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剥がれ落つ人魚の鱗

 (かんぬき)が外され、扉の開く音がする。

「一号、仕事だ」

 微睡みのさなか、不快な声が水面を揺らしていた。浮上する途中の半端な位置で彷徨う意識では、覚醒しようとしている。でも、どうしても瞼が重くて叶わない。

 俺を抱きかかえるようにして水に揺蕩っていた白が体を起こし、尾鰭を脚へと変化(へんげ)させて、出ていくのが分かる。

 行くな。行ったら駄目だ。

 心の中ではそう叫ぶのに、腕を伸ばしているつもりなのに、身体はちっとも思い通りに動かない。

「行ってくるよ、葉菊」

 穏やかな声は俺に語りかけ、足音が遠くなっていく。

 白。行くな。行かないで。

 声は形にならず、気配が掻き消えて、そして――


「……ッ」

 目を覚まし、上体を勢いよく起こす。

 陽はもうだいぶ高く、冬とはいえ穏やかな光が()し込んできている。

 だが、そこに白の姿はない。いつもなら、これぐらいの時間になればとっくに戻ってきているのに。

 周囲を見回しても、聞き耳を立てても、それらしきものは感じられない。不在を証明する結果になるだけだった。

 ゆっくりと水から出て、置いてあった手拭いで水滴を払い、着物に袖を通した。中にいる分には適温だが、露出させれば水に包まれていた肌はあっという間に冷える。

 あの日以降、『主様』からの呼び出しはないらしく、俺はただ離れに閉じ込められる生活が続いていた。おかげで、極端に妖力が制限されているこの場所であっても、痛めつけられた痣や擦り傷は消えている。

 しかし白は、その間も休みなしで働かされているらしい。顔を合わせられるのは、明け方になってから夜を迎えるまでのわずかな時間だった。それも、会話はあまりできていない。体力を使い切ってしまっているのか、仕事をさせられていない時間帯のほとんどを、彼は水の中で眠って過ごしているからだ。

 少し前までは、疲れた様相をしつつも、俺と会話するのを優先してくれていた。俺はいいから休んでいてくれ、とこちらから頼んでも聞かないぐらいに。最近はそれではいよいよ身体が持たなくなってきたのであろう。

 俺としても、白が少しでも休むことができるのなら、それでよかった。少しの寂しさなんて、彼の無事には代えられない。

 働けど働けど、減ることのない仕事量。日を追って(やつ)れていく白を見ながらも、俺は何もできなかった。

 どうすれば白をこの地獄から解放できるのか。檻の中に置いてきた妹を救出する方法は。いつ呼び出しが来るか分からず怯える日々の中、空いた時間はそればかりを考えていた。

 でも今日は、いつもの思考に沈むことさえ躊躇われるほど、不安が襲い掛かる。いつもいるはずの白がいない。ただの不在ならまだしも、俺は覚えている。重い扉が開かれ、飼い主たちが迎えに来たこと。白は彼らについていく形で出ていったことを。

「白……」

 小さく呼ぶも、受け止めたのは冷え切った空気だけだった。

 格子窓の向こうを見遣ると、薄青が高く高く広がっている。

 今の季節が『冬』であるということや、寒さが失せて暖かさが訪れれば『春』になるのだということは、白が教えてくれた。

 ――おまえは寒さに弱いせいで冬が苦手だろうから、春が来れば、もう少しは過ごしやすくなる。冬は耐え忍ぶ季節だ。生き抜くのだよ。

 俺はそれには小さく頷いたけれど、今では白のほうが消え入りそうなのではないかと不安になってくる。

 しろい、しろい、さかな。

 光に溶けそうで。水に混じり合いそうで。ふと唐突に俺の前から姿を消すのではないかと、恐ろしくてたまらない。

 どうして、白が出ていくのを止められなかったのだろう。

 飼い主によって刻まれた刺青が背にある限り、たとえ反抗しようとも白が連れていかれたことは分かっている。そして、俺が反抗することで、白がより辛い目に遭うかもしれないことも。

 だってきっと、逆の立場に置かれたときには、同じことだろうから。

 それでも選択肢として『反抗しない』が浮かばないのは、白自身が諦めているようには見えないから。自分のことはどうだか分からないが、少なくとも俺のことは。

 だから俺は、白のことを諦めない。

 ぎゅっと拳を握りしめる。

 明かり取りが目的で(しつらえ)えられたのだろう格子窓からの陽光が、室内を照らしている。俺からするとだいぶ高い位置にあるが、届かないほどではない。

 手を伸ばし、格子を掴んだ。そのまま何とか体を持ち上げる。隙間から顔を覗かせると、あまり普段は目にすることのない、飼い主の屋敷側の景色が見えた。

 縁側から外を眺めたことはあるが、望めるのは空と高い塀だけだ。結界のようなものが張り巡らされている、と白から聞いている。敷地外に出ようと試みようものなら、俺たち妖怪は焼け焦げて大火傷を負うだろう。

