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第1話  作者: 桂香
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彼との出会い

 ーあなたは会ったことの無い人を好きになったことがありますか?ー


「またのご来店をお待ちしております。」優しく微笑みながら私たちを見送る携帯ショップの定員さんに微笑み返しながら私は携帯ショップを後にした。

そう、私は念願のスマホデビューを果たしたのだ。まだ指紋1つ付いていない真新しいスマホを握りしめる。スマホケースはどのようなのにしようかと心を弾ませながらその日は家に帰りついた。SNSなどのアプリをインストールしてはひたすらスマホを眺めていた。私はこれから始まろうとしている高校生活が不安で仕方なかった。それゆえ、いわゆるリア垢と呼ばれるものは作らなかった。今思えばリア垢ぐらい作れば良かったのかもしれない…


スマホの使い方にも慣れてきた頃、私は1人の男性と知り合った。SNSでメッセージを送ってきてくれたのだ。それからは毎日のように連絡を取り合った。通話もするようになった。もちろん会ったことは無い。しかし、優しくて、でも時に大胆、年上で私が落ち込んでいる時にはいつも笑わせようと必死になってくれる。そんな彼に私はいつしか惹かれていた。


彼と通話していたある日、彼には何かいつもよりちょっと落ち着きが無かった。なんだろうと不思議に思っていると、

「ほのか…」

急に真剣な声で名前を呼ばれ何だかドキッとしてしまった。

「なっ…なんですか?」

数秒の沈黙の後彼が口を開いた

「好きです。俺と付き合ってください。」

私はとても嬉しかった。

「わっ、私で良いんですか?」

それを聞くと彼はクスッと笑って「ほのかが良いんだ。」と少し照れたように言った。

それは私が人生で初めて彼氏ができた瞬間だった。

凄く凄く嬉しくて彼がいれば何でも出来るようなそんな気分だった。私は今世界で1番幸せだ。そう思った。


けど幸せな時間はそう長くは続かなかった。

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