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[ルートA] 裸の我が子よ 2



[_______よせ!まだ11の子供だぞ!]


[なんでです、戦利品じゃないですか。これ]


[それと大尉。

この集落のゲリラを殲滅するのに指揮官からクラスター爆弾の使用許可を与えられたはずなのに使用せず]


[結局直接的な戦闘を強いられた]


[そのお陰で何人も仲間が死んだのです。

私の友人も2人敵に殺されました]


[このことは参謀本部に報告させていただきます]



[......っ]






_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _




[なんでクラスター爆弾使わなかった]



[はい、クラスター爆弾は無差別兵器であり民間人にも....]









パァンッ





[う"ぁ"っ]







[大尉、君はこの戦争の意味がわかっていないな]



[......っ、ぐっ.....]



[こんな雑魚相手になぜこんなにも時間をかけるのか。

なぜ戦争が長引いているのか]


[分かるか]



[...それはっ、敵がゲリラ戦を用いて殲滅に時間がかかるから.....]




パァン




[つ"ぁあぁッ]



[ちげーよバカ。

これはアメリカ政府からの実験のご依頼だ]



[アメリカって国は、政府管理下で一年にどのくらいの兵器を作ってると思う]



[答えは分からない、だ]



[だが少なくとも実験材料がこちらに流れてくる分としては1000個程だな]



[いいか、私たちが戦う意義。

それはあくまでビジネスのためだ]



[子供を救うだとか、弱きを助け強きをくじくだとか]



[そんなことじゃない]



[あくまでこの国の人間は実験台。

そして敵も味方もない]



[そして君がさっき言ったような大義名分を掲げて戦っていたのなら、君は限りのない、限度の知らないアホだ]



[強さこそが何もかもをドミネーション(支配)できる。

これは紀元前、人間がチンパンジーだった頃からの弱肉強食の公式に当てはめれば理解出来るはずだ]



[なんだ、気づいていなかったのか。

そんなんだからお前はいつまで経っても政府のコマなんだ]



[支配されたくなけりゃ支配しろ。

強さこそがこの世の全てだ]




[.......っ]





_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _



[....ふっ.....ふ....]


[(なんだって弱者が殺されなきゃいけないんだ。

弱いから殺されてもいいってのか)]



[....おい、大尉のクソがまたバカみてぇに腕立て伏せしてるぜ]


[両膝撃たれたってのに、ありゃもう戦争でイカれちまったな]



[....ふっ....ふっ.....]


[(強くならねば、もっと、もっと強く...)]



_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _




[....最近は軍への貢献がめざましいな]



[20もの村を制圧。

かつ民間人の死傷はゼロか]



[はい]



[とはいっても、このままだと君のせいで戦争が早い段階で終わりを迎えてしまう]


[君にはしばらくの休暇を与える。

イタリアにでも行ってくるといい]


[いや、それはありがたいんですが...]


[費用はこちら持ち、半年くらい羽を伸ばしてこい]


[...あの]




チャキッ




[行け]



[...]



[...嫌です]






_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _




[...よし、ここからイタリアの領海内だ。

さっさと海に放り投げて帰ろう]



[じゃあな、大尉]







バシャアンッ







[ (....なんで..) ]



[(....なんで、私は人を助けただけなのに....)]



[ (....クソ...) ]



[(....みんな死んじまえ)]
















______5時間後





[____お母さん、浮いてる....]



[何がだい、アリー]



[....人]



[どこ]



[あそこ。

なんか....青い....]



[アリー、あっちで遊んできなさい]



[はい_____]









ジャバジャバ




バシャア





[(...なんだこいつ、まだ息があるじゃないか)]


[(それにしてもこのおびただしいほどの傷。

誰がこんなことを)]






[....]