 一方、こちら側には、飼い主の住まいである大きな屋敷と、庭が見える。そして、俺が元々閉じ込められていた、今もなお妹や何人かの仲間たちが閉じ込められたままである、蔵。

 『主様』に弄ばれた日、離れから連れ出された際に見たのと同じ景色だ。俺と同じように白が屋敷へと連れていかれ仕事をさせられているのならば、きっといくつもある部屋のどこかにいるはず。

 けれど、目隠しのように下ろされた簾のせいで、彼の姿を見つけることはできなかった。

 そのうち腕が悲鳴を上げたので、掴んでいた手を放してそっと着地する。虚しさだけが募った。

 この建物は、妖気を制限し、または遮断する。それはつまり、外で発せられるものにも適用されるようだ。白が一歩外に出てしまえば、俺は彼の穏やかな妖気を感じ取ることはできない。そも、制限されているせいで、傍にいるときだって微弱にしか分からないのだから。

 従者たちが日に一度運んでくる粗末な食事は、すでに上がり框に放置されている。檻の中での日々を考えたら、食事があるだけマシといったところ。鉄鍋を両手で持ち上げ、すっかり冷めきっている食事を火にかけた。

 温まるのを火の前で待つ間、同時に寒さを紛らわす。膝を抱えて座っていれば、白が現れるのではないか。じっと座り込みつつ、都合のいいことを考えていた。


 だが。白がその日のうちに戻ることは、なかった。




 目を開けると、淡い光が格子窓から射し込んでいる。無意識のうちに(すが)るものを探して手を彷徨(さまよ)わせたが、そこにはぽっかりと空間があるばかりだった。

 ぱしゃん。水が小さく泣く。

「はく……」

 呼びかけても、白い人魚はいない。

 一日中帰ってこないなんて、今まで一度もなかったことだ。ますます以て不安でたまらず、無意味にうろうろとその場を動き回る。

 その時、扉の方で物音がした。白が帰ってきたのかと勢いよく振り返ったが、そこには期待した影はない。

「随分と落胆した表情をするものだ。一号かと思ったか?」

 くつくつと喉を鳴らしているのは、飼い主。憎悪が一気に燃え上がるも、それを察したかのように刺青が痛みを発し始める。

 奥歯を噛み締めると、飼い主は嘲るように笑った。

「仕事だ、十号」

 その呼び出しが何を意味するのか分からないほど馬鹿ではない。行かない、という選択肢がないことも。

 俺は結局抵抗のひとつもできず、いつかのように従者によって後ろ手に縛られ、歩き始めた。

「ああ、来たか」

 先日との違いといえば、先に『主様』が待っていたことぐらいだ。

 戒めが解かれ、従者は男の隣へと俺を押し出す。

「あれはいつものところだ」

「いつもお世話になっております。それでは、ごゆっくり」

 その台詞まで、ほとんど同じ。

「葉菊、久方振りだな。しばらく来れなくて済まぬ」

 このまま永遠に来なければよかったのに。思っても、口には出せない。そして男はそれを見抜いているが如く、喉を震わせて笑っていた。

「私以外の客は取ったのか?」

 するりと指が俺の頬をなぞる。

 そのようなこと、あるはずもないだろう。そんな思いを込めてねめつければ、『主様』はまた愉快そうに笑った。

「そうか、ないのか。しかしそれも、今は、というただそれだけのことだ。其方を独り占めするつもりは毛頭ない。他にも充分可愛がってもらえ。ああ、私が所望する折に会えないのだけは勘弁願いたいがな」

 笑い声が耳障りだ。まるで意思を持たぬ人形や獣のような扱いである。

 それに苛立ちの感情はあっても、反抗しては俺の命がない。飼い主ならば、この男が言うように、需要さえあれば何処へでも俺を差し出すだろう。否定し、逆らうだけの意味もなかった。

