少女期 3
土日は、多目に投稿できるようにがんばります。
いつの間にか、ブックマーク450件。ありがとうございます!
総合評価も1000pt越えました。評価をしてくださった方々、小説を読んでくださった方々、ありがとうございます!
1時間後 執事と護衛が、宰相補佐官を連れて帰ってきました。
ウンヌンカンヌンと非礼を詫びた宰相補佐官にちょっと聞いてみました。
「この不審者のような振る舞いをなさった方々の上司でいらっしゃいますか?」
宰相補佐官の笑顔がピキッと固まりました。
話を聞くと、違ったようです。この不審者の所属は軍務団とのこと。コイツらと一緒にされたくねぇ!!という気迫に満ちたお返事を頂きました。そうですよねー。十才児でも解ることが、理解できてない大人に見られるなんて屈辱ですよねー。
「大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。これより、王城へとお越しいただけますか?」
「承知いたしました。ですが、どのような用件で呼ばれたのかも解りませんし、大人が居ないと怖いので、ここにいる私付きの護衛や臣下を一緒に連れていってもよろしいですか?」
心細そうに、眉を下げて幼い表情を押し出してみたらあっさりオーケー頂きました。ってか、大丈夫ですよなんて言えんわな。あんな不審者を使者に出す人が王城に居ますよーっていってるようなもんだし。
ドレスは執事たちが王城に行ってる間に着替えときました。何があるかわからないので、ついでに臨戦体勢を整えるべく、愉快な仲間たち皆に仕込みもしといたし、大丈夫でしょう。
いざ、出陣!!
―――――この後、あの出来事が起きました――――
王城に着くと控え室らしき所へ一旦連れてこられた。私の参城報告をしてくるんだと。
普通なら居るはずの部屋つきの侍女が居ないので、お茶をどうするか従者から相談されていると、ノックもせずに 金茶色の髪で 紅の瞳をした男の子が入ってきた。ソファーに座っている私を ジロジロと頭の天辺から足の爪先まで見た後、
「お前が 婚約者か・・・ぼくの足を引っ張らないようにしろよ。フンッ。」
と、呆れた表情で鼻で笑い、蔑むような目をして 嫌みったらしく捨て台詞を吐いて、出ていった。
(―――――はぁ~あぁぁぁぁ~?!!!!!てめぇ誰だよ!!!婚約なんてしてねぇよ!!!なに上から目線なんだよ!!!!)
礼儀知らずで 周りが見えていない 理解力のない 自己中で傲慢で馬鹿なヤツが年上なら、呆れて見下して蔑むくらいで 何とか年齢を理由に我慢ができる。
が!!同年代(記憶持ちなのではっきりいって年下感覚だけど)に、
ノックも挨拶もしない礼儀知らずな行為、
初対面で出来ないヤツと評価を下す偏見たっぷりの思考力、
上から目線で物を言う傲慢さ、
人の話も都合も聞かず自分の事だけを優先する自己中、
自分の行いがさも当然という根拠のない自信にあふれた言動、
をされた瞬間の 癪に障るイラッときた衝撃、略して「イラッと衝撃」は、屈辱感と怒りで全身から火が吹き出しそうなくらい凄まじかった!!怒鳴り散らしながら、部屋にある調度品を手当たり次第投げ壊し、部屋自体をいや、王城を魔法でぶっ壊しそうなぐらいの怒りで身体が埋め尽くされた。
しかし、ここは王城の一室。目を瞑って手を握りしめ、衝撃に耐えた。
(―――――足元を掬われる言動は控えておかなければ・・・)
少し息が荒くなったがなんとか落ち着いたので目を開けると、愉快な仲間たちの顔が一切の感情を押さえ込むために、無表情に。こえぇ。
そんなことが起こったすぐ後に、モンスタービートの会議が行われている部屋に連れていかれたのはいいんですが、こんなにも各国の重要人物がいる場所に、十才の小娘を来させるのは何なんでしょう。自己紹介・挨拶が終わった後にゴアナ国王から言われたことは、モンスタービートに全く関係のない話だと思いますが。
「我が国の王子とそなたとの婚約を決定した。」
(―――――さっきのか・・・チッ)
アホ王子から受けたイラッと衝撃が甦りそうになり、どういうつもりで言っているのか国王の顔を見てみると、隈ができ青白かった。隣の宰相も同じくやつれて疲れ果てていた。父と兄は大変怒ってらっしゃるようで 国王と宰相を視線で殺さんばかりの威圧がタダモレでした。各国の皆様からも不穏な空気がしています。
ええ、私もあんな凄まじいイラッと衝撃を受けましたもの。お返しをしなければ。木っ端にしてもいいかな?と父と兄に目配せをすると、殺れと顎をしゃくられました。
(―――――どんだけ父と兄を怒らせたんだ?!)
「恐れ入りますが、発言を許可していただけますでしょうか?」
辺境伯爵令嬢として恥ずかしくないマナーを忘れず、理詰めで撃沈していただきましょう。
「うむ。」
「このように偉い方々や沢山の大人の方々に囲まれての発言は初めてですし、なにぶん十才ですので、失礼な表現や振る舞いがあってもお許しいただきたく皆様にお願い申し上げます。」
令嬢として 会議机に座ってる方々や国王たちに頭を下げ、それぞれに頷きをもらい許しを得た。よっしゃ!!許可はもらったぞ!!私の後ろで礼を取り続けてるうちの愉快な仲間たちが、ヒンヤリと微笑んでる雰囲気がする。皆も怒ってるな。殺っちゃってください的な応援が聞こえてくる気がする。
「では、発言させていただきます。何の理由があっての婚約でしょうか?いきなり王城へと参上命令を受け、ご説明頂けないままこの会議場へ連れて来られました。しかも、1回目の王城の使者と名乗る方には、引きずられて連れ去られそうになりました。すぐに家人が対応し2回目の使者の方がいらっしゃり、王城へと参上しましたが、何のための参城か未だに説明を受けておりません。モンスタービート会議をされている部屋なのに、なぜ私の婚約のご命令がこの会場でなされているのでしょうか。しかも、父や兄と話をする機会ももらえず、なぜか直接国王様からご命令され、大変混乱しております。」
(いきなり有無を言わさず連行されそうになったよ。来てみたら何の説明も受けず会場に放り出されたよ。モンスタービートの話をしてる会場だからなにかしら関連性があるの?婚約って父と兄は知っていて、了承してるの?有無を言わさず私を従えるための場なの?王様からの命令ってことは一連の出来事も王様の命令なの?)
