6話:ダンジョン探索
この世界で自由を手に入れた俺は、好き勝手に動くことにした。
王国軍はどうするかって?
あんな奴らもう知らねえよ。
裏切り者がぞろぞろいるような集団、守ってやる価値などない。
まあ、世界が滅ぼされるのは困るから、魔王だけは後で屠っておこう。
いまこのダンジョンにいるそうだから。
「ステータス起動」と俺はステータス画面を開き、そして命令した。
「――探索マップを」
その一言で画面が一新され、このダンジョンの地図が表示された。黒い点が魔物らしい。三角は俺自身の現在地ということのようだ。
いま俺がいたのは、地下一階の隅っこの部屋だったらしい。
そこで、近くにいるらしい魔物を殲滅へと向かう。
ムカデのような魔物がいた。
なかなか気持ち悪いな。
毒を吐いて来る。が、俺は避けすらしなかった。毒無効は強力だ。
とりあえず、石コロを超音速で発射して、倒しておいた。
次に集団のゴブリンがいた。武器を手にしているやつもいた。
試しに自動防御がどの程度安全なのか確認しておくことにした。
木の棍棒で殴りかかってきたゴブリンに対して、俺はそのまま受けてみることにした。
逆に木の棒がへし折れ、ゴブリンの手首が折れていた。
安全を確認できたな。
もうこいつらは用済みだから、消しておくことにした。
電磁気操作で発火を起こし、全身を丸焼きにしてやる。
それでもまだ生きていたようだから、石を放ってゴブリンの顔を潰しておいた。
これを魔物相手に何度も試していると、ステータスは順調に上昇し、勇者のレベルはLv.28に。
相変わらず、物質召喚はレベルが上がるのが早く、もうLv.5になっていた。他はまだLV.2なのに。
違いが何かを確認してみると、質量や大きさが変化したのではなく、一度に小石を召喚できる数が変わった。
いまは一回の召喚で最大300個ほど召喚できるみたいだ。
『操作』系は、LV.2になると同時に別性質の現象を操作できるようだ。気体操作で気流を操るなど、応用性が高そうだった。
俺はダンジョンの中をゆっくり進む。だが、
「この迷路……地図があっても迷うな」
あまりに複雑なので、壁をこじ開けられないか?と試してみた。
「あれ?」
どうやらダンジョンは物理操作できないらしい。生きてるのか?
仕方なく、目の前の壁を石で吹き飛ばし、通り道を作った。
だいぶ歩きつつ、この階にはもう魔物がいないことを確認する。
俺は今度は地面に石を放って穴をあけ、下へと進んでいくことにした。
下の階は、魔物が少し凶悪そうに見えることから、下の階を守るにつれて強くなるのだろうと思った。
片手間で幼虫の虫型・イノシシや狼のような動物型・鷹や蝙蝠のような飛行型・スケルトンやオークといった人型など、様々な魔物を殲滅しつつ、どんどん下の階へと降りていく。
魔物を倒して進むのは、限界までステータスを上げるため。
そして、最も最下層に来たことを、地図を見て知った。
もうしたがないらしい。
そして、この階層の魔物はいなかった。
あるのは目の前の大きな扉だけ。
「もしかして魔王がここに?」
俺は手に石を召喚し、ゆっくりとその扉を開いた。
ステータスの上昇ケタが大きすぎたので説明文の表現を変更しました(6/2)
無機物についての表現変更(6/4)
表現修正(6/7)