王城 1
読んで頂きありがとうございます(* ̄∇ ̄*)
父の視点です。
「まったく、ここまで酷いとは‥‥‥」
「そうですな。本当に‥‥‥」
ゴアナ国の次期国王が決まらず、先に処罰対象・内容を明らかにするため、ゴアナ国側の会議参加者やその領地、またモンスタービート討伐に不参加の領地、国交的優遇措置で恩恵を受けている者などを調査し、すでに提出してあるマルナ領地独自の報告書と照らし合わせ、まとめている。
調査団として、モンスタービート会議参加国から人員が出され、やっと調査が終了し、最終確認の会議中だ。
各国から、労るような眼差しと言葉を これまで何度頂いたことか。
「私は、これまでの対価を支払って頂き、これからきちんとお支払いただければそれで良いのです。」
微笑し、皆さんの言葉に返す。
この言葉も何度言ったことか。
貴族連中が権力争いでいがみ合い、一気に物騒な雰囲気になった王城。
ゴアナ国内が混乱するのは目に見えているが、私とて、わが領地領民を守るため。
冷酷だと言われようとも決断したこと。後悔はない。
懇意にしていた貴族の面々には、うっすらと伝えていたため、ご自分達でどうにかなさるだろう。
すでに、面会して激励の言葉をくださった方もいらっしゃったしな。
「では、これで決定とし、ゴアナ国へと提出、実行ということでよろしいですかな?」
イラルド国の代表者が全体を見回し、確認を取る。
それぞれ頷かれ、決定となる。
モンスタービート会議での処罰対象は、一言で言うなら「ゴアナ国」。
今までにない事態のため、各国も怒りと困惑に包まれている。
大国である「ゴアナ国」が潰れれば、その周辺国にも影響が及び、動乱が起こってしまうだろう。
それに乗じて他国が裏で何かしらするかもしれないが、ハッキリ言ってこの国に旨味はほぼ無い。
魔道具や魔法の研究はラハト帝国が上。
武器や防具、道具などの製造はホザ王国が上。
農耕や酪農などの生産はイラルド国と同等。
突出した産業がほとんど無いのがゴアナ国なのだ。
かろうじて挙げるなら、4大国にしかない「移動魔方陣」や「領土の広さ」「治安の良さ」くらいだろうか。
その「治安の良さ」も今となっては、なくなりつつある。
今回の処分対象を発表すれば国は荒れるだろう。
しかし、新たな国王のもとで新たな国政を進めるチャンスでもある。
懇意にしていた方々に頑張ってもらいたいものだな。
―――――次はゴアナ国側に召集を申込み、処罰の発表だ。
後、2話で完結します。
一時間ごとに、続けてアップしますので、どうぞお付き合いくださいm(__)m