その時、私はその女を抱き抱えて海から取り上げてやった



なんというか、こいつは



何かから解放されたかのような、あまりにも清らかな顔をしていたものだから



赤子のように見えた


























_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _



「イタリアさん。

おーい、イタリアさん」



「....すまない」



「別にこのリストに乗ってる日本人殺すんはオヤジも許可してるけんの、イタリアのリラでは受け取らんぞ」



「ドルだ」



「...今持ってんのか」



「...200000ドル、確認しろ」



「...まぁええわ」



「あと、この夫婦は生け捕りに」



「物好きな奴やな。わかったわ」





_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _




「...ぁ.....」



「....嘘だろ復活しやがった」



「...み....ぅ」



「な、なに?」



「み...ず...ぅ」



「水か、水なんだな!ほら...」



「...んぐ...んぐ...んぐ.......ぐ.....」



「おいおいそんないっぺんに飲むな...!」



「....ぶほぉっ....え"っほ、えほ」



「言わんこっちゃない....」



「....誰だあんた.....」



「カスターニョ」



「...カスター、ド」



「...」



「....あれ、ここは...」



「見たことあるって顔だな。

ここはボスの部屋だ」



「...カルロッタの...」



「...さっき私を抱きしめてたのはカルロッタか」



「なに」



「...なぜだか、温かかったんだ」



「....」



「ベレだな」



「ここまで運んできたのもベレだからな。

その間ボスは自室に入ってないし」



「....なんであいつが....」



「どうやらベレはお前を気に入ってるらしいな。

じゃなきゃこんなことしない」



「....」



「...その人は今どこにいる」



「....」



「.....知るか。

知りたかったら自分で手紙でも出して聞いてみるんだな」



「.....」



「...わかった。

じゃあその白い錠剤を取ってくれないか」



「ダメだ、こいつはお前を内部から破壊する」



「と、ベレに言われた。

他にも色々言付けがある」



「そのひとつがまず、身なりを整えろ、だと」



「身なり?」



「そうだ、そのいかにもマフィアって感じのスーツを全部脱げ」



「じゃあ一体何を着ればいい」



「これ」



「.....これは私には似合わない。

こんないかにも女っぽい服」



「あぁ、今のお前だと似合わない。

だがそれはメイクやら髪型やらを整えれば別だ」



「お前は少年のような顔立ちだが、それもまた個性だ。

いい味をだすだろう」



「女として生きたいと言ってただろ」



「...誰から聞いた」



「ベレだよ」





_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _





「...おい、なんか用かよ」



「...サリエリって人に、用がある」



「今日はドンは誰とも会わない。

さっさと消えな」











ザシュッ












「あ.....?」



「バ、バロン______!」



「....」






ザンッ、パァン









「....まずは二匹」




正門を通り過ぎ、庭の中心を横断し玄関まで辿り着く。


そして木製の玄関を開けると、奥の階段から何十人かが私の方へ目を赤くして走ってきた。



「...」





ピンッ



ヒュッ






「うぉ、手榴弾_______!」




バゴォオオンッ






ピンッ



ヒュッ





ピンッ



ヒュッ








「____な、無茶苦茶だ____」








バゴォッ、バゴォオオンッ






「....あぁあ...なんだこれぇ...一体なんなんだこれはァ..!」







カチャッ







「_____駆除」








パァンッ












タッタッタッタッ






「...死ねぇぁ!」





パァンッ




「....っ」



「....クソっまだ1人...」




パァンッパパァン





「ぶぅあはぁ______」



背後に隠れていた男を撃ち倒す。


だが同時に私は右の横腹を撃たれていた。




「....(腹が....)」





「....」





「...気張れよベレストダーレ。

これが、これがお前の最後の仕事だ」





「.....」






「あばよベレ」






ダダダダダダ








「...なっ」



普段市街地では聞かないような音の銃弾が奥の階段の上の部屋から放たれる。


それをぎりぎりで察知して近くの壁の後ろに隠れた。




「...(固定機関銃。

中に入るのは難しそうか)」





「...お前だな、あの子をあんな姿にしたのは」



「____サリエリ」



「いいプレゼントだったろ。

まだ生きてるものだから、一晩中あそこに放置してやったんだ」



「この腐れ外道が。

過去にお前の身に何があったかは知らない」



「だが苦しむ子を悪の道に進めたのは許さん」



「あぁ、あれは私と同じにしてやっただけだ」



「なぁ知ってるかベレ。

人間ってのは生まれた環境でそいつの性格が決まっちまうらしい」



「単純なもんだよなぁ人間ってのはよォ!!!

泥水の味に慣れちまえば泥水だけでも生きてけちまう!」



「黙れ!

環境が酷くとも何度でも自分で人生をやり直す機会はあったはずだ!

その証拠にあざみがいるだろ!」



「てめぇみたいに強けりゃ何してもいいと思ってるカスがいるから なんにもしてない無実の人間が死ぬんだああああああ!!!!」



「フォオオオオ!!

向かってくるか!!

やっぱりテメェイカれてるぜ!」












ダダダダダダダダダダダダ







「うぉおおおおおおおお」







バシュバシュバシュバシュッ



ブチ、ブチブチッ








バッゴオオオオオオッッッ






































___ガラガラッ


ボロッ








「....はぁ.....うぁっ....」





「....うおぉ....!

やりやがったな、てめぇ....」



「.....まだ、残りの手榴弾が、あったとは.....」




「.....ああぁ....腕がァ、ちぎれて....」






「...」








カチャッ









「____あぁさっさと、殺せよ!

結局私は自分を守れなかったんだ...!」





「.....もう十分、守れただろ....」





「....あ?」






「.....だってお前」










「.....十分、強いじゃん」








「...あぁ、そっか______」


「....ごめ、お姉ちゃ______」



パァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッ



カチッカチッ







「...」







カチャッ



チャキッ






ダダダダダダダダダダダダ_________














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