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TABRIS  作者: 横谷昌資
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なぜってこともないけれど

そりゃあ世間の認識なんてそんなものさ

僕らは何にもしていないんだもの


誰かが“それ”を笑いものにするとき

俺も一緒になって笑わなきゃ

じゃなきゃバレちゃう


俺は“ここ”にいないことになっている

それなのに声を上げるなんて怖すぎる

だからこそ事態は全然好転しない

でもあくまでも僕らの勇気のなさを責め立てられる


空気が僕らを拒絶する

とてつもなく穏やかな“否定”

爽やかな空気に満ちている

要はこの人には言えないな、と思う


知識もないのに議論はできない

認識もされていないのに想像力は生まれない

結局誰かがなんとかして前に進むしかないんだ


でも怖い とにもかくにも怖い

とてつもなく怖い


いるのは別にいい、という

でもそばにいられるのは嫌だ、ともいう

じゃあ僕らは一体どうすればいいの

本当はいつだって身近にいるっていうのに


結局は、そんなに難しい話じゃない

ただなんとなくそうなってるからそうしてるだけ

その点じゃ僕らも彼らも同じこと

だから、しょうがない


そもそもわざわざ騒ぐほどのことじゃない、と君はいう

別に普通のことだし特別なことじゃないのだから、と

でも差別を目の当たりにすると不寛容だと不満をいう

君は世界にどうなってほしいの 世界をどうしたいの


別に困ってないなら別にそれでいいじゃない

このままの世界をこのまま続けてしまって

なのにどうして君は意見をいうの

意見を言ってその結果何を夢見ているの


「なぜってこともないけれど」


英雄が来るのは待ち望めないし魔法の杖などどこにもない

わかりきってはいるんだ 僕ら一人一人の意識が大切だと

そうやって小さなところから世界を広げていくしかないのだと

それでもやっぱり“誰かがなんとかしてくれないか”と

そう願ってしまう


怖い 怖いんだ

とにもかくにも怖いんだ

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