表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

届かない遺書 〜”手紙”シリーズ第一弾〜

作者: プルート

 あなたは今 何を見ていますか



 淳ちゃんへ


 元気ですか

 そちらは楽しいですか

 風邪引いてませんか

 ご飯ちゃんと食べていますか

 寂しくないですか

 

 こちらは元気です

 こちらはそこそこ楽しいです

 風邪もひいてません

 ご飯もちゃんと食べてます

 だけど あなたがいなくて寂しいです


 今 あなたは何をしていますか

 きっと 自分がしたい事をしてるんだろうね

 あなたの事だから 向こうでも元気にしてると思う

 

 私の方はなんだかさ

 あなたがいなくなってから

 心に小さな穴が開いちゃった


 別にあなたがいなくなったって 私の日常は変わる事はないし

 逆に私がいなくなったって あなたの日常が変わる訳でもない

 でもさ何だかさ あなたがいなくなってから

 何かが変わってしまった気がする

 例えば いつも一人でご飯を食べていても

 どこか横にあなたがいる気がして 寂しいの

 

 今 あなたは何をしていますか

 猫のミーちゃんには会えたかな?

 ミーちゃんが死んじゃった時 あなたは枯れそうなくらい 涙を流していたよね

 私もさ あの時すっごく悲しかったんだ

 

 あの時はまださ 『死ぬ』って言っても身近に感じられなくて

 でも人が死ぬってさ この世界からその人が消えるって事だよね

 人一人いなくなるって こんなにも苦しい事だって初めて知ったよ

 こんな事になるんだったら もっとあなたとたくさんの時間を過ごしていたかったよ

 もっと色んな所に行きたかったし

 もっとたくさんの事を あなたと話したかった

 あなたが行きたいって言っていた遊園地

 今日で閉園になっちゃうんだって

 だから私は今 あなたの代わりにそこにいます


 あなたの事 私は何度も忘れようとした

 だってあなたの事を考える度

 あなたとの優しい想い出を思い出しては その後にくる絶望感におしつぶされるのだから

 あなたはもういないって そんな事を考えると

 私の目からは 止められないほどの涙が溢れ出てくるんだ

 

 あなた以外の人を 愛そうともした

 でもその度に 

 私はあなたの優しさを思い出して

 逃げられない罪悪感に 捕われてしまうんだ

 何故ならあなたの事を

 本当に 本当に 愛していたから

 

 だから私 決めたんだ

 一生あなたを愛し続けようと

 どんな事があってもあなたを想い続けようと

 それが私の償いになるのなら


 さっき こちらはそこそこ楽しい って言ったよね

 あれ嘘なんだ

 あなたがいない生活なんて ちっとも楽しくない

 何も変わらないはずなのに

 何かが変わってしまったんだ

 仕事には集中できないし

 ひきこもりがちになってから 友達も離れてった

 実家に帰ろうとしたけれど

 そこにはもう 弟の家族がいて

 私の居場所は どこにもなかった

 

 ねえ 淳ちゃん

 これって卑怯な事かな

 逃げるって卑怯な事かな

 私は 今日

 この世界から 消えようと思う


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「えー、臨時ニュースが届きました! つい先ほど、大手レジャーランド○○ランドの人気アトラクション××コースターの頂上から20代と思われる女性が身を投げました! 女性はすぐに病院に搬送されましたが、間もなく死亡した模様です! ちなみにこの遊園地は、今日で閉園だったようです!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 お父さんへ

 

 親孝行できなくてごめんなさい

 「稼いで車でも買ってくれ」って言ってたよね

 ごめんね 約束守れなくて

 お父さんがよく肩車してくれて行ったお花見

 すっごく楽しかったよ

 それと私の為に

 そんなにお金ないのにお金たくさん出してくれて ありがとう

 どうか長生きしていていてね


 お母さんへ

 

 ここまで育ててきてくれたのに ごめんね

「早く孫の顔が見たい」って言っていたよね

 約束守れなくて ごめんね

 淳ちゃんが死んじゃった時

 取り乱す私を 真っ先に優しくなぐさめてくれたよね

 お母さんとはまるで親友みたいにたくさんの事を話して たくさん相談したよね

 本当にありがとう

 お嫁さんの奈津子さんと 仲良くしてあげてね


 孝仁へ

 

 こんな情けない姉で ごめんね

「お姉ちゃんも一緒に住もうよ」って言ってくれたよね

 でもあなたにはもう家族がいたから

 だけど ありがとうね

 結婚する前はよく

 淳ちゃんと出会う前の一人暮らしの私の所へ 遊びにきてくれたよね

 私はあなたのおかげで 寂しくなかったんだ

 よく口喧嘩したけど

 一番最初に 謝ってくれたよね

 あなたみたいな優しい弟を持てて 私は幸せだったよ

 奈津子さんと 美奈ちゃんと 幸せにね


 淳ちゃんへ

 

 私は今日 あなたの所に行きます

 あなたがいない世界で

 私は何を糧にしたらいいかわからなかったから

 弱いよね 卑怯だよね

 でも それでもいい

 あなたに逢えるのなら

 本当は 死ぬのが怖い

 確実に 死ぬ時は痛いだろうから

 でも それでもいい

 あなたに逢えるのなら

 

 向こうについたら

 私の事 怒ってくれるかな

 

 二人が逢えたら

 また色んな話しようね

 

 2008.03.21   


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「では、先日起こった自殺事件の続報です。どうやら遺書はどこにも見当たらないようです。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがきがあります(大丈夫な方は、スクロールして下さい)







 皆さんお久しぶりです、はーぴんです。

 今回は、このような恋人を失った女性の遺書を書いてみました。

 これを読んで何かを感じ取ってくれましたら幸いです。

 ただ私個人としては、この女性の行動は絶対に認めたくありません。いえ、認められるものではないです。恋人を失った気持ちは痛いほどわかりますが、彼女が死ねば彼女の大切な人にもその思いをさせる事になります。そんな思いを込めてこの小説を書いてみました。

 最後に、こんななっがい後書きにも付合ってもらいありがとうございました! もしかしたら、続編書くかもしれません。では! by はーぴん

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