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光の星サウザンニウム

シャインは国の守備防衛隊に所属する父・マグナスとレッドクルス隊という地球でいう赤十字のような組織に所属する母・リリィの間に産まれた三番目の子供だ。三つ上の兄と二つ上の姉がいる。

彼らは赤ん坊のシャインの回りに群がってはいつもニコニコ笑っていた。

シャインも会話はまだ通じないが彼ら兄妹といると安心した。


兄ユリウスは知的なおとなしめの子で本が大好きでシャインがまだ文字もわからないのに側に来ては絵本を読み聞せしていた。

姉ジーンは母親にくっついて母と同じように赤ん坊の面倒を見ている気になっている。シャインをぺしぺし叩いてはあやしているつもりのようだ。シャインはたまにジーンがウザいと思った。


シャインの目下の興味は兄ユリウスの読んでくれる絵本だ。絵本は昔話だった。昔話形式でこの星の成り立ちを書き記したものだったのだ。

シャインは夢中で兄に読み聞せをせがんだ。なんせまだこの世界の文字は理解できない。通じているかはわからないがユリウスは喜んで本を読み聞せるのだった。


ー 我々が住まうこの星は『光の星サウザンニウム』と呼ばれます。。人々は互いに手を差し伸べ助け合い生きていました。

そんなある日、この星の科学者は第二の太陽と呼ばれる新エネルギー、サウザンニウム・コアを開発しました。人々は更に豊かなエネルギーの恩恵を受けることになりました。サウザンニウム・コアはサウザンニウムに住む生物全ての生命エネルギーを強化できるのでした。サウザンニウム人は力は数万倍、空も飛べるし体内で光のエネルギーを生み出すことができるようになったのです。彼らは自分たちを『光の超人』と呼ぶようになりました。

彼らは同じくサウザンニウムに住んでいて強化されてしまった動物たち…彼らの幾ばくかは魔獣となって暴れまわるようになりました。『光の超人』はそんな凶悪な魔獣の脅威から市民を守る為に闘い始めます。

我が国の誇る守備防衛隊の始まりです。


絵本が守備防衛隊の件になると父マグナスは決まってドヤ顔をする。その度にリリィにたしなめられる。そんな繰り返しで家族は笑う。幼いユリウスもジーンも釣られて笑う。シャインはこんな家族が好きだった。

生前七之助だった時は母子家庭だった。あまり暖かい家庭は知らなかった。母は常に仕事で留守で子供の頃の友達はテレビだけだった。中でも子供番組が大好きだった。夢があったから。一から自分で世界を創造できたから。母は働いて働いて身体を壊して亡くなった。学校は奨学金で出た。


……あの人生ではこんな暖かい家庭はなかった。

こうして前世を思い出しては泣き出すシャイン。

彼の涙は前世の人生への追悼なのかもしれなかった。

更新は不定期です。すみません。

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