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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
4章 勇者パーティに入ったので、風水チートを覚醒させてみた。
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43話 開運チート・スキルで、無双する。


 グラコの攻撃は、触手の打撃だ。単調ではあるが、侮りがたい。

 攻撃力が高いため、一撃の破壊力が半端ないためだ。


 防御力に自信のある前衛系でも、数打撃を受けるだけで、戦闘不能となるほどだ。

 しかも触手の動きは速く、複数あるため、どこからでも狙ってくる。

 回避または防御で、手一杯となる。反撃するのもままならない。


 しかし、いまの結城には関係のない話だった。

 結城の防御力はゼロに近い。触手の一撃で即死は確実だが、心配はしていない。

 

 当たらないからだ。


 運気数値が10万とは、そういうものだ。

 どのような災難からも、結城を守る。

 仮に、いま嵐の海に投げ落とされても、勝手に助かるだろう。


 グラコの連続攻撃を、結城は突っ立ったまま、『回避』。

 もちろん、グラコが攻撃を外しているわけだ。が、そう仕向けているのが、結城の高い運気。

 すなわち、〈開運天国〉スキル。

 よって、回避という表現が正しい。


「ど、どうなっているんだ」


 と、クーパーが仰天した様子だ。

 グラコも、モンスターなので話せないが、同じ気持ちだろう。


 結城はハッとした。


(しまった。グラコは、目の前の奴もいれて、まだ6体もいるんだ。こんなところで、遊んでいる場合ではない)


 結城は、普通の歩調で、グラコのもとまで歩み寄る。

 そして渾身のパンチを放った。

 とはいえ、戦闘訓練など受けたことのない結城だ。攻撃力もないに等しい。

 通常なら、グラコにダメージ1も与えられないだろう。

 だが、いまばかりは運気10万のパンチだ。歩くたびに、金貨を拾うレベル。

 クリティカルヒットの100乗が発生。

 グラコは吹き飛び、絶命した。


 この調子で、結城は隣のグラコに近づき、同じ要領で倒した。さらにもう1体、撃破する。

 計3体のグラコを屠ったところで、あとはパーティの仲間に任せられる状態となった。


 窮地の時点では、グラコは7体いた。

 のち、セシリーが1体、結城が3体倒した。さらにセシリーがブランに加勢したことで、ブランが戦っていたグラコも撃退された。

 残りは2体だ。対して、結城の仲間は7人。数的には有利。

 とはいえ、先ほどは1体のグラコにも勝ち目は薄かった。ただし、いまは状況が違うのだ。


 まず、結城の〈開運提供〉スキルによって、運気数値5500のセシリーがいる。

 さらに、ブランたち他のメンバーも、結城の〈運気上昇〉スキルによって、運気数値が上昇中だ。

 これなら、残りのグラコ退治は、彼らに任せて問題ない。


(では、僕はどうするかな?)


〈開運天国〉スキルを発動してから、まだ3分も経っていない。〈開運天国〉の効果が切れるのは、発動から10分後だ。

 すなわち、あと7分で、結城の運気は元に戻る。

 それからは、10時間、〈開運天国〉を使えなくなる。

 ちなみに〈運気上昇〉スキルの効果も、あるていど運気を上げると、打ち止めになる。つまり、〈運気上昇〉スキルでは、運気数値を10万まで上げるのは不可能。


(ということで、この運気数値10万。有効に活用しなければ)


 決断した結城は、単身で移動を開始。ダンジョンの先へと進む。

 この先、グラコより強力なモンスターが現れることは、間違いない。

 その敵が近くにいるのなら、運気数値が10万のうちに、倒しておきたい。

 

 2分ほど、進む。ある程度の時点で、引き返さねばならない。元の運気数値に戻ってから、このダンジョンをさ迷うのは、考えものだ。


(もう少し、行ってみようか)


 刹那、結城の足元で床がなくなった。

 落とし穴だ。


(バカな。僕は、途轍もない開運状態だというのに?)


 内臓が持ち上がる感覚。落下しながら、結城はさらに考えた。


(信じがたいことだが、これが僕にとっての、幸運ということなのか)


 運気数値が10万なのに、不運が起こることは考え難い。

 起こるとしたら、それは幸運だけだ。

 つまり、落とし穴にやられ、落ちる。これが、結城にとってプラスとなる事態なのだ。


(どこに、落ちているのか。この高さから、硬いところに落ちたら、即死だけどなぁ)


 その心配は、杞憂に終わった。緩衝材のようなところに、落ちたためだ。

 衝撃はあったが、ダメージは負わなかった。少し転がってから、立ち上がる。

 そこは広い空間だった。周囲の壁から、淡い光が放たれている。おかげで、暗くてまわりが見えない、という事態は避けられた。


 20メートルほど先に、祭壇らしきものがある。


「まさか、〈零〉ダンジョンのゴールなのか?」


 神々が造ったダンジョンの場合、最深部には、祭壇があると聞く。そのダンジョンを作った神の祭壇だ。


(まいったな。これは、運が良すぎだ)


 謎の落とし穴で、一気にショートカットして、ゴールに辿り着いてしまったのだ。ゲームで言えば、裏技を使ったようなもの。

 喜んでも良さそうな場面ではある、が。


(完全に、パーティ・メンバーと離れ離れになってしまったぞ)


 セシリーやブランたちが、結城と同じショートカットを使えるとは思えない。

 いまごろ、結城が落ちた『落とし穴』は、元に戻っているだろう。そして、その上に立っても、もう落とし穴が開くことはないだろう。

 仮に開いたとしても、落下する先は、ココではないだろう。


 結城だけが、この場に来ることができた。

 それが運気数値10万の力なのだ。


 唐突に、祭壇の後ろの壁が開き、巨大な影が現れた。


(このダンジョンのボスの、ご登場か)




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