少女期 8
読んでいただきありがとうございます。
期待に添えるかわかりませんが、がんばりました。
「・・・・・・・」
国王は顔を歪めたままなにも言わない。が、軍務団団長の瞳孔が開いてビームが出そうな熱い視線が私に注がれて、服が燃えそうです。言いたいことあるなら言えばいいのに。
ウキウキ感から、顔がついニヤけちゃいそうだけど、我慢我慢。
偉いさんの前だから。キリッと真面目顔。キリッと真面目顔。
「何も言われないということは、肯定でよろしいですか?」
反論しないんだ。じゃ、肯定だな。あ、ダメだ。ウキウキが止まらない。顔も崩れちゃう。じゃあ、言っちゃいますよ!!
「私の領地やお友達の領地にはない斬新なマナーですので、王都で流行っている教育なのですね!」
(あの二人だけじゃなく、もっとあんなマナーのヤツいるだろう!)
「しかも、1回目の使者のお連れの方も止めませんでしたし、皆さんが会議して出した議題への返答もあのような事でしたもの! 周囲の『マナー教育を修了した大人の方々』が、止める事もいさめる事もなく、行為を許されているということは、マナーとして慣例なのですね!」
(そもそも、ここに居るあんたら皆 人としておかしい考え方してるし、マナーが悪い!! それが普通だと思ってんだろ!!)
「王城でこのようなマナーが慣例ですもの。皆様、王都のお家や領地に帰られてもその慣例のままですわね。まあ、怖いこと!!」
(あんたらが、そんな人としてどうかと思うような考え方を風潮を国内に拡げてるんだろ!!)
「国に仕えている『騎士総団の一員』で『王城の使者』という任務を背負っている方と、ここに居る 国を支えていらっしゃる貴族の皆様のすることですもの。とても洗練されたマナーなのでしょうね!」
(揃いも揃って腐ってんな!)
「第3王子様もそんな大人の洗練されたマナーを見てお育ちになったのですね!」
(腐った中で育ったバカ王子もそりゃ腐るわ!)
皆さんにハッキリ聞こえるように、ゆっくりテンポの少し大きめの声で、抑揚も上げて、「私、解っちゃいました!」風に、ニヤニヤ・・・キラキラした顔で言ってやりました!
軍務団団長や一部の貴族はプルプルしてるから、怒髪天を衝く状態なんだろうな。あんな威嚇で怯むわけないじゃん。だって、兄の方が・・・・・・。
さて、あのバカ王子にもう一太刀!
「ああ、でも! 皆様のような振る舞いや考え方をしていない『常識ある大人』もいらっしゃるはずですもの。第3王子様は、皆様の洗練されたマナーと、常識あるマナーを見比べて、洗練されたマナーを選ばれて身に付けていらっしゃるのですね!」
(むしろ、常識ある大人と腐った大人を比べて、自分から腐っていってんだね!)
「第3王子様は、たいっっっへん 頭がよろしい方なのですね!」
(第3王子、バカじゃね!!)
満面の笑顔で言ってやりました!ちょースッキリ!
父と兄も、満面の笑顔でこっそり親指を立ててくれました。
国王や宰相?各国に無能が露呈したからもういい。
軍務団団長?屈辱に真っ赤になってるからもういい。
貴族連中?悪いマナーの見本にしたからもういい。
第3王子?バカ王子だとみんなに言えたからもういい。
「では、私の質問は以上でございます。お忙しい皆様のお時間を頂戴しましたこと、感謝並びにお詫び申し上げます。」
後は御暇の挨拶をして退室するのみ。
(―――――あとは父と兄に任せた!)




