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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
5章 暗殺ギルドとの抗争に入ってみた。
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55話 運気で、暗殺者を見つけ出す。



「それで、リースさん。なぜ、暗殺ギルドに命を狙われているんですか?」


 リースへの〈運気上昇〉スキルは発動済みだ。

 リースの運気数値は、快調に回復している。とくにマイナス数値のときは、運気上昇の速度は速い。


 リースは突き放すように答えた。


「オレが話せばならない理由があるのか?」


「一時的とはいえ、仲間になったわけですし」


 とはいえ、リースが狙われる理由は、確かに知る必要はないのかもしれない。考え直した結城は、謝罪した。


「申し訳ない。立ち入ったことを聞いてしまったようで」


 リースは溜息をついた。


「いや、構わない。実際のところ、たいした理由ではないからな。爵位を巡った詰まらない争いだ」


 爵位は長男が継ぐものだが、男子がいない場合は、ややこしい。長女が継ぐ場合もあれば、叔父の長男が継承することもある。

 リースは爵位に興味はないが、この争いに巻き込まれたようだ。


「リースさんの叔父が、自分の子に爵位を継がせるため、あなたの命を狙っているわけですか」


「実際に命を狙って来るのは、暗殺ギルドだが、依頼したのは叔父上だろうな」


「依頼者が分かっているのなら、叔父さんと話し合ってみたら、どうですかね? まぁ、少しは手荒なことをしてでも」


 結城がそう提案すると、リースは鼻で笑った。


「貴様は、暗殺ギルドのことを知らないようだな」


「これまで縁がなかったもので」


「暗殺ギルドには、掟がある。一度受けた依頼は完遂する、というな。よって依頼者が取り消そうとしても、それは不可能だ」


「なるほど」


「たとえ依頼者が死んでも、な」


「……」


 リースの言葉に、何やら不穏な響きを感じ取った。

 結城は、ある可能性を考えた。

 リースは、叔父が依頼者と確信している。もしかすると、すでに叔父と話し合ったのかもしれない。

 そのとき、叔父の命を取っていたとしても、おかしくはない。


(いや、それだと、リースは指名手配されているかもしれない。風水ギルドの救世主が、官憲に追われていたら、困るな。余計なことは考えないでおこう)


 リースの運気数値は、今やマイナス98まで落ち着いていた。もうじき、プラスに入るだろう。

 リースが問いかけてくる。


「それで、風水ギルド・マスター」


「ユウキと呼んでもらえますか」


「ユウキ。これから、どうするつもりだ? あいにく、オレは暗殺ギルドの拠点などは知らない。唯一の手がかりは、魔裂弾を投げ込んで来た者だけだ」


「魔裂弾? ああ、酒場に投げ込まれた球体ですね。あれは、どこかで売っているものなんですか?」


「魔法使いギルドから、仕入れたものだろうな。暗殺ギルドと魔法使いギルドは、時に取引する関係と聞く」


 結城は呻いた。

 魔法使いギルドとの関係は、友好的とはいえない。以前のように敵対こそしていないが。

 暗殺ギルドを叩くにあたって、出て来て欲しくはない相手だ。味方になることはないだろうから。


「レラ。酒場内に魔裂弾を投げ込んだ犯人だが、顔は見たね?」


 レラはうなずいた。


「見ました」


 リースが冷ややかに口を挟む。


「だが、もう見失ってしまった。追跡は不可能だろう」


 結城は、レラの運気数値を見やる。ケメ町にいたときに、レラには〈開運提供〉スキルで、運気数値プラス1万を与えてある。

 運気数値プラス1万とは、通常では維持できるものではない。そのため、レラの運気数値は現在、プラス9562まで落ちている。

 それでも、依然として、高い運気であることに変わりはない。


「リースさん。風水師には、風水師のやり方があります。外に出ましょう」


 結城、リース、セシリー、レラの4人は、宿から出た。

 当てもなく、町内を歩き出す。先頭に立つのは、レラだ。

 レラが、適当に道を選んでいるのだ。


 リースが苛立たしそうに言う。


「こんなところで、散歩している場合か?」


「いえ、これは散歩ではありません。捜索です」


 市場に入ったときだ。レラが立ち止まり、物陰に隠れた。

 結城たちも倣う。

 レラが一点を指さした。そこには長身の男がいる。


「ユウキ殿。あの男です。おの男が、魔裂弾を投げ込んだ犯人です」


 運気数値プラス9千が、レラを犯人のところまで導いたのだ。



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