少女期 7
読んでいただきありがとうございます。
適切な表現が出来ていないところがあると思いますが、絞っても搾ってももう出てきませんでしたorzすみません。
おじいちゃんに「どうぞ」と目線をもらい、ゆっくりと椅子から立ち上がった。足が床に届いてなかったので、スーさんに手伝ってもらいましたが・・・。愉快な仲間たちよ、目を逸らすな。確かに、この緊張が張り詰めた場で一人で椅子から立てないって笑えるけど。椅子が高いんだよ。
「はい。恐れ入りますが、確認させてください。呼ばれた状況・目的、婚約の理由など、10個の質問の内8個は先程の質疑応答で解りました。ゴアナ国の皆様が、私を使って会議で出された議題の返答をされようとしていたということで、お間違いないですか?」
「うむ。そうじゃの。」
「婚約内容を明かさず、各国の皆様の前で『婚約契約』という形で終わらせるために私が選ばれ、一連の対応をされたということでよろしかったでしょうか?」
「そういうことになるの。」
議会での話し合いに私は参加資格がない。というか、この場に居ること事態がそもそもおかしい。だから、自分の状況にしか、意見や質問を言わなかった。先だって話し合われた「マルナ領地の出した議題への返答」も、「婚約の理由・目的への返答」も、議題として話し合われた事なので、口を挟んではいけないのだ。私はあくまでもイレギュラーで、この場に居合わせているだけなのだから。服従誘導計画に突っ込みを入れたかったし、もっと言及したかったが、口を挟む資格はない。ラハト帝国の方とおじいちゃんの援護でこの場に居て、許可が出た今 やっと発言できるのだ。だから、おじいちゃんに自分の質問に関することだけを確認をしたのだ。
しかも、確認した内容は議会で決定したことなので、私から言えることは何もない。私が質問した内容は、ほとんどマルナ領地への返答に関わるものだったので当然のこと。残りの2つの質問は、各国の皆さんからすると然程重要ではないから、話し合われなかったのでしょう。
だからこそ、残り2つの質問を有効活用してみせましょう。
私に出来る事は、身に起こった事をバラし、その目的や理由を問うくらいしかない。罪になるのか罰が必要なのかは 上の人が決める事。私は、詳しく事情を話すことで、罪や罰に問われる事かどうかの判断基準を提示しているだけ。それで罪や罰になるなら、やった相手が悪いし。まあ、風評被害は確実だと思うけど。
いきなり会議に巻き込まれて、色々と理不尽な事されて、私が怒らないと思ったんですかね?せめて気分だけでも晴らしたい!特に、ヤツに返り討ちを!
「では、残りの2つの質問にお答えいただけますでしょうか?」
ゴアナ国王に体を向けた。国王は、国の存続危機の状態に絶望感でいっぱいなのか、はたまた 自分の未来に絶望感でいっぱいなのか、虚ろな表情で目の焦点が合っていなかった。
「先に、どの王子様との婚約だったのか教えていただけますでしょうか?」
「・・・第3王子だ。」
「その方は、もしかして、金茶色の髪で紅の瞳をした私より少し身長の高い方でしょうか。」
「・・・そうだが・・・。」
なぜ容姿を知っているのか気になったのだろう、空虚な瞳がこちらに向けられた。どうやら、あの控え室での出来事は、第3王子とやらが勝手にしたことのようだ。
ってか、第3王子なんて、王族とはいえ影響力もあんまり無いだろうに。せめて王太子とか第2王子とかにしとけよ。明らかに、婚約による私側のメリットが無いじゃないか。しかも、あんな事言うヤツだよ!あんなモンいらん!
各国の方々も顔をしかめてるよ。
「この会場に通される前、控え室?で待機しておりましたら、こんなことがありました。音声レコーダーに記録されたものです。」
ネックレスに手を当てて、音声を流した。この会場に入る前に、危険物の確認はされているし、証拠品として持ち込んだので、おとがめ無し。
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『参城の報告にいきますので、ここで少しお待ちください。』
『パタン』
『ギシッギシッ』
『レミーナ様、お待ちの間、お茶を飲まれますか?お茶セットをいただけるように、掛け合って参ります。』
『うーん。どのくらいの時間で戻られるか解らないから、お茶はいいわ。』
『わかりま』
『ガチャッ バンッ』
『カッカッカッ』
『お前が 婚約者か・・・ぼくの足を引っ張らないようにしろよ。フンッ。』
『カッカッカッ』
『バンッ』
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皆さん耳を済ませて聞いてくださいましたが、ドアが乱暴に開けられた音に片眉がはね上がり、ヤツの発言に眉間にシワが寄った。こっちから見てると皆さん示し合わせたように揃った動作で、おもしろかったです。
父と兄は・・・・・・あれは、見ちゃいけません・・・
「このような事がありまして。使者の方が退室された後、ノックも挨拶も自己紹介もせず、一方的に不思議な事を言い捨てて行かれた方がいらっしゃいました。この方の容姿が、金茶色の髪で紅の瞳をした私より少し身長の高い方です。この方が第3王子様でしょうか。」
「・・・・・・。」
国王も宰相もまさか、第3王子が勝手に私に会い、先に婚約を言ってしまっていたとは思わなかったのだろう。顔が歪みだした。そう、私もこれがなければ、あそこまで質問を考えなかった。あのイラッと衝撃に、「殺ったるぜい!」の好戦的態度を取ったのだ。だって、マジでムカついたんだもん。
質問の一番初めに、王城からの使者の振る舞いをバラし、「王都の教育」について言及したのも、本当の目的は王子。こんな会議の場で 国王からの「あの言葉」に直接関連しない他人のマナーについて言ったのは、王子のことをバラす切っ掛けにしようとしたのだ。
まずは、各国の皆様に「国のお使いができない、誘拐犯がいます!」と披露&バカ使者に仕返し!
質問最後に一連の対応が国王の命令か尋ね、今もおじいちゃんに確認を取ったのは、国王の命令なら「国王の常識やマナーを疑う」、部下のせいにしても「国王は人を見る目がない」「部下のマナーを疑う」になるから、国王やバカ使者の上司(軍務団団長)への嫌がらせ!
まあ、すでに沢山やらかされてるので、私の嫌がらせの効果は ほとんど無いと思いますが。
で、各国に「こんなバカがいるんです!」と王子を紹介。タイミング的にインパクトがあるだろうし、なにより、第3王子のマナーと性格の悪さが知れ渡り、私の胸がスッとする。そして、「国内最高峰の教育を受けている王族が、この有り様。マナー教育どうなってんの?」となり、第3王子は、各国からの評価が駄々下がり。国王にとっては計画の一端をしゃべった大馬鹿者!&各国からマナー教育を疑われ、赤っ恥をかかせたバカ!。
「この王子様の振る舞いも、一回目の王城の使者の行動も、王都の教育なのでしょうか?」
(―――――さて、仕上げをいたしましょう。)
おじいちゃん‥‥白い立派な髭を蓄えている、ホザ王国の代表者。議長。
〈愉快な仲間たち〉
兄のお土産3人
・スーさん‥‥ラハト帝国出身の未亡人。魔術師。
・ニールさん‥‥イラルド国アルナ領出身。下位貴族の三男。書類系担当。
・ジョンさん‥‥ホザ王国出身。平民。護衛兼物作り。
+4(今のところ名前つけてません)
・護衛2人
・侍女1人
・従者1人




