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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
4章 勇者パーティに入ったので、風水チートを覚醒させてみた。
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44話 ミノタウロスとの戦い。


 身の丈15メートルはある、牛の頭をした化け物だった。

 ステータスを見るまでもなく、ミノタウロスだろう。〈零〉ダンジョンの主だけのことはある。なかなかに強そうだ。


 ミノタウロスの武器は、両刃の戦斧。持ち主が巨躯だけあって、その戦斧もまた巨大だ。結城などは、かすっただけで即死だろう。


 結城は、〈開運天国〉スキルの残り時間をチェックした。

 4分27秒とある。

 これが0秒になったとき、結城の運気数値は元に戻る。そうすれば、なにが起きてもミノタウロスには勝てないだろう。

 だからこそ、その前に、運気数値が10万の間に、決着を付けねば。


「武器があるといいのだが」


 ミノタウロス相手だ、結城のパンチによるクリティカルヒットだけでは、心もとない。


 結城の呟きに応えるように、視界の端で光るものがあった。見ると、宝箱だ。

 ここは未踏破領域なのだから、もちろん宝箱の宝も手付かずだ。

 宝箱を開けると、ブロードソードが入っていた。結城には、武器のレベルを見極めるスキルはない。

 しかし、〈零〉ダンジョンの最深部にあるのだ。そこらの武器店で購入できる代物ではないだろう。


 さっそく、ブロードソードを装備する。

 セシリーのように剣術のスキルはない。が、いまだけは別だ。10万の運気数値によって、適当に振り回すだけで、最善の動きを成すだろう。


 ミノタウロスが唸りながら、突進してくる。

 ダンジョン全体が揺れるようだ。

 結城めざして、戦斧が振り下ろされる。あまりに速い。

 見てから避けようと思ったら、回避できないだろう。ただし、回避する必要はない。

 当たらないのだから。


 ミノタウロスの戦斧は、結城を外れ、床を抉った。

 結城の脳裏に、あるイメージが浮かんだ。そのイメージに従って、戦斧の柄へと飛び乗る。足場は狭い。 だが、運気が味方するだろう。

 結城は、柄の上を走り出す。ミノタウロス目指して。


 ミノタウロスが、思い切り戦斧を持ち上げた。

 結城の身体が宙に浮かぶ。


「うわぁぁぁ!」


 結城は高く浮いてから、落下した。

 ミノタウロスの脳天へと。ブロードソードを突き出しながら。

 その切っ先が、ミノタウロスの脳天にクリティカルヒットする。

 ミノタウロスが苦しそうに唸って、後退する。


 結城は床に落ち、激しく身体をぶつけた。


「ぐあっ」


 痛みが引くまで転がってから、ようやく立ち上がる。

〈開運天国〉の効果が消えている。スキル発動から、10分経ったのだ。結城のいまの運気数値は、プラス14。


 これでも、〈開運天国〉と並行して〈運気上昇〉を使っていたため、マイナス数値ではなくなっていたのだ。

 視線を上げると、ミノタウロスは息絶えていた。

 ブロードソードの刃は、ミノタウロスの脳にまで達していたようだ。


 結城は脱力した。ひとまず、やることはやった。

 あとは〈運気上昇〉で、やれるところまで運気を上げるだけだ。


(セシリーたちが、無事にここまで辿り着けるといいけど)


 携帯していた食糧と水を摂ってから、結城は横になった。

 ミノタウロスが倒れた今、ここはどこよりも安全だろう。


(疲れたな。スキルを連続して発動したからか?)


 目をつむると、眠りに落ちた。


※※※※ 


 目覚めたとき、少なくとも10時間は寝たことがわかった。

〈開運天国〉スキルが、使えるようになっていたからだ。〈開運天国〉は一度発動すると、次回使えるようになるまで、10時間を要する。


(使えるからといって、意味もなく使わないでおこう)


 とはいえ、すぐにでも〈開運天国〉が使えるのは、気分的に楽ではある。

 現在、結城の運気数値は、プラス2200だ。〈運気上昇〉によって、ここまで引き上げられた。が、ここらで打ち止めのようだ。

 運気数値がプラス4桁。前日なら、これほど頼もしい数値はなかっただろう。しかし、一度でも、10万の運気数値を体験した後だと、4桁でも不足しているように思えてしまう。


(セシリーたちは、まだ到着していないようだ)


 結城は、ミノタウロスの死骸から、ブロードソードを引き抜いた。

 剣術は使えないが、武器が無いよりは良いだろう。

 それから、ダンジョン最深部である、祭壇の間を探索する。


 結城が落下した落とし穴を別にすれば、入り口は一つしかない。その入口にドアはなく、通路がそのまま接続している。

 セシリーたちが来るとするなら、ココからだろう。


(……こっちから、迎えに行くか。その前に──)


 宝箱に戻って、ブロードソードの鞘を取り出した。抜き身で持ち歩いて、事故があっては困る。鞘に刃をおさめ、腰に下げる。

 それから、コースを逆走した。

 運気数値が2200あるので、不意にモンスターの襲撃を受けることは、ないはずだ。


(ミノタウロス・クラスの敵が現れたら、〈開運天国〉スキルを使えばいい)


 5分ほど進むと、前方からなにか聞こえて来た。

 重いものがぶつかり合う音。

 さらに、人声がする。緊迫しているようだ。


(セシリーたちが、戦っているのか!)


 結城はブロードソードを抜き、〈開運天国〉スキルを発動した。


「いま行く!」


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