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乳幼児期 2

 四才時――――――――





 いつものように兄と勉強に励む中、うちの領地と、国・他の国の関係性を知りました。


  ・どうやら、ゴアナ国の中でも我がマルナ領のバルフェ辺境伯爵は結構な上位貴族。

  ・家に古くからある地図とゴアナ国支給の地図が違う(⬅家のは200年前からあるらしい)

  ・4大国+約10の中小国で、200年前に大切な契約が結ばれた。


 バルフェ領は、位置的に南の『魔の森』からゴアナ国内を守ってます。そのため、上位貴族でも権力のある家みたい。しかも、父は、騎士総団のなかの、魔物担当の特務騎士団の団長。

 騎士総団は、近衛団(王族を守る)・軍務団(国の防衛・警備)・特務団(魔物から国を守る)の3つからなり、それぞれ団長がいます。総団長は、必要時に王が任命するので、通常時は三つ巴。権力の分散素晴らしい。


 それぞれの団長の仲は、良くも悪くもない。が、どうやら、うちの領の人達は他の騎士団や、遠くの他領に対して、あんまり良い感情を持ってない。しかも、口には出さないが国にも不満を持ってるみたい。


 なので、これからじっくりと他領地についてや国について知れば理由がわかるはず・・・

 兄には教えても、私には教えてくれないこともあるし。

 ええ、自力で調べてみせますとも・・・時間はたっぷりある!






 そして ある日、急に 勉強の見学に来た母に聞かれました。


「今まで、よく独り言をブツブツ言ったり、変な行動を取っていたのに、おおっぴらにしなくなったわね。」

「うちの家系的に早熟なのはわかるけど、おかしくない?」


 と。おっとりと微笑んでるのに、黒い瞳は、―――洗いざらい話しなさい!!―――と凄んでおり、私は、母の目を見たままカチンと固まりました。きっと、母は気になっていたけど今までは見て見ぬふりをしてくれていたのでしょう。不可解な私の行動に。

 でもとうとう、心配な事を解決すべく、でもちょっぴり好奇心に駆られて、行動に出たんだと思います。

 その後、目をキラキラと輝かせ、興味津々に根掘り葉掘り質問をしてくる母に、ギブアップしました。


 そして、半泣きで、前世の記憶があること、自我があること、テヨーワにはない不思議な知識があることを話しました。母の後ろで兄がデレていたのは見なかったことにした。

 

(――――――美人の威圧はマジでこえぇ・・・・)


 前世のことも、父母兄の胸の中に仕舞われることに。テヨーワでは、たまに前世の記憶を持って産まれてる人もいるそうで、心配ないとのことでした。


 記憶の鮮明さを曖昧にしておけば・・・。


 私の記憶の鮮明さは、上の下くらいとのこと。特に、学校・会社の記憶の価値が高いそうで。むやみやたらに知識を他人に喋らないように注意されました。


(――――――いや、今まで、家族にも言ったことないのに、母が無理やり言わせましたよね?!)


 チラッと母を見ると、冷笑されました。触らぬ神にタタリなし・・・。そっと目線を外して、子供の特権、「よくわかんな~い」のぽやぽやした笑みにチェンジしました。



 それから、母には勉強に関しては大人と変わらない対応、肉体的・精神的には四才時への対応を取られるようになりました。父は、普通・・・よりちょっと猫可愛がりだったけど。兄の対応はなぜか羞恥心を煽られることも。一応二人とも前と変わらずでした。


(――――――だが兄よ、私で遊ぶな)







 また、仲良く兄と漫ざ・・・勉強をしているときに、初めて魔道具を見せてもらいました。

 危険性を考慮して、剣と魔法の勉強はもう少し大きくなってからと言われたので、代わりに見たいとおねだりしたのです。

 魔道具は、魔石に魔法を刻み込んで使う、あの便利なやつです。一家に2~3個はあるらしく、魔法の貴重さ・継続時間(使用回数)・魔石の価値などで、値段がピンからキリまであるそうです。

 火付け石や水の石などを見せてもらっていると、なぜか、母がまたもや参戦。


「レミーナは、どんな魔法が込められてるといいと思う?」


 慈悲深い女神のような神々しい笑顔で、こっちにずいっと寄りながらいう母に、兄はいつの間にか母側に回った。


(――――――兄よ、妹を盾にするな。こうなった母が止まらないのはわかるけど・・・)


 とりあえず、こんなのあったら便利だよね?っていうものをポロポロと伝えてみると、すでに魔道具になってるものもあった。ないものは、「あーでもないこーでもない」と、母と兄が作れるかどうかをなぜか、相談していた。ただ、テヨーワにはない概念で私も上手く説明できないものに関しては、作る人間が理解できない可能性があるので、たぶん作れないとのこと。


 現存している魔道具は、

  ・魔法鞄―――時間は停まらないそうです。

  ・移動魔方陣―――4大国の王都にあるそうです。

  ・研算器(電卓)―――むしろ、そろばんの方がよくね?!とツッコミそうになりました。

  ・空間拡張石―――めったに出回らないそうです。

  ・冷蔵庫―――温度調節が難しいそうです。

  ・コンロ―――温度調節が難しいそうです。

  ・結界石―――魔法攻撃のみ防げるそうです。

 などなど。


 母と兄が議論中のものは、

  ・電話(念話)機

  ・ボイスレコーダー

  ・簡易移動魔方陣(郵便用)

 どうやら、本人たちが欲しいらしい。



 たぶん出来ないだろうと言われたのは、

  ・動画記録機

  ・記憶の記録機

  ・魔法鞄(時間が停まるやつ)

  ・結界石(物理攻撃の防御)


 魔道具は、魔物との戦闘に使うことが多く、生活に寄り添ったものがあんまり無いらしい。あっても、貴族が過度な華々しさを演出するために作られたものとか、高い魔石を使わないと魔法が刻めないらしい。ただ、野宿に関連するものは一通りあるので、庶民はそれで大丈夫みたい。

 いや~、想像力・妄想力が逞しくて、原理や理屈がわからないと魔道具に出来ないみたいです。



 ちなみに、コレスゲェ?!と思ったのが、

  ・浄化石―――風呂要らず。しかも汚物処理にも活躍!!なんてエコ!!

 



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