幼女期 4
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八才時―――――
貴族のお友達ができました。
顔見せのお茶会で5人の隣領地の子達と会いました。五才年上から3才年下の幅がありましたし、ご兄弟もちらほら顔を見ることができました。貴族の子供は皆早熟なんですかね?それともモンスタービート関連で色々と考えることが多いからなんですかね?
その内の1人の子と大変気が合って仲良くなりました。とっても逞しい五才年上の女の子です。うちの屋敷の人達と通ずるものを感じました。
ついでにカミル―――――五才年上の友達―――――の兄は我が兄と仲の良い方らしく、三人でうちの兄談義に花が咲きました。この兄弟とは仲良くやっていけると確信。ぜひとも末永くお願いしたい・・・
・・・ただ、背筋が寒い・・・
中々に楽しめたお茶会でした。カミル以外の他の子供達とも時々手紙のやり取りをしてます。
が、たまにうちの領地経営や領民の戦闘力について聞いてきたり、おねだり?みたいなことをされるので、ちょっと考えものだなぁと感じて、
(―――――手紙でも気を遣うし、友達は少数 知り合いは多数でいいよね)
ということで、はっきりと線引きすることにしましたよ。こうして貴族の関係って作られていくんですね。
相手に求めるばかりでは自分の価値が下がるし、与えるだけでは後々いいカモにされる。上位貴族なのに出来なければ見下される。ギブ&テイク、親しい中にも礼儀あり、がとっても大事だと実感しました。
「使えないやつは要らない」
兄が言ってたことが、身に染みます。振り分けは必要です。父も少しずつ関係性を作っていけば良いと言ってくれたので、ぼちぼちやっていこうと思います。
そして、兄が卒業して帰ってきました。
―――――ナマモノのお土産を持って・・・。
帰省を一度もしなかったので、久し振りに顔を見ます。ほんわかした雰囲気は相変わらずだけど、身長が伸びてキリッとした顔立ちになり、青年の逞しさと大人の色気を醸し出してました。その兄が、満面の蕩ける笑顔で 背後に花を飛ばしながらこっちに走って来たときには、鼻血が出るかと思いました。つい走って逃げそうになったことを察知して、目だけが爛々しだしたので、おとなしく兄に捕まることにしました。
(―――――もしや、ヤンデレ?!しかも、前よりもバージョンアップ?!)
兄のシスコン?はより深いものになったようです。猫可愛がりをしたくて堪らないようで、もみくちゃにされました。
(―――――兄よ、高い高いは五才までにしてくれ。ぎゅうぎゅうするな。潰れる・・・)
ひと通りやりつくした後、気を取り直して
「レミーナ、お土産だよ」
と、差し出されたのは二人の男性と一人の女性。それぞれ手に何かを持っています。
身長の高い男性は手に細剣を、身長の低い男性は大量の本を、女性は魔道具を。
目の前に3人並んで、片膝をついて捧げる格好をしてますが、兄に何を言い含められているのだろう?年齢にばらつきがあるようですが、3人とも私より年上ですよね?
この状態を尋ねる目線を兄にしてみたが、意味深な笑みを返された。
とっ・・・とりあえず挨拶からが基本だよね?
「初めまして。オルコの妹、レミーナと申します。お疲れのところ、ご挨拶する時間を設けていただき、ありがとうございます。席についてお話し出来ればと思いますので、皆様のお名前をお聞きする前ですが、手に持たれている物を先に受け取らせていただきますね」
そう言って手を伸ばすと、なぜか皆さん眉を下げ 目を潤ませながら物を離そうとしません。どうした?くれるんじゃないのか?と困惑して兄を見ると、肩が震えています。
「レミーナ、受けとると言ったよね。全部お土産だよ」
(―――――人も含めてお土産?!)