相互理解?
ひゃっはー!
エルフ美少女ゲットだぜ!
俺はエルフ美少女の全身を包み込む。
重要な胸回りは完全防護(他意はない)。首を守るため立てた襟のような形状で囲み、籠手やすね当て、ブーツ意外の部分はレース地のような薄い光沢のある布地で覆う。腰周りはいくつもの棒を組み合わせスカートのような形状を成し動きを阻害しないように工夫してある。
うん、我ながら中々の出来だ。何しろ時間だけはたっぷりとあったからね。
いくつかパターンを考えていたけども、この娘はいわゆる姫騎士タイプだからこのハーフプレートアーマー風を選んだ。
愛らしさを追加したスカートアーマー、ちょっとだけ胸を強調した感じの胸部装甲、そこから流れるように繋がる首もとの襟部分など、女性らしさをふんだんに盛り込んだ仕上がりとなっております。
「なっ!何!?」
『驚いているようだね、クックック』
「ひっ!!」
『ああ、安心して欲しい。ちょっと悪ふざけが過ぎた。俺はこの鎧だ。名前は…新田昇司っていうんだけど、前世だしなぁ…君が好きに呼んでくれていいよ』
「えっと、鎧が喋ってるの、ですか?」
『ああ、敬語とかいらないよ。これから長い付き合いになるんだし』
「そうですか?じゃあ遠慮なく。私はエリスティアよ」
『おお、凄い順応性』
「今は驚いている余裕なんてないの。私達は滅亡の危機に瀕してるんだから」
『そうだったね。兵士の皆さんが言ってるのを聞いたよ』
「だったら話が早い。あなたの能力を教えて」
『いいとも、ご主人様。でも呼び名を決めてくれるのが先じゃない?』
「そうね…あなたは今日からモレ。いえ、モレロよ。私の亡き親友の名前から貰ったの。あなたは口調が男みたいだからモレの男性名だけど」
『お、おう。今日から俺はモレロだ。よろしくな』
危なく[漏れろ]とか嫌だなぁとか言うとこだったぜ。
亡き親友の名か、結構重いな。
『それで俺の能力なんだが…』
俺は調べた自分の能力をエリスティアに伝えた。
「凄い!そんな能力があるなんて。正直、いくら伝説の武具といっても軍相手じゃ分が悪いって思ってたけど、使い方次第で討てるかも知れないよ!」
おお、喜んでる喜んでる。しかし、あれを言わないわけにはいかないよな、やっぱ。
『ただな、一点デメリットがあるんだ。死ぬまで脱げないと言うな…』
「え"!? そ、それじゃトイレとかは…」
『このままだな』
「そんな…」
『諦めろ。形は自由自在だから…その、しやすいように変形するよ』
「いやぁあああ」