〜渋谷異能力大戦争〜
架空の都市.シブヤを中心に巻き起こる大きな戦争。
本当の家族を。真実の愛というものを知らぬ孤独な異能力者によって作られた1つの正義組織。
〘特殊異能戦闘武装組織 荒覇吐〙
殺戮と死を中心に回る悪の首謀者。強力な異能を中心に大量の強兵士を束ねる1つの殺戮組織。
〘殺戮異能武装犯罪組織 死の白鴉〙
政府に属する最強峰の異能力者が集まる政府機関。正義を中心に悪を破滅する1つの政府組織。
〘特殊異能政府機関組織 蒼き燕〙
全員が異能力者で作られた海外最強の組織。己の感情を中心に全てを手にする1つの欧米組織。
〘欧米特殊自己異能組織 Blood Rose〙
4つの異能組織を中心に巻き起こる奇妙な大戦争。
勝つのは正義か悪か。
今宵始マル怪奇譚。
咲シ華ハ孤独ナリテ。
他民ヲ殺ス事勿レ。
夜明ケニ始マル大事件。
犯罪者の僕は。人殺しの僕は。あの人のおかげで善人になれた。人を救う人間。憧れていた正義に。死を目の前に人を救う。これが仕事。孤独な人間によって作られた集団。
死ぬは当然 死を巡りて生き延びる。
これは前触れ 真はその手に。
今宵まじまる怪奇譚。
希望し者は死と並び 思いに叫ぶ異能戦争。
〘特殊異能戦闘武装組織 荒覇吐〙
〘殺人異能武装犯罪組織 死の白鴉〙
〘特殊異能政府機関組織 蒼き燕〙
〘欧米特殊自己異能組織 Blood Rose〙
4つの組織によって作り出される大きな戦争。
死するはどの組織か。希望する物を手に入れるのはどの組織か。
シブヤを中心とする戦争が
今。幕を開けた
〜目覚メノ蛍ハ明日ノ星ニ 壱〜
6月13日 金曜日。週末だからなのか、老若男女、大勢が「外の世界」を行き来する。シブヤの貧民街、いわゆるスラム街と呼ばれる活気のない暗い場所。更に奥の路地裏。ここが僕の育った場所。
外の人間は皆ココを、「鼠の寝床」と呼ぶ。そこらに腐敗しきった死体が転がり、また男は血を流しながら殴り合い、また猫は腐った魚の取り合いをする。日々怪我人や、死人がでる場所。それが鼠の寝床であり、僕の居場所。
僕には親と呼べるものがない。それどころか家族もいない。産まれてすぐ、僕は捨てられた。黒いビニール袋に入れられ、口にガムテープを貼られ声の出ないようにされたに加え、痣や傷だらけの姿はまるで、赤子ではなかったと。僕を拾った人は言った。産まれてから約13年間、僕は満足のいく食事をせず、運動も出来ず。ある程度の字や漢字は読めるものの、勉強もしたことがない。
皆疑問に思っただろう。赤子が貧民街の路地裏で、死体が転がるような場所で17年間、満足な食事もせず、生きて入れるわけがない。その通りだ。だか、僕は現に生きている。それはきっと、「能力」のせいだろう。
この世界には、「自身の名前の意味や、漢字から連想できるものを、異形の姿と化し、能力として手に入る」という話が世界でほとんどの場所にある。
信じられないが、現に僕はその能力者だ。
僕の名前は、八坂。「八坂 虎大狼」
この名前は僕を拾ってくれた人が付けてくれた。意味は。虎のように強く、大きく育ち、群れを束ねる狼の長のように人の先頭にたって欲しいからと。そして僕の能力は。大きな黒い虎と、群れを束ねる白銀の大きな狼になれる力。コレが僕の能力。僕には似合わないほどいい名前と、こんな僕が選ばれた能力者。
貧民街ではほとんどの人がこのことは知っている。
少なくとも僕は今の暮らしは嫌いではない。
いずれ強くなって、自分の本当の親とあって、そして、
なぜ自分を捨てたのかを聞く。そして答えを聞いたあと、一発殴って、自分の名前で。自分の異能力で死ぬ。
僕の人生のシナリオのエピローグはいつなのか。
こんなことを考えている今の自分はまだ可愛いだろう。
このあと起きる。真の厄災。自分を。仲間を襲う本当の闇を。
この時の僕はまだ知らない。
―――僕の長く短い人生は
今始まりの幕を開けた―――