プロローグ
俺は富士山の噴火に巻き込まれ噴石の直撃を受けて死んだ。
いや、死んだ筈だった。
『ここは何処だ?』
意識が戻ったのは薄暗い部屋。
石造りの四角い部屋だ。
とても人が住むようには見えない。
『あんな傷で助かる筈はないんだが…』
俺は胸に空いた大穴を思い出す。
不思議と痛みは感じなかった。
ただ、急激に寒くなってそのまま意識がなくなった。
『もしかして生まれ変わった?死後の世界って線もあり得るか…』
とりあえず情報を集めないと意味わからん。
俺は身動ぎしようとしてピクリとも動けないことに気付いた。
『マジかよ…』
やっぱ無事な訳ないか。
そうすると誰かの助けが必要なんだけど、どう見ても誰もいない。
俺は視線をあちこちに飛ばし少しでも状況を確認しようと辺りを見回す。
まず目についたのは足下?にあったTHE宝箱的何か。
薄暗いせいでよく見えないが、細かい装飾が施されていてかなり豪華だ。
その他にも剣やら槍やら人形?なんかも置いてある。
これから連想するものといえば…
『宝物庫か?』
じゃあ俺って何?
自身の身体を見下ろす。
そういや俺って立ってるな。
『うん、体的なものはある。手らしきもの足らしきものもあるな』
でも鎧みたいなのを来ている。
いや、現実逃避はよそう。
鎧が俺で俺は鎧。
『鎧に生まれ変わるってありなのかよ!!!』
俺は絶叫した。