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風水鑑定チートで、開運無双!~風水ギルドが王国制覇するまで~  作者: 狭間コヤタ
4章 勇者パーティに入ったので、風水チートを覚醒させてみた。
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42話 絶体絶命の危機に、風水チート・スキルが覚醒する。

 

 結城たち一行は、〈零〉ダンジョン地下50階層にて──異形のモンスター・グラコの急襲を受け、絶体絶命の危機に立たされていた。

 グラコ1体でも勝ち目は薄かったのに、それが7体もいる。

 生き残れる可能性は、ゼロだ。


 その証拠に、結城自身の運気も、いまやマイナス3000を超えようとしている。

 転生して初めて、結城は絶望を感じた。


(風水の力をもってしても、異形のモンスターには勝てないのか)


 セシリーを見ると、いまにも泣きそうだ。

 が、気力で踏みとどまり、剣を構えている。

 結城は思う。

 ここで彼女を死なせるわけにはいかない。

 地上では、ウェンディたちも待っているのだ。


(やはり、僕はここでは死ねないな。しかし、どうすれば──)


 風水のさらなる力が欲しいところだ。そこで、ふと気づく。


(僕は一度も、経験値を使って、レベルを上げていないような)


 経験値が溜まれば、レベルが上がり、新たなスキルを学べるはずだ。

 しかし、結城は仕事柄、新たなスキルの獲得など必要はなかった。少なくとも、この瞬間までは。


「セシリー。レベルUPというのは、勝手に行われるものではないのか?」


「え、それは自ら行うものですが」


「どこで?」


「ステータス画面で行います」


(間に合うか──)


 ステータス画面を開くのは、久しぶりだ。

 結城の経験値は、風水鑑定するごとに溜まっている。そのため、攻撃力、防御力などには影響を与えない。それで構わない。

 いま必要なのは、新たな風水スキルなのだから。

 溜まっていた経験値をレベルUPにつぎ込む。


 このとき、7体のグラコが、一斉に襲いかかってきた。

 対するパーティ・メンバーは8人。しかし結城は戦力にならないので、1人ずつグラコと戦うことになる。

 全員がかりでも、1体のグラコさえ倒せなかったのに、だ。


(みんなが殺されるまで、30秒もあるまい。間に合ってくれ──)


 結城の視界に、『レベルUPによって取得が可能となったスキルを表示しますか?』と出た。


 結城は頭の中で『はい』と答える。

 とたん、数えきれないスキルが、表示された。

 ただし、表示された全てのスキルが使えるようになるわけではない。

 レベルUPのために消費した経験値の分だけ、スキルも会得できるのだ。

 さらに、強力なスキルほど、たくさんの経験値を必要とする。


 結城が『風水師』であるため、リストのスキルはどれも風水関連だった。

 その中から、強力なスキルを3つ、結城は選んだ。


『スキルを獲得しました』


 という表示が出たのと、セシリーが倒れたのは同時だった。


「セシリー!」


 セシリーは片腕を負傷し、剣を手放してしまっていた。

 セシリーが相対しているグラコが、とどめを刺そうと襲いかかる。


「スキル発動!」


 新しいスキルの一つ、〈開運提供〉を発動した。

 とたん、セシリーの運気がマイナス4500から、プラス5500に変わる。


〈開運提供〉スキルとは、任意の人物に、運気数値プラス10000を与えるものだ。

 よって、セシリーの運気が一気に、プラス5500となった。

 ただし、このスキル、1日に1人しか使えない。


 セシリーは、グラコの攻撃を紙一重で回避し続ける。

 高い運気のおかげだ。

 結城は長剣を取り上げ、セシリーに放った。

 受け取ったセシリーが、長剣を一閃させる。


 幸運なことに──もちろん、セシリーの運気のおかげだ──その一撃は、グラコの弱点に当たった。

 クリティカルヒットによって、グラコは倒れる。


 結城はすでに、次のスキルを発動していた。


〈運気上昇〉スキルを。


 これは、パーティ・メンバー全員の運気を上げる、というもの。

 運気を上げる人数に、制限がない。

 ただ、その分、運気が上がるのが、遅い。

〈開運提供〉スキルの場合は、一瞬で、プラス運気1万だった。一方、〈運気上昇〉スキルの場合は、運気を1千上げるのにも、5分はかかるだろう。


「セシリー。ブランに加勢してくれ」


 セシリーによって、1体のグラコが死んだ。

 残りは、6体だ。

 まずはパーティ・リーダーのブランを救うことだ。


 同時に、結城も動いた。

〈運気上昇〉で、パーティ・メンバーの運気を上げつつ、最後のスキルを発動。


〈開運天国〉スキルを。


 このスキルは、効果の対象が結城のみ。つまり、自分で自分に使うタイプのスキルなのだ。

 その内容は、結城自身の運気を、100000にする、というもの。


〈開運提供〉スキルが1万なのに対し、こちらの〈開運天国〉スキルは、一気に10万だ。圧倒的な数値である。

 ただし、運気数値10万が続くのは、10分だけ。

 10分経過すると、元の運気数値に戻る。

 しかし、10分あれば充分だ。


 結城は、魔法使いクーパーに加勢した。いちばん近くにいたのが、クーパーだったからだ。

 クーパーが怒鳴る。


「非戦闘員は、引っ込んでいろ!」


 結城は首を横に振った。


「いや、いまの僕は戦闘員だ」


 運気数値が10万だ。

 ただ敵を殴るだけで、それはクリティカルヒットになるだろう。

 その領域には、戦闘力など関係なくなる。

 結城はグラコを前にして、言った。


「よし、やるか」



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