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TABRIS  作者: 横谷昌資
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死に至る

仲間がほしい 独りぼっちは辛い

だけどどこに同じような人がいるのかわからない

仮に“ここ”にいたとしてもわからないから


苦悩や欲望を共有できる相手が一人もいない

案外いるのかもしれなくても誰がそうなのかわからない

だって俺がそれを隠しているのと同じ理由で

彼もそれを秘密にしているわけだから


うまく説明できない 何が辛いのかどこがどう生き辛いのか

それが自分でわかっているのなら

それならきっとこんなにも悩んだりしない


伝わらない 伝わっていない

正しく伝えられない どうすればいいのかわからない

例え話は意味を為さない どれもこれも違ってる


誰にも何も相談できない 誰に話せばいいのかわからない

話したら話したでもうそのまま関係性が途切れるかもしれない、

運次第では殴られるかもしれない、殺されるかもしれない


一言で説明できるような悩みは悩みじゃない

俺だって自分自身のことがよくわかっていないんだ


誤解がある、というだけで生き辛い

その都度説明しなきゃならないから

でも誠実さはそのうち消耗する

一体どうすればいいんだろう


一体いつまで同じ話を繰り返せばいいんだろう

一体どうすればいいんだろう


隠すから差別“される”んだ

だから差別“される”んだ

差別する側に問題はないんだ

だから問題はお前の側にあるのだ


一体どうすればいいんだろう

一体どうすればいいんだろう


話がしたい 対話がしたい 世界を共有したい

確かに孤独は人を育ててくれるのかもしれない、

だけどもう限界なんだ 独りぼっちは辛いんだ

いつまでも無人島にはいられない


少年期に他の人に出会えない

まるで世界で独りぼっちの気分


自分以外のゲイと出会いたい

自分以外にもこの世界にはゲイがいるのだと知りたい

自分は独りぼっちじゃないと思いたい


テレビにいくらゲイが出ていようが

ネットでいくらゲイが書き込みをしていようが

リアルに出会えなければそれは現実じゃない

それは現実だということにはならない


自分を解放したい 話がしたい

友達がほしい 恋愛がしたい

ただ一緒にいたい セックスがしたい

他の人がどんな人なのかを知りたい

自分は独りぼっちじゃないとわかりたい


他のあらゆる差別と比べて

そこに“嘲笑”が起きやすい

ゲイは“差別がしやすい”んだろう

でもそんなのってないよ

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