ということをバラしてみた。
会場は静まり返り、各国の代表者たちは揃って私をガン見してるし、国王と宰相はまさか、疑問をぶつけられるとは思わなかったのか、冷や汗を流している。1回目の使者を出した軍務団団長は部下の失態をバラされた屈辱にきっと顔が赤くなってるだろうな。ざまあ。あ、父の隣の人がすんげぇ真っ赤になってる。壁際にいる貴族はざわざわしてるな。
「恐れ入りますが、十才である私に理解できるよう1つずつご説明頂けませんか?」
(あんたらが呼び出したんだ。十才児がおかしいと解るのに、あんたらが解らないなんて言わないよね?!説明しろ!!)
首を傾げて国王と宰相を見てみる。逃がしゃしないよーと目を細めると冷や汗が滝のようになってきた。これ、完全に父と兄を出し抜いて 私に直接返事をさせることで『決まったことだから変更出来ません』みたいな流れにしようとしてたんじゃないかな?しかも、条件や目的なんかの、婚約を通しての契約内容を確認させずに、自分達の都合のいいように事を運ぼうとしたんじゃなかろうか。父と兄がいくら反論を述べようと「当の本人が返事をしたから」って。他国の人は後から意見を述べると政治的干渉となるから言えないもんね、きっと。
じゃあ、各国の目があって意見交換もできる今、はっきりと答えてもらいましょう。
「では、1つ目の疑問として、なぜ1回目の王城の使者の方はあのような行動を取られたのでしょうか?王都の教育なのでしょうか?」
(うちの家が見下されてますけど、貴族や王城の使用人の教育、ちゃんと出来てんの?!)
「2つ目の疑問は、今、どういう現状なのでしょうか?ご説明いただかないままの参城ですので、どのような理由・状況でこの場に私が呼ばれたのか教えていただきたいです。」
(参城理由・現状・状況を説明しろ!!)
「3つ目の疑問は、なぜ婚約について父から説明がないのでしょうか?家同士の確認はもちろんですが、当人への確認も一応されるものだと勉強いたしました。理由・目的・義務を当人がしっかりと把握するために大切であると。」
(父に言わずに、あんたらが勝手に言い出したことじゃないの?!父をかやの外に出して、私を丸め込もうとしてんじゃないの?!)
「4つ目の疑問は、辺境伯爵領ではモンスタービートに巻き込まれる可能性があるので成人までは婚約はしないのが通例ですが、なぜ十才であるのに婚約なのでしょうか?」
(これって私が死ぬかもしれない可能性を考えての婚約なの?!通例を破るほどの理由をあげろ!!)
「5つ目の疑問は、なぜ私の婚約なのでしょうか?年齢的に兄の方が先なのではないでしょうか?」
(そもそも婚約適齢期の人を差し置いて十才児を婚約させようなんざぁ、なんか後ろめたいことがあるって言ってるよね?!)
「6つ目の疑問は、何の理由・目的・義務があってこの婚約が決まったのでしょうか?」
(何のためにどういう理由でどんな義務があって婚約なんて言ってるのか説明しろ!!)
「7つ目の疑問は、王子とおっしゃいましたが、どの王子様でしょうか?」
(居もしない王子と婚約させないよね?理由・目的・義務によっちゃあ、それ相応の王子とじゃないと釣り合わないけど?!)
「8つ目の疑問は、本来婚約は当主から伝えられるはずですが、なぜ国王様からの直接的なご命令なのでしょうか?」
(国王の権力をかざして脅迫してんのか?!)
「9つ目は、我が領地は200年前から治外法権が認められております。なぜ相談もしくは了承を得る形ではなく、ご命令なのでしょうか?」
(そもそもあんたらの命令に従わなくてもいいんですが?!)
「最後に、我が邸宅から婚約のご命令までに 私の身に起こっている一連の出来事は全て国王様のご命令によるものでよろしかったですか?」
(国を挙げてこのふざけた態度とってんだな?!)
と副声音バッチリに1つずつ指を折りながら、可愛く首を傾げて尋ねてみた。
(―――――さっきのガキ含め、てめぇら覚悟しろよ)
会議場は静まり返った。国王・宰相は真っ青になり、貴族たちは十才の子供がここまで物怖じせずに意見を述べたことに驚き固まっていた。父と兄は、さすがレミーと 満面の笑みで頷いてた。目は笑ってなかったけど。各国の皆様は、目を丸くし驚嘆されているようだ。よくぞ言ったと。
・・・あれ?誉められてるの?他国の人に?
変な言い回しがあるかもしれません。スミマセン。
表現が難しくて、何度も読み返してやっと出来上がりました。
レミーナは、父と兄が「領地領民を守る」ために行動を起こしていることは知っていますが、詳しい内容も会議中の様子も一切知りません。兄が各国に見せた資料と要求する5つの事は知っています。




