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兄の本気

兄視点です。

覗きに来てくださった方々、ありがとうございます。

 モンスタービートで母上を亡くしてから、僕の生活は忙しくなった。母上の置き土産から始まった国への疑問のせいではあるが、次期辺境伯爵に必要なこととして精力的に動いている。



 ただ、留学中にレミーに会えなかったのは寂しかった・・・




 レミーは昔からとても変な子だった。あんまり泣かない、愚図らない、癇癪を起こさない、子供らしくない子供だった。しかも、知識欲が旺盛で何でも知りたがり、たまに小さな大人が中に居るんじゃないかと思ったことも1度や2度ではない。

 まあ、レミーが3才の時に記憶持ちが判明してから、納得した。そして、発想がとても面白い子であることにも。


 彼女は大人に負けない頭の回転をしているのに、無邪気さやイタズラ心があり、何より人への思い遣りが深い。表情はいつも笑顔で楽しそうな雰囲気だし、突つけば可愛らしい顔が見れて癒されていた。真っ直ぐに人と向き合い、正直に気持ちを伝えるとても素直な彼女が、将来社交で揉まれることに心配になったものだ。





 そんなレミーも、母上の死から雰囲気が変わった。きっとあの母上の言葉だろう。記憶持ちは早熟であるといっても人それぞれらしいが、僕はレミーがあんなに変わるとは思わなかった。


 段々と子供らしさが消えたのだ。



 留学中にもらっていた返事の内容から、イタズラ心や思い遣りは変わらずにあるが、整然とされた思慮深さが浮き彫りになってきたのだ。相変わらず日々を楽しんでいたようだが、物事の割り切り方、捉え方、考え方などのバラエティーに富んだ思考力。人物や事柄に対する容赦の無さ。突飛な発想力と推理力。今まで僕達家族に見せてきたレミーは、ただの一端に過ぎなかったのだと気付かされた。もしかしたら僕が書いた手紙も、深読みして伝えたい事実をほとんど理解しているかもしれない。それに気付いてからは、余り酷い内容にはならないようにしたけど。



 そして、留学から帰ってきてから余計にレミーの大人っぷりに吃驚した。同時に落胆もした。あの可愛い反応をしてくれなくなったんだ・・・。なんで留学なんかしたんだろう・・・。



 たが、同じ目線で物事を捉えられるレミーを頼もしく思った。これから父上と僕がしようとしていることは、レミーにも影響が出る。領民の事を思うとレミーを優先する訳にもいかない。申し訳なく思ったが、僕達の行動に賛成するどころか、むしろ冒険者になりたいと爆弾発言をしたレミーに逆に唖然とさせられた。あれは、本当に驚いた。その上理由を聞いて、納得・驚嘆した。自身の身の振り方、領民・国への義務が考慮してあり、尚且つ、僕達の行動を邪魔しないように考えられていたのだ。




 僕は次期辺境伯爵。地獄ともいえるモンスタービートを共に乗り越えてきた大切な領民を守る者。妹の気遣いとエール、そして、今まで蔑ろにされてきた先祖や領民の憤りを力に、他人の犠牲に甘えて安穏と暮らす、傲慢な者共に今まで払ってきた犠牲を返してもらおう。









書いてると、段々と元の話から逸れていってる感じがします。元は悪役令嬢のざまあをする予定だったのに・・・

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