえ、尋問してはどうか、と提案。

 しかし、結城は反対した。


「どうかな。相手は、暗殺ギルドに属するプロだ。尋問しても、口を割るとは思えない」


 拷問をしたら別かもしれないが、結城としては、その手段は取りたくない。

 セシリーとレラは、ギルド・マスターの結城の言葉に忠実だ。

 問題は、リースだ。

 リースが、どういう選択を取るか。

 結城が問いかける眼差しを向けると、リースはうなずいた。

 

「確かに、連中は拷問にも耐える訓練を受けているだろう。取り押さえない、というユウキの判断は正しい」


(……拷問は前提としているわけか。ここらへんが、風水ギルドとの考えの違いだね)


 結城は、つくづくそう思った。

 基本的に、風水ギルドは平和主義だ。敵対者が出て来て、戦わねばならないのなら、行動は起こす。

 しかし、それも相手の運気を落として、破滅させるというもの。好戦的な作戦とは言えない。


 結城は、これが風水ギルドのあり方だと思っている。

 ギルド・マスターの考え方は、そのギルドの方向性となる。結果的に、風水ギルド・メンバーは、全体的に平和的な者たちが揃っている。


 レラが尋ねる。


「では、どうするんです?」


「尾行しよう」


 結城の提案に、リースは反対した。


「相手はプロだ。素人の尾行など気づかれる」


「いえ、レラなら気づかれることはありませんよ」


 そう断言するには、2つの理由があった。

 1つは、レラが偵察任務に長けていること。尾行もまた、得意な範疇だ。

 もう1つは、レラの運気が依然としてプラス9千台にあることだ。

 これなら、たとえば尾行のスキルがなくとも、気取られる心配はない。運がいいのだから。


 というわけで結城は、尾行役にレラを送り出した。

 結城、セシリー、リースは、いったん退いた。


 セシリーが不思議そうに言う。


「それにしても、魔裂弾の暗殺者は、市場で何をしているのでしょうか?」


 結城も同感だった。


「まさか、リースさんの暗殺を失敗した後で、買い物しているわけではないだろうし」


「意外と、本当に晩御飯の買い物かもですね」


「まぁ、暗殺者だって、飯は食べるだろうし。まさか、そうなのか?」


 リースが呆れた様子で言う。


「そんな訳がないだろ。暗殺に関する何かをするため、市場にいるはずだ。連中は、そういう生き物だ」


 結城はある疑問を抱いた。


「リースさんは、暗殺ギルドに詳しいですね。単に狙われているだけでは、そこまで詳しくはならないのでは?」


 リースは暗殺ギルドの掟も知っていた。一度、受けた依頼は何があろうとも完遂する、ということを。

 結城たちが知らないだけで、広く知られていることなのか。それとも──。


 セシリーがふいに言った。


「暗殺に関係することって、何なんのでしょうか?」


 結城はひとまず、リースへの疑念は棚上げした。

 それから、セシリーに答える。


「毒物を買いに来たとか?」


「または、誰かを暗殺する、とかですか?」


 結城は「あっ」と思った。

 暗殺者の標的が、リースだけとは限らないのだ。

 このロット町に、2人の標的がいたとしても、おかしくはない。

 暗殺者はリースを仕留めるのに失敗し、ひとまずもう一人の標的を襲おうとしている。


(ということは、人込みに紛れて、いまにも暗殺を実行するつもりだろうか)


 結城は決断を迫られた。


「……尾行は中止し、暗殺を阻止する」


 結城はそれだけ告げると、市場を見渡せるところまで戻った。

 暗殺者の標的を探すには、どうするべきか?


 結城が行ったのは、市場にいる全員を、風水鑑定することだった。

 暗殺者に狙われているということは、当然ながら、不運だ。

 すなわち、運気数値は低い。そこで見極める。


 とはいえ、市場を賑わす客たちは何百人といる。

 それらを一斉に風水鑑定したため、結城は激しい頭痛に襲われた。

 さらに視界を埋め尽くす、数百の運気数値。


(これを目視で確認するのは、不可能だ)


 そこで結城は、自身の風水能力に検索を命じた。

 まず、マイナスの運気数値のみを表示させる。

 一気に数が減り、わずか17人となった。

 その中から、マイナス三桁のものを取り出す。


 3人いた。

 この中の一人が、暗殺者の標的であることは間違いない。


 ここからは、実際の暗殺者の現在位置から推測するしかない。

 結城はまず、レラを探した。ギルド・マスターであるため、メンバーのレラならば、すぐに見つけられる。


 続いてレラから、暗殺者を見つける。

 最後に暗殺者の最も近くにいる、マイナス三桁の人物を特定。


「標的にされている者を、見つけた──しかし、間に合うか?」



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