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ライ麦畑の光  作者: 謎猫
1/2

いつも見える、あの光

えっと・・・


企画提出作品ですが

間に合わないかもっ!?

と焦っていたので誤字脱字多いかもです(泣)


その際は、こっそり教えて頂けると助かります(=><=)

今は農園を離れ都会で暮らしているが

長期休暇の時期は両親の顔を見に実家へ帰る。


「前回の休暇は旅行に出たから2年ぶりかな~」


元々、何も無ければ年に1度しか帰る事のない実家。

だが、去年は休暇を利用して旅行をした為

2年ぶりの帰省となる。


「ただいま~」


やっぱり、幾つになっても家というのは心地良いかも。


直ぐに、自分の使っていた部屋へ荷物を運び

昼間は農園の作業を手伝い、夕飯はファーストフードではなく

ちゃんと火を使って調理したものがテーブルに並んだ。


話す事はいつも同じ。

都会での暮らしはどうだとか、ご飯は作っているのかとか

多分、どこでも会話なんて同じなのだと想う。


2年ぶりともなれば尚更・・・?

と言う程でもない。

やっぱり、話す事はいつも同じだった。


「明日も作業があるのでしょ?」


長期休暇で帰省したと言っても、親が働いているのに

自分だけ家でのんびりもしていられないので

一応、こちらに居る間は家の手伝いをする事にしている。


「それじゃ、今日はもう寝るね」


ダイニングを後にして、寝支度を済ませ部屋へ戻った。

今夜は月明かりも出ていて、窓から見える風景は

目線が高くなったものの今も昔も変わらない。


「あっ」


一瞬ではあるが時折見える懐かしい光。

月明かりより青白い綺麗な光。


「楽しそう」


その光を見ていると、なんだか楽しそうに感じる。

今日は2つの光が近付いたり離れたりして

まるで子犬がじゃれ合って居るみたい。


「あの光・・・」


この地域では普通の事なのだけど

家から四方数キロメートルはライ麦畑で

隣の家なんて丘の向こうになる。


「結局・・・」


その光は、毎日観られるものでは無いけれど

ライ麦の背丈が20センチを越えた頃から見え始め

私の身長も超えて収穫時期になるまでの間なら

正確では無いけれど週に4回くらいは見えていたと想う。


「う~ん」


窓の外を見つめながら昔の事を想い出す・・・


初めてその光を見た時の事は憶えて居ないけど

いつだったか、何の疑いも無く光の事を

父に聞いた事があった。


「ねぇ、パパ?」

「なんだい?」

「畑に、いくつかの光が見えるの」

「そうなのかい? キツネかな?」

「さっきも見えてたの」

「へぇ? どこにだい?」


そう言って、部屋の灯りは付けずに

父と窓から光の見える方を眺めた。


「ほら、あの光」

「うん? どこだい?」

「丘の手前」

「手前?」

「あっ 4つ」

「うん?? 何処にも光は見えないが?」


何度、光の見える方を教えても父には見えない様で

その日は、もう遅いから寝なさいと言われた。


多分、子供の目は良いから月明かりが小動物の目に

反射したのが見えているのだろうと想ったのかも知れない。


「でも・・・」


また数日して、この間の様に遠くの丘ではなく

比較的近い距離に、その光は表れた。


「ねぇ~ パパ!」

「うん? また動物かい?」

「この間よりも近い所に見えるの」

「へぇ、どこだい?」


その日も、前と同じく部屋の灯りは付けずに窓から

光の見える方を示した。


「向こう 前より近い場所に」

「うん? 丘のずっと手前かい?」

「そう、丘を少し下った所」

「えぇ? 何も見えないが?」


その夜も、父には光が見つけられず

寝なさいと言われたのだが・・・


それから、数日は光は現れず

天気の悪い日が1週間程続いた。


「そう言えば・・・」


天気の悪い日も過ぎて、良く晴れた夜の空。

その日は、月明かりは全く無く

星が綺麗に見える夜だった。


「パパ」

「うん? また光かい?」

「そうなの 沢山♪」

「えっ?」


あの時は、今まで見た中で一番数も多く近くに

その光が現れていたので、この数と距離でなら

単純に父にも見つけられるだろうと想い嬉しかった。


「ほら、丘の上からずっと」

「うん?」

「あと、前よりもっと近くに沢山」

「お、おい・・・」

「あとね、直ぐ先にも3つくらい」

「や、やめなさい!」

「えっ?」

「いいから! 見るのを止めなさい!」


急に、父の口調が変わったので

自分が何か悪い事をしたのかと想い泣いてしまった。


父は、私を抱きかかえたかと想うと

そのまま父と母の寝る寝室へと連れて行かれ

その夜は、自分の部屋ではなく両親の部屋で寝た。


「あれって・・・」


その日以来、父には光を見ないようにと言われたのだが

私は見るのを止めなかった。

と言っても、元々見ようと想ってみていた訳でもないので

ごく自然に、月を見る程度に、星を見る程度に

その光も眺める程度にしか見なかった。


「今も畑に光が見えると言ったら・・・」