 だから、気持ちの悪さでぞわぞわと粟立つ肌は無視した。

 前回と同じようにまずは唇が重なり、吐息を奪われる。それが合図であるらしく、寝具へと横たえさせられながら腰帯が解かれた。

 一時(いっとき)、何も感じなければいいだけ。正真正銘の人形になってしまえばいいだけ。

 言い聞かせても、這い回る手の不快感は拭えない。漏れ出す苦痛の声は消せない。

 ただ、今日の『主様』は抱き潰すつもりはないらしい。数度俺を痛めつけた後は腕に抱え、まるで愛おしいものにしてやるような手つきで俺の頬を撫でている。

 すでに疲労困憊の俺は、されるがままになりつつも、冴え渡る夜空の色を眺めていた。

 二度目だからか、それとも別のことで気がそぞろだからか、最初の時ほど打ちのめされはしない。白の所在だけが気になる。

 白。今、何処にいるんだ。

(ねや)で目の前の相手以外のことを考えるとは、いい度胸だな」

 耳元で囁かれた声。はっとして男を見ると、言葉とは裏腹に、楽しげに口角を持ち上げている。

 何も言っていないのに、他の誰かについて思考を巡らせているのが分かるとは、なかなかに鋭い人物らしい。

 かといって否定も肯定もできないでいれば、男はまた喉を鳴らして笑う。

「あの白い人魚のことか」

 思ってもみない相手からの言葉に驚き、俺は目を見張った。

「あいつを知っているのか」

 肩を掴むようにすると、男は薄い笑みを()いたまま、しかし笑ってはいない目で俺を見る。

「口の利き方には気をつけろ?」

 表情と言辞だけで、『主様』が何を求めてきているのかが分かるのは、相当に恐怖で支配され尽くしている。たった二度の交わりであるというのに。

 肉体的なものだけではない。口の利き方とやらも、『主様』という呼び名も、精神的な恭順さえ強いているのだ。

「……あの、人魚を……知って、いる、のですか」

 言いながらも、奥歯がぎしりと音を立てる。

 服従しなければ生きていけない状況。それを受け入れて生きていこうとしている自分。何もかもに反吐が出そうだ。

「ああ、知っているとも。何度か依頼をしたことがあるからな」

 満足そうに白い歯を見せた男は、乱れている俺の髪を愛おしむように手で梳いた。

 依頼。

 負わされている細かい仕事内容について、俺は改めて白に尋ねたことはなかったし、白が教えてくれたこともない。訊いたところで教えてくれないだろうという予感もある。

 好奇心、ではない。焦燥感だった。今、知っておかなければ、白が永遠に俺の目の前から失せてしまいそうな。有り得ないと一笑に付したいのに、できない。

「……あの人の『仕事』、って」

 呟くようにして尋ねると、『主様』は髪を撫で続けていた手を止め、意外そうに目を瞬かせる。

「何だ、知らなかったのか。人魚の特徴を考えればそう難しい話でもあるまいに」

 俺はそれには口を噤んだ。

 物心つく前から、歴代の飼い主たちに閉じ込められ続けてきたのだ。そもそも、季節や物の名前といった『当たり前』のことでさえ把握しきれていない。蛟以外の妖怪のことなど尚更だった。檻の中で仕入れられたもの以外の知識は、総て白に教えられたことで形作られている。

 彼によって意図的に避けられてきたのか、訊かなかったからなのか、『人魚』という種に関する俺の知り得ていることはそれほど多くない。というよりは、無きに等しい。

 黙りこくる様子に、勘の悪くない男は何かを察したのだろう。

「人魚、という存在が、人間からはどのように伝承されているかは知っているか」

 寝物語だというかのように月明かりの下で紡がれる、人魚という存在。

「……知ら、ない、です」

 慣れない言葉遣いはどうもぎこちなくなって、どうにももどかしい。苦悩する俺にはゆるりと目尻を下げつつ、彼は小さく頷いて相槌を打つ。

「たとえば、八百比丘尼(やおびくに)。とある肉を食い、不老となり、八百年生きた……という伝説がある」

 初めて聞く物語だ。思い返してみれば、白の語るものは自然の美しさといった事実ばかりで、伝説や作り話はなかった気がする。それが何故なのか、今までの俺にはよく分かっていなかった。

 でも、『主様』の話に耳を傾けていれば、理由は自ずと想像できる。とある肉、と曖昧にされたところで、この話の流れならば。

「八百比丘尼が何の肉を食ったか。まあ、分かるだろう。人魚の肉だ」

 込み上げてきそうになった胃液を、伝説だと言い聞かせることによって何とか押し留めようとするも難しく、片手で口元を覆う。

「あの人魚は、其方らが生まれるよりも遥か前から生きている。蛟は毒が特性だろうが、人魚のそれは不老長寿だ。(あやかし)なぞ元がそうであるものとはいえ……人魚は妖力の高さに(かか)わらず、であると聞く」

 つまり白の仕事というのは、その肉を売り渡すことだというのか。

 治まらない吐き気。察しているだろう目前の男は特に動じることもなく、俺の背を引き寄せる。

「人魚の利用価値はそれだけではない。涙は真珠に、鱗は(ぎょく)になる。生きている、ただそれだけで、巨万の富となる存在だ」

 それが人間にとってどれほど貴重なもので、欲望の対象になるのかなど知らない。興味もない。そんなもののために白が傷つくのであれば、糞食らえだ。

 無意識に睨みつけていたのだろう。男からは笑い声が漏れ、肩を押さえつけられるようにして伸し掛かられる。反射的にその手を払おうとするが、人間とは思えぬ強い力には到底及ばない。

