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無機物転生 男は絶対お断り 呪いの鎧は美少女を好む  作者: 四方山林
巻き込まれた戦争
13/27

ターレス川防衛戦 前編

 助けた兵士達の後押しもあって強襲作戦はエリオットに認められた。

 全滅の可能性すらある大戦(おおいくさ)を前に、身内を庇うかのような言動が難しかったこともあるが。



 俺達は今、密かに渡河を済ませ連合軍の後方300メートル程にある林の中に身を潜めている。


「結構頻繁に斥候が出ているわね」


『そうだな。情報の重要性を理解してるんだろ。しかし、気になるんだよなぁ』


「何が?」


『出ていく斥候の数と戻ってくる斥候の数に差がある。原因は分からんけど』


「ふぅん?何処かに連絡してるのかな?本国に報告しないといけないだろうし」


『まぁ、そうだよな』


 今一つ釈然としないが先ずは目の前の事から片付けないといかん。

 作戦では連合軍が渡河を始めた段階で後方から本陣を強襲。大将首をとって離脱する。

 作戦とも言えないお粗末なもんだが他に手がない。


 気を付けなければいけないのはエリスティアの体力的な限界だ。武器の問題もある。

 俺と違って武器は消耗品だからね。切れば鈍るし折れもする。

 短期決戦に努めないと数で押し込まれる危険性は大きい。


「動き始めた」


『まだだ。前衛部隊が川の中頃まで進むまで待つんだ』


「あ、戦闘が始まったよ!?」


『はあ?』


 見れば先頭の3割程が川に入ったところで矢の応酬が始まっている。


『待ちきれなかったのか…ちょっと錬度が低すぎないか?』


 俺はため息を吐きたくなる。

 前衛部隊が本陣に戻る速度を遅れさせ本陣を手薄にするのが作戦成功の根幹だと言うのに…


「そんなこと言ってる場合じゃない。もう行く!」


『待て!こうなっちゃ仕方ない。本格的な射撃戦になるまで待つんだ。大して時間はかからない』


 俺は逸るエリスティアを宥めて機を窺った。



『そろそろだな』


 エリスティアは返事もせず走り出す。

 ちょっと焦り過ぎだ。大丈夫だろうか?


 連合軍はまだこちらに気付いていない。

 まさか一人で突っ込んで来る人間がいるとは思ってもみないんだろう。


 本陣まであと20メートル程まで近づいた頃、遂に発見された。


 敵陣は3列横陣。

 川に沿って軍を展開しており、1列と2列が交代で戦線を形成している。

 本陣は予備兵力の3列目後方に位置し、護衛含めておよそ6百。

 騎兵は川と相性が悪いからか本陣の右に1千が纏めて配置されているようだ。

 逃げる時はこいつらが一番怖い。


 俺達は散発的に飛んで来る矢を掻い潜り、反転する暇を与えず本陣に食らい付いた。

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