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34話:マルファーリス=アルカリスの野望

 あの竜を何とかしないと、マルファーリスさえ厳しい。


 試しに、直接マルファーリスを攻撃するため、背後に鉄球を召喚・転移して心臓に叩きこんだ。


 しかし、風穴のあいたマルファーリスの身体は、すぐに修復されていく。


 おいおいおい。

 どっちも化け物かよ。


 すると、手をこまねいていた俺へと白竜ホワイトドラゴンが一直線に向かってくる。


「来やがったか」


『どうするんだい?』

「ん? 妖刀か……、さてどうするか、ねっと」


 俺は竜の爪の攻撃を避けて大きく後方へと下がる。


「一つ聞きたいんだが、竜ってのはどうやって飛んでいる?」

『ふふふ、飛んでないよ。そこに「ある」だけだ』

「じゃあ地点固定タイプか。厄介だな」

『それにしてはなんか余裕あるね……』

「そうか? ああ、正直竜と戦うことになるとは思っていなかった。だからなのか、冒険心が精神を高揚させているのかもな」

『おかしな主様ぬしさまだ』



 俺はまず、攻撃をどう煉激していくのか決める。

 使えるのは電磁気操作、空間操作、重力操作。この辺があの規模の化け物に対抗できる能力といったところか。


 手に鉄の塊を召喚すると、俺は竜の腹の中にそれを転移させた。

 白竜ホワイトドラゴンの腹がボンッと膨らんだ。

 すかさず、磁力を操作して、竜を真横へと吹き飛ばした。


 山に直撃した白竜ホワイトドラゴンをさらに空間操作で俺の目の前へと転移し直す。


 今度は鉄のくいを生み出して、磁力と物質操作で腹の中の鉄へと引き合わせてぶつける。


 悲鳴を上げた白竜ホワイトドラゴンは、空中を何度も身体をうねっていた。

 

 鱗に傷はついていないが、物理攻撃が全く効かないわけじゃなさそうだ。

 内部との同時攻撃で、間違いなくダメージは受けている。

 なら、使える能力はもっとある。


 俺は水を召喚して転移で腹の中に移動させ、物質操作・強制で核分裂反応を起こさせた。

 いわゆる水爆だ。

 腹が一瞬にしてふくらみ、内部から爆音が聞こえた。


 しかし、驚いたのは竜の身体が破裂することなく元の姿を維持したままだったことだ。

 すげえな、あれで身体を保てるのだから、竜というのは確かに通常の物理攻撃では倒せないらしい。


 俺は、手の妖刀に一回り大きい形状をイメージして空間を纏わせる。


 そのまま竜のところへ急速接近し、その刀を尻尾に振り下ろした。


 竜ではなく空間そのものを切断したのだ。


 俺は竜の尻尾を完全に切り落とした。


 お~い、ふざけるな!


 竜の尻尾は再生していた。


 ただの化け物じゃないなこりゃ。

 神でも相手にしているのかってレベルだ。


 そこまで来て、ふとマルファーリスがどうしてそこまでして魔法にこだわるのかが分かった。


 そうか、その精神拘束の魔法で中央大陸の竜種を同士打ちさせるつもりなのか。

 もしくは全ての竜種を掌握するつもりなのか。

 いずれにしてもどれだけの生贄がいるのか想像できない。


 俺は思考をやめ、白竜ホワイトドラゴンの背後へと回った。

 尻尾だからダメなのかと思って、頭を切り落とすことにした。


 その瞬間、白竜ホワイトドラゴンはこちらを向いて、ブレスを放ってきた。


 くそ。

 操っているのはマルファーリスだから、死角が意味をなさない。


 しかたなく、空間操作と転移で俺の目の前に顔が来るように転移させた。

 正面には白竜ホワイトドラゴンの首筋だ。

 俺は転移と同時に首を切り落とした。


 だが……、


 まさかの合体。


 くっついたぞこいつ!



 じゃあ、最終手段だな。これ効かなかったらそろそろ厳しいが。


 俺は石コロを竜の腹の中へと転移させた。


 そこに重力操作で石自体へと莫大な重力を重ねがけする。


 どんどんと重力に空間が飲み込まれていくようにして、重力崩壊を起こす。


 ブラックホールだ。


 これは操作・強制によってはじめてなせる技。

 石の姿は重力に飲み込まれ、『特異点』だけが発生していく。

 そんな状態が腹の中で進んでいる。


 竜は腹の中へと引っ張られるようにして身体の体積を縮ませていく。


 そして、一瞬の後、


 竜はその姿を完全に消滅させた。

誤字修正 1/5

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