多分、父はあの時の様に見るのを止めなさいと

言うのだと想う。


「あの光の正体・・・」


あの頃は、何も気にならなかった光の正体。

ただ、距離や数に関係なく父には見えない光・・・

もしかしたら、私にしか見えない光なのかもしれない。


「そう言えば、机の中に・・・」


ふと、机の中に使っていない双眼鏡を仕舞っているのを想い出し

引き出しを開け取り出した。


「えっと・・・ レンズは大丈夫そう」


少しレンズの表面が曇っていたが、布で軽く拭くと

元の透き通った緑色の独特なレンズ色を取り戻した。


「あの光は・・・?」


今まで、近くで見たと言っても距離にして50~100mの距離はあり

本当に光の輪郭や発光の中心部を見た事は無かった。


「あれ? 何処だろ・・・?」


意外と倍率の高い双眼鏡のせいか

目標物をレンズ内に納める事が出来ず苦戦している。


「難しいかも・・・」


それに、その光は動き回るので余計に捉えるのが難しい。


「あぁ・・・ 無理かも・・・」


双眼鏡で光の正体を確認するのを諦め・・・

着替えてライトとカメラを持ち出し外へ出た。


「畑は大丈夫そう」


畑に足を踏み入れると、土は程良く固まっており

歩くのには全く支障が無かった。


「あとは・・・ とりあえず丘の方を目指して」


いつも光が見えていたのは丘を少し下った付近なので

足元の感覚を頼りに丘の方を目指して歩いた。


「それにしても・・・ 麦の穂が顔に(困)」


まだ収穫期は先なので今以上に伸びるのだけれど

今は丁度・・・

私の顔の位置が穂の位置で、とても歩きにくい状態。


「ガサガサする・・・(泣)」


それでも、腕で顔を守りながら緩やかに畑を昇っていくと

月明かりで照らされた家を確認する事が出来た。


「光が見えるのは、ここら辺かな?」


家を出てから、丘の中腹に来るまでの間

先程まで見えていた光には出逢わなかった。


「少し待ってみようかな?」


その場に立ち、静かに辺りを見渡していると

時折、動物の鳴き声が聞こえた。


「オオカミ!?」


その鳴き声は短く、聞き慣れない私には

何の動物なのか見当も付かなかった。


「って、オオカミは生息しないかな・・・」


とりあえず、オオカミに襲われる心配は無さそうなので

その後も、しばらく待ってみた。


「うん?」


その場に立ち尽くして10分と少しが過ぎた頃

視界の後ろ側から自分を照らす光を感じた。


「後ろ?」


物音を立てずに、ゆっくりと後ろを向くと

少し離れた所に穂の隙間からいつもの光が見えた。


「光だ」


少し離れた距離と言っても、今までで一番近い距離。

20mくらいの距離だと想う。


「近い」


その光は、家から見たときは分からなかったけれど

近くで見ると、畑を移動している訳ではなく

その場で上下に動いていた。


「えっ?」


そもそも、今でライ麦は私の身長と同じくらい・・・

あの光は、穂よりも2mくらいの位置まで上がっている。


「・・・一体何なの?」


その光自体には棒やワイヤーらしい物は何も付いていない。

ただ上へ下へと動いて、少しすると場所を移動して

また上下を繰り返す。


「近付いてきた・・・」


そのまま息を潜めながら見ていると

丁度、自分の居る方向に移動してきた。


「!?」


手を伸ばせば届きそうな距離・・・

光が下へ降りてきた時なら、手を伸ばせば2m程の距離。


「(うそ!?)」


その距離で見えた光の正体・・・

それは、青白い光の中に同色の


「動物の首!? 馬?」


ふと、周りを見渡してみると目の前に光の他にも

4つ程の光が所々に見えた。


その中から、近くの光をよく見てみると

同じく動物の首らしい輪郭が青白く見えた。


「あれは、キツネとシカ?」


どうしてなのか、取り乱す様な驚きや恐怖は無く

手に持っていたカメラの存在を想い出し静かに撮影を始めた。

もしかすると、冷静で居られたのは

小さな頃から見慣れていた光だった為なのかもしれない。


「あれは、牛みたいな・・・」


録画を始めてから時間にして5分程度。

その日は、全部で6つの光が現れ次第に数を減らし

15分が過ぎた頃には、全て消えてしまった。


「もう、みんな居なくなった???」


光が消えた途端、徐々に足が震えだし

その後、急に首元へ気持ち悪さも覚え

そのまま、何にも目をくれず穂が顔へ当たる痛みも気にせず

家へと畑を駆け下り急いで部屋まで戻った。


「はぁ・・・(疲)」


部屋に着き、灯りの全てを点け

窓の鍵もカーテンも閉め布団に包まり気持ちが落ち着く頃・・・

持って行ったハズのカメラが無い事に気付いた。


「えぇ・・・」


どうやら、畑の何処かにカメラを落としてしまったらしい。

けど、今からは取りに行きたくない・・・


ので、明日の昼間にでも土に残った自分の足跡を辿って

カメラを回収する事にして、今日は寝る事にした。


「灯りは・・・ 点けたままにしよう(汗)」


続きます♪

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