「可笑しなものだな。其方らは、人間の(おそ)れから生み出されし者共。たとえヒトの存在する遠い昔より存在したとしても、それはそれ。名付けられ、意味を持たせられねば、ただの現象に過ぎぬもの。つまり妖は、ヒトが居らねば存在し得ぬ。ヒトに使われていることに何の疑問がある? むしろ、価値を与えられたことに感謝するところではないか、え?」

 覗き込んでくる真っ黒な眼は喜色を隠しもしない。手にした玩具をどう苦しめようか、それしか頭にないのだろう。

 ヒトからすれば、俺たちこそが化け物であるはずなのに。まるで、こいつらが妖怪みたいだ。

「……お前らなんかに、永遠に分かるわけがない」

 同族である人間でさえ、恐らく何の気なしに踏みにじるのだろうイキモノなんかに。

「ははっ」

 歪む俺の瞳に幾度目かの楽しそうな笑い声を上げ、肌をなぞり上げてくる。

 俺がぞわりと背筋を震わせると、その手は裸のままの脇を通り、大腿部へと戻った。

「其方のその反抗的な眼差し。苦痛で歪む瞬間が、やはり一番愛いものだな。ただの木偶人形では、詰まらぬ」

 先刻ぶりに訪れる痛みに、俺は固く目を閉じる。

 心を殺せ。何も見るな。漏れ出るくぐもった声には、耳に蓋をするふりをしろ。俺を踏みつけにする者に考えを占拠されるな。あたたかい影を思い出せ。

 そうすれば、いつかはこの生き地獄も終わる。

 白、白、白。何度も呼んで、拳をきつく握りしめて、耐える。

 俺を慈しみ守ってくれるあの白い人が、今までどれほどの屈辱を味わってきたか。

 『主様』が言う通り、妖怪というものは人間がいなければ存在し得ないものなのだとしても。『外』の世界では、妖怪が人間の命を奪っているのだとしても。俺たちが搾取され続けなければならない理由となるのか。一方的に虐げられなければならないのは何故か。

 俺たちは、生きたいだけなのに。

 世も更けて、散々俺を弄び疲れたのか、男は眠りに落ちた。深いもののようで、俺が腕から抜け出したところで気づきもしない。

 足音を立てぬよう、気配を消して。男が目を覚まさないうちに。刺青に邪魔をされないうちに。

 急いた気持ちに、もう力がいつ抜けてもおかしくない膝が笑って座り込みそうになる。今は駄目だ、そう自分に強く言い聞かせて、目的の気配を探る。

 やがて、ようやく見つけた。

 屋敷の外れにある部屋の奥まった場所。白い影がぼんやりと浮かんでいる。

「は、く……」

 声を聞き取ったのか、力なく投げ出されていた身体が反応し、ほんの少しだけ頭が持ち上がった。青い目が大きく見開かれる。

「は、ぎく……?」

 やはり、この屋敷内にいた。仕事が立て続けに入れられていたか、あるいは消耗が激しすぎて動けず、離れに戻ることもできないがために、帰ってこなかったのだ。

「白!」

 他に気取られないよう、忍び足で駆け寄って、肩を抱きしめる。別れる前よりもぐっと細くなったかのようだ。

 たった一日か二日ぶりの再会だというのに、酷く遠い日に感じる。

「どうして」

 口にしかけた白も、俺の身体からあの男の香が漂うのを感じ取ったのか、黙り込む。強く抱きしめ返してくれたが、常とは違い、片手だった。

 美しい銀髪は見る影もなく乱れており、鱗がいくつも剥落しているのが見て取れる。何より――左腕の二の腕の辺りにあるはずの肉が、抉れるようにして失われていた。骨が覗きそうなほど、深く。

 説明されなくても、現在の俺には、その意味は嫌というほど分かる。

「白、を、恨むなんて、できない……」

 ――私を責めなさい。私を恨みなさい。その他を責め、恨もうとすれば、おまえはきっと足を止めてしまう。

 この人がああ言った訳を未だに理解できないでいる俺には、土台無理な話だ。

 一度抱いてしまった殺意は消えることなく、ぐらぐらと煮詰まった鍋の中身のように、腹の底で黒く溜まり続けている。

「葉菊、」

 彼が何かを言う前に、俺は強い調子で続けた。

「俺は、恨む。憎む。あいつらを……人間を。殺さなきゃ、収まりが、つかない……! じゃなきゃ、何で白が、俺たちがこんな目に、遭わなきゃならない……!? あいつらを殺す。それを白が許さないなら、せめて」

 せめて。

 再び見張られた青の瞳を、真正面から捉える。

「白を、こんな場所から絶対に連れ出してみせる」